有限会社吉岡製作所(千曲市)
2019年5月に認証・登録になりました。ここまでの道のりを紹介します。
会社紹介 所在地:千曲市屋代3040-5(更埴インターすぐそばです。) 業種:金属機械加工 資本金:300万円 従業員数:8人
仕事内容 複合旋盤を使用したまるもの加工です。ロボットローダーを早くから導入しています。
<吉岡社長の話>
取組みのきっかけ 父親が創業してからずっと家族経営でやってきました。家庭的雰囲気を持つことはとても良いことだと感じていましたが、リーマンショックを経験して、しっかりとした仕組みを持った会社にしたいと考えるようになりました。そんなときに千曲市の産業支援センターからエコアクション21の紹介をしていただき、ISOより取組み易いとのことでしたので、取り組むことを決めました。
進め方 地域事務局にコンサルタント(審査員)を紹介していただき、その方が用意したプログラムに沿って進めました。
データ集計 とにかく、コンサルタントの末広審査員に言われるまま、まずはデータ取りから始めました。電力使用量、燃料使用量、産業廃棄物使用量、水使用量などの主要データは過去3年分、一般廃棄物(紙ごみなど)は今まで記録していなかったので、取組みが始まってからデータを取ることとしました。
データの集計には末広審査員作成のオリジナルシートを用いました。毎月、17項目のデータを打ち込んでいけば、エコアクション21の審査に必要なデータだけでなく、毎月の経営状況がわかるような優れモノです。経営に活用するのはこれからです。
課題とチャンス 活動を進める中で、末広審査員は、主取引先からの要求や現在の会社の状況、今後どのような会社にしていきたいのかについて、質問をしましたので、現在考えていることを率直に伝えました。このことが目標の設定、実施計画の策定をする時に必要な基本的な考えになりました。
環境関連法規 最初はどんな法規が適用になるのか解らないので、心配しましたが、末広審査員に主な法規としなければならないことを拾い出していただいたので、それほど苦労はなかったです。法規を守る仕組みを作る中で、今まであいまいであった廃棄物処理の委託契約をしっかり結び直すこともできました。これからは胸を張って、環境の法規を守っていますと言えるようになりました。
社内の仕組み創り 今までは社長一人が管理する人、あとは生産する人という役割分担でしたが、大きく分けて以下の二つの仕組みを作りました。
〇日ごとの仕事管理(1日ごとにPDCAを回す)
P 朝礼 1日の生産計画、連絡事項、注意事項発表
D 作業 それぞれの作業
C 夕方 仕事の遅れを調べてその原因を聞く
A 翌日朝礼 前日の遅れ修正と本日の計画等発表
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(効果) 従業員は発言の機会ができた 社長は現場の声を聞く機会ができた
同じようなミスを繰り返すことが減った
〇設備、機械ごとに管理責任者を決めた
フォークリフト、空調機等の管理責任者を決め、チェックリストを作り、始業時等に点検を実施することにした。以前は全て社長が担当!
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(効果) 従業員に責任感とやる気が出た。
全体の道のりを振り返ると 毎日、目の前の仕事に追われ、会社にしくみを作りたいと思ってもなかなかその時間とれませんでした。しかしながら、今回、コンサルタントに道筋を示してもらい、半日を3回の話し合いによる穴埋め方式で審査の準備がほぼできました。コンサルタント費用は公的補助を利用したので無料です。その後、私どもの都合もあり、2か月ほど経って審査を受けました。審査では大きな指摘もなく、合格しましてめでたく認証・登録になりました。
取り組んで良かったこと 従業員の意識の中に徐々にですが、「自ら考える」という姿勢が出てきています。朝礼の司会者も交代でやるようになりましたし、問題の発生した時も「まず、自分たちで原因を考え、対策を立てる」を基本に進めています。
今は問題が発生したら考えるという状況ですが、将来的には自ら課題(ムリ・ムダ)を見つけ出し、改善提案ができるようになって欲しいと考えています。