環境マネジメントシステム・CO2削減セミナー

2月20日に松本市の長野県工業技術総合センター環境・情報技術部門で環境マネジメントシステム・CO2削減セミナーを開催しました。今まで、エコアクション21の制度やガイドラインの説明をするセミナーは数多く開催してきましたが、エコアクション21を使って、CO2を削減する方法はあまり皆さまにお伝えしてきませんでした。

CO2排出量を削減する方法は大きく分けて二つあります。ひとつは省エネをすることです。もうひとつはCO2を出さない、あるいは少ししか出さないエネルギーを使う方法です。火力発電所では石炭や重油、天然ガスといった燃料を燃やすことによって電気をつくっています。一方、水力発電所、太陽光発電、風力発電、地熱発電ではいったん施設ができてしまえば電気をつくってもCO2を出しません。こういったエネルギーを再生可能エネルギーと呼んでいます。

今回はこの2つに焦点をあてて二人の講師に話をしていただきました。

小林講師はエコアクション21の審査員の他、省エネを専門とする方です。今回は環境マネジメントシステムの活動として、「本業の改善活動」をするということを中心にお話しいただきました。「仕事がやりやすくなる」ことがすなわち省エネや廃棄物削減につながります。省エネの部分でも「省エネ=ムダ取り=経営改善」ということが今回のメインテーマです。

唐木講師は再生可能エネルギーの導入方法についての話です。再生可能エネルギーとは太陽光、風力、水力、太陽熱など太陽が地球を照らしてくれる限り、なくならないエネルギーのことです。もちろん、エネルギーを使用してもCO2の排出量はゼロです。多くの先進国や長野県も2050年に地球温暖化ガスの排出量実質ゼロ達成を宣言しました。省エネをいくら進めてもCO2排出量はゼロにはなりませんので、今後再生可能エネルギーを使用するようにしていかないとゼロにはなりません。再生可能エネルギーの利用法は大きく分けて二つあります。一つは自ら再生エネルギーをつくる装置を備えること。すなわち、太陽光発電パネル、太陽熱利用温水器などを自分で設置する方法です。ある程度の初期投資が必要ですね。もう一つは再生可能エネルギーを買うことです。例えば電力を買う場合にも再生可能エネルギーで発電された電力を買うことが可能な時代となりました。

セミナーでは環境マネジメントシステムに取り組む事業者様には今後取り組むべきことを考える上で、とても参考になったのではないかと思います。また、環境マネジメントシステムにこれから取り組む事業者様にもその効果がお分かりいただけたのではないかと考えております。

 

 

10年継続事業者感謝状贈呈式・フォローアップセミナー開催

11月12日に松本市の長野県合同庁舎に於きまして、2019年度の10年継続事業者感謝状贈呈式とフォローアップセミナーが開催されました。

今年度の10年継続の事業者は17ですが、その内、12の事業者に出席をいただきました。長野県環境部の環境エネルギー課の真関課長にごあいさつをいただいた後、一般社団法人長野県産業環境保全協会の登内会長より事業者の代表者に感謝状と記念品が手渡されました。(写真 高木建設㈱高木常務)

(写真 ㈱協和精工橋場社長)10年継続事業者を代表して、株式会社協和精工の橋場社長より、自社のエコアクション21の取組について発表がありました。ロボット用の安全装置用ブレーキ等の精密機器を製造していますが、「いい会社をつくろう」を企業理念として1.目的・目標管理活動  2.全体朝礼(月1回)  3.3K活動(協和精工+改善+改革:個別重点職場の改善) 4.ホットサークル活動(QCサークル・小集団活動) 5. 改善提案活動  を組み合わせて取り組んでいます。ISO9001もエコアクション21も認証・登録していますが、話の中では環境とか品質という言葉は少なく、改善、改革、効率UPのような言葉が出てきます。やはり、環境か品質かではなく、問題点を「改善する」「改革する」ということでしょう。一番印象に残ったのは新聞等でも報道されているので、ご存じの方も多いかもしれませんが、残業が減っては「それをあてにして生活している人もいるので」効率的に仕事ができるようになった分、残業手当の代わりに「特別手当」を支給しているとのことです。「すごい」と思いました。

