日別アーカイブ: 2021年3月3日

次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画 策定指針の一部を改正する告示について

 令和2年5月に閣議決定された「少子化社会対策大綱」(令和2年5月 29 日閣議決定) において、「不妊治療について職場での理解を深めるとともに、仕事と不妊治療の両立に資する制度等の導入に取り組む事業主を支援し、仕事と不妊治療が両立できる職場環境整備を推進する。」とされたこと、内閣府及び当省が令和2年 12 月に取りまとめた「不妊治療を受けやすい職場環境整備に向けた今後の取組方針」において盛り込まれたこと等を踏まえ、次世代育成支援対策推進法に基づく、行動計画策定指針(平成 26 年内閣府・国家公安委員会・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号)が改正されることとなり、「行動計画策定指針の一部を改正する告示」(令和3年内閣府・国家公安委員会・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省告示第1号)が告示されました。

 具体的な内容及びこれに伴う留意点については下記のとおりです。

1 事業主においては、次世代育成支援対策推進法の規定に基づく一般事業主行動計画を策定するにあたり、次世代育成支援対策として重要と考えられる事項を、実情に応じて盛り込むことが望ましいこととされているところ、盛り込むことが望ましい項目について、以下のとおり改正しました。(令和3年4月1日適用)

(1)「子どもの看護のための休暇の措置の実施」の改正

 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和元年厚生労働省令第 89 号)の施行により、子の看護休暇について、事業主は時間単位での取得を認める必要があることを踏まえ、子の看護休暇の弾力的な利用が可能となるような制度の例示として、始業の時刻から連続せず、かつ、終業の時刻まで連続しない時間単位での取得(中抜け)を認めることを明確化。

(2)「不妊治療を受ける労働者に配慮した措置の実施」の追加

「不妊治療を受ける労働者に配慮した措置の実施」という項目を新設し、以下のとおり規定。

  • 以下のような措置を講ずること。
  •  不妊治療のために利用することができる休暇制度(多様な目的で利用することができる休暇制度や利用目的を限定しない休暇制度を含む。)
  •  半日単位・時間単位の年次有給休暇制
  • 所定外労働の制限、時差出勤、フレックスタイム制、短時間勤務、テレワーク等
  • この場合、下記の取組を併せて行うことが望ましいこと。
  •  両立の推進に関する取組体制の整備
  •  社内の労働者に対するニーズ調査
  • 企業の方針や休暇制度等の社内周知、社内の理解促進、相談対応
  • 不妊治療に係る個人情報の取扱いに十分留意すること。

2    1の改正を踏まえ、一般事業主行動計画の策定・変更届の様式についても、同日付で改正しました。(令和3年4月1日施行)

3 行動計画策定指針の内容を参考として、子の看護休暇については、始業の時刻から連続せず、かつ、終業の時刻まで連続しない時間単位での取得(中抜け)など子の看護休暇の弾力的な利用が可能となるような制度の検討をお願いするとともに、不妊治療と仕事の両立については、休暇制度や柔軟な働き方の導入について御検討いただき、会社内における不妊治療等に対する理解の促進、不妊治療を受けやすい職場環境づくりに努めていただきますようお願いいたします。

 

(参考資料)

子の看護休暇について(厚生労働省HP) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000582033.pdf

不妊治療と仕事の両立について(厚生労働省HP) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14408.html

一般事業主行動計画の策定・届出等について(厚生労働省HP) https://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/jisedai/