続いて、阿部審査員によるエコアクション21ガイドライン2017年版をよく理解して取り組むお話がありました。丁寧な解説でガイドラインをもう一度復習したい人やエコアクション21事務局担当になったばかりの人にぴったりの内容でした。また、環境経営目標やその実現のための計画の策定のヒントとして、職場でのムダの見つけ方、ムダの省き方について詳しく話していただきました。例えば一人の人が1秒をムダにすると約1円をムダにしたことになるそうです。何かをしまい忘れて、5分間探していると 60×5=300円をムダにしたことになります。また、パソコン内でファイルを探していてもまったく同じことです。日頃、マンネリ化等で悩んでいる担当者にはとても良い内容でした。

阿部審査員の話の途中に30分間のコーヒーブレークがあり、7つの班に分かれてコーヒーを飲みながら、いろいろな話をしました。当然、エコアクション21の悩みも出るわけですが、特に多いのは「エコアクション21事務局担当者の労力をいかに減らすか?」「活動のネタや効果的な目標の立て方」などです。これについては審査員も審査の際になにか役に立つヒントを差し上げなければいけないなと感じました。

 

 

環境保全基礎研修会から

6月11日、12日の2日間、岡谷市の長野県工業技術総合センター精密・電子・航空技術部門で環境保全基礎研修会が開かれました。内容は環境関連の法規、技術、環境問題の動向、環境マネジメントシステム、省エネ・廃棄物削減・化学物質管理とエコアクション21やISO14001の事務局や事業者の環境担当者であれば必要となるだろうと思われる知識です。ほとんどが毎日の仕事と重なるので、参加者の皆さんは真剣そのものです。終了時には「もう少し余裕が欲しい。」との声が聞かれる一方、「基礎よりもっと上のセミナーに参加したい。」というツワモノもいたようです。

演習の時間は班ごとに分かれて、講義の振り返りの問題や課題に取組みました。他の会社の環境の仕事をしている人といろいろなことを話せる機会と言うのはあまりないようで、もう少し時間を取って「お互いの悩みについて、話す時間も欲しい。」との声も聞かれました。長野会場は6月25日、26日に開催されます。

食品・建設ガイドライン改訂説明会開催

食品関連事業者向け及び建設業向けのガイドラインが昨年改訂になり、その改訂説明会が2月26日(松本会場:食品、建設)と3月7日(佐久会場:建設)で開催されました。多くの方にご参加をいただきまして、有難うございました。(写真は松本会場の建設です。)

一番の改訂ポイントは「代表者が決定した課題とチャンス」をどのようにエコアクション21の活動に取り入れていくかです。「すごく難しい。」と感じるかも知れませんが、心配することはありません。「自分たちにとって今、一番大事なこと」に取り組めば良いんです。多くのところではもうすでに取り組んでいるかも知れません。

もし、今、人手不足に悩んでいるなら、「どうしたら、新しい人に来ていただいて、定着していただけるか。」を考えれば良いのです。「え? 環境に関係ないって?」 そんなことはありません。今は給料より、残業があまりない。とか 土日が休める。 というようなことがけっこう重要視されているようです。これを実現するには業務の改善が必要です。業務の改善が進めば仕事あたりの電力や燃料の使用量、廃棄物の排出量などの環境の成績も良くなるはずです。

食品と建設のガイドラインが適用になる事業者は2019年の10月1日の審査申込から2017年版での審査を受けることができます。最初の1年間(2019年10月1日から2020年9月30日)は2009年版と2017年版のどちらでも受審可能です。事業者にとって最初の2017年版での審査は移行審査と呼ばれ、2017年版で新たに加わった部分はできていなくても次の審査までに対応していただければ良いとのことです。どこをどうすれ良いかは審査員が詳しく説明することなっています。最初から2017年版で受けて、足りない部分は一年かけてやるが良いですね。

第22回環境コミュニケーション大賞発表

環境省が主催し、すぐれた環境報告書の表彰する制度が環境コミュニケーション大賞です。主に大企業が対象となる「環境報告書部門」とエコアクション21の認証・登録事業者が対象となる「環境経営レポート部門」の二つの部門に分かれています。

今年度の第22回表彰について、先日、発表があり、長野県からは<優秀賞>にコムパックシステム株式会社<優良賞>に共和アスコン株式会社と株式会社みやま が選ばれました。この3社はいずれも当ウエブサイトの「事業者」紹介に掲載させていただいている事業者であり、以前から社長や常務といった経営者が先頭に立ち、かなり成果を上げている企業です。当地域事務局でも以前から、エコアクション21に熱心に取り組んでいるので、注目していました。環境省の評価と一致したということで密かに自信を深めています。

こういった全国レベルの賞をいただくとエコアクション21担当の職員だけでなく、全職員のやる気を大いに出させることと思います。この賞は二つの部門があり、言ってみれば「大企業部門」と「中小企業部門」とに分かれており、大規模な投資をしたり、高度な技術を持たなくても賞が頂けるということでとても価値がある気がします。

今年は2月20日に東京 品川プリンスホテル メインタワー 28階で表彰式があるようです。

審査員や地域事務局職員も継続的改善が必須!

2019年1月31日

 長野県内のエコアクション21審査員やコンサルティングに携わる方々(アドバイザー)、地域事務局長野産環協、一部山梨県内の審査員、さらには長野県の環境エネルギー課の担当者も参加して、3か月に一度、エコアクション21の審査の内容を向上させることやエコアクション21の普及を目的として、研修会を開催しています。

もともとは地域事務局判定委員会の結果の共有や審査員、アドバイザーの情報交換を目的として「長野県エコアクション21審査人・アドバイザー連絡会」として、エコアクション21の第3者認証・登録制度のスタート時に発足しました。その後10数年を経て、「今後は単なる情報交換より、お互いの力量アップにもっと力を入れるべき」という考えのもとに「信州EA21研修会」と名称を昨年、変えました。

直近では1月26日(土)の午後、長野市で開催されました。今回は長野県内の審査員に建設業の出身者が少ないということで、新潟県のベテラン審査員の岡崎様の「現場審査のポイント(建設業)」を聞きました。岡崎審査員は建設業で長い間働いた後、審査員になられた方なので、豊富な知識と経験をお持ちです。今回の研修で岡崎審査員の強調されたのは「建設業は何と言っても現場」ということです。エコアクション21の活動を経営に活かすという視点で次のようなことを教えていただきました。

〇現場ごとの目標設定は必須。

〇公共工事の「工事評価書」には創意工夫、地域貢献といった項目があるので、これらの点数を上げることを考える。

〇工事現場を管理職がパトロールをしているので、これを監査(評価の機会)ととらえることができる。

会のメンバーからは多くの質問が出され、とても貴重な時間となりました。この研修会の様子はこれからもこのブログでお知らせしていきたいです。

建設業、食品関連事業者向けガイドライン改訂研修会(審査員向け)

先週の土曜日に東京で開催された。審査員と地域事務局職員向け建設業向け、食品関連事業者向け2017年版ガイドライン改訂の研修会に参加してきました。10時から13時まで食品向け、休憩の後建設業向けは14時から17時半まで。各講義の終了後には1時間の確認試験付きです。朝早く起きて出掛けて来たため、さすがに午後の集中力の低下は避けられません。建設業の試験はやや出来が悪いかも。

両ガイドラインともに業種独特の部分の改訂はあまりなく、一般用ガイドラインで改訂部分ができていれば特に問題ないという感じがしました。

食品関連事業者向けでは以前のガイドラインでも特徴であった食品リサイクル法の順守が一番の要点です。「試験でもその部分だけは間違いないように回答するように。」と講師は念を押していました。

建設業向けでも今回の改訂点と言うよりは建設業では「建設現場での活動に焦点をあて、何を見るべきか。」と言うようなお話が中心になりました。

当地域事務局では2019年の2月~4月あたりに食品関連事業者向け改訂説明会を1か所で、建設事業者向け改訂説明会を2か所で開催することを検討中です。詳細が決まり次第、お知らせいたします。

エコアクション21フォローアップセミナー

地域事務局長野産環境では毎年、エコアクション21の認証・登録をしていただいている事業者様向けにフォローアップセミナーを毎年、開催しています。今年は11月7日に松本市のあがたの森文化会館に於いて10年継続事業者への感謝状・記念品贈呈式と合わせて開催しました。審査員や事務局役職員も合わせると80名が参加しました。

〇10年継続事業者への感謝状・記念品贈呈式

今年度の10年継続事業者は以下のとおりです。一言で10年と言いますが、担当者様らの大変な努力のたまものでしょう。素晴らしい!!

認証・登録10年継続被表彰事業者一覧     

岡谷熱処理工業㈱   ㈱千曲ライト    ㈱丸一パッケージ     中部日本電子㈱    共和アスコン㈱   ㈱サイトー     (有)ヤマカ資源回収   ㈱前田鉄工所    甲信商事㈱     コスモス工業㈱    ㈱カワベ工業     九州興業㈱      コムパックシステム㈱   ㈱小宮山土木    信和建設㈱     ㈱草深製作所     ㈱芳沢スクリーン  ㈱ニューパック     ㈱ダイワ       (有)ひかり機器    アルプス運輸建設㈱

各事業者の代表の方々に当協会の登内会長より、感謝状と記念品が手渡された後、10年継続事業者を代表して、平成29年度環境コミュニケーション大賞「環境活動レポート部門」大賞(環境大臣賞)を受賞した共和アスコン株式会社の金原常務より、10年間の取組についてお話しいただきました。事業所や部門ごとにデータ を取り、活動結果と合わせて分析した上で、改善策を実行していることや車内でエコ標語・川柳を募集して優秀作品には賞を出すなど、いろいろな仕掛けをしていることが良く解りました。

〇フォローアップセミナー        講師:宇野審査員

 2017年版ガイドラインへの対応方法や環境経営レポート、審査書類の作成のポイントについて話がありました。宇野講師が一番、強調していたのは「審査員は事業者と共に考える仲間・同士である。」とういうことです。どうしても審査員と受審事業者は「私、足りないところや間違っていることを指摘する人  vs  言われたとおりに修正、追加する人」と向かい合うかたちになってしまいます。仲間・同士はそうでなくて、「同じ方向を向いて、助け合いながら進んでいく。」という意味でしょう。終了後に回収したアンケートには「宇野講師の言葉で安心しました。」の声が多く見られました。そういったかたちを実現するには事業者より審査員の考え方の切り替えがカギになるかもしれません。

ガイドライン2017年版への対応について詳しく知りたい方はこちら

 

エコアクション21全国交流研修大会から

毎年、エコアクション21の全国のエコアクション21の審査員、中央事務局職員、地域事務局職員、認証・登録事業者の交流を目的とした大会が各地で開催されてますが、今年は10月12日(金)、13日(土)に東京都千代田区神田のベルサール神田で開催されました。テーマは「エコアクション21~課題を克服・活かせチャンスを」でした。言うまでもなく、今回のガイドライン2017年版の改訂の目玉である「代表者による経営上の課題とチャンスの決定」を意識したものである。

偉い先生方の話を聞いた後は分科会でいくつかの班に分かれて、サンプルの企業の環境活動レポートとウェブサイト資料を見ながら、参加者が気付いたことを挙げ、その企業の「課題」と「チャンス」を予想しました。大勢で考えるといろいろと出て、まとめるとかなり「いい線いってるな。」というものになりました。しかし、ほとんどの場合、審査は一人の審査員がすることとなるし、「課題」と「チャンス」を決めるのはその会社の社長であるので、考え過ぎてはいけないなと感じました。

一番、印象に残ったのは基調講演で講師は国立環境研究所の五箇公一先生の生物多様性に関する話、五箇先生はテレビにも出演しているので、ご存知の方も多いかもしれません。「生物多様性は事業活動との関係を説明し難い」と考えていましたが、面白おかしくかつ解り易く説明していただきまして、だいぶ理解が進みました。そのファッションもさることながら、人を引き付ける力や説明のうまさに感銘を受けた次第です。

エコアクション21セミナー各会場から

毎年、6月、7月に長野県下4会場で、長野県環境エネルギー課の支援を受けながら開催しているエコアクション21セミナーですが、今年度も岡谷会場、長野会場、上田会場が終了しました。後は7月17日(火)の塩尻市総合文化センター(13:30~ )を残すのみとなりました。

今回のセミナーではまず、エコアクション21審査員から今回の2017年版の改訂の目玉である「経営上の課題とチャンス」を方針、目標、計画に反映することによりエコアクション21の活動を「本当の意味で役に立つ」活動にしてゆくということを中心に話がありました。

後半はエコアクション21の認証・登録をしている地元企業による事例発表は各会場とも2017年版を先取りするような「本来業務での取組み」について紹介がありました。例を以下に挙げます。

岡谷会場:岡谷熱処理工業株式会社   自社技術により、従来の熱処理より費用も時間も大幅に短縮(1/8)することに成功した。

長野会場:ホロン精工株式会社   作業の効率化や照明のLED化により、売上高当たりの電力使用量を約50%に削減、また売上高当たりの廃油の量を約40%削減した。

上田会場:笠原工業株式会社    まったく異なる事業をいくつか行っているので、その事業にあった目標、活動計画を策定、不良削減、作業のやり直しの削減等、製造現場でのムリ、ムダ取りを中心に活動している。

参加者からは事例発表がとても参考になったとの声が聞こえました。