審査員合格体験記

エコアクション21審査員合格体験記

 

私の履歴                                                                         

情報機器メーカーで製造、生産技術、品質保証、環境、BCP関連などの職を40年余勤務し退職後にエコアクション21の地域事務局の母体である環境団体のアドバイザーとして1年間勤務。その後中小企業でエコアクション21とISO9001の事務局を3年間実践しました。退職後は、趣味・農業・地域の役員・エコアクション21のコンサルティングという(良く言えば)多角的な活動状態でした。

応募のきっかけ

エコアクション21で事務局担当者が突然退職してしまった事業者様や多忙で行き詰った事業者様をご支援する中で、地域事務局に審査員の資格を取ることを進められたこともあり受験を決めました。2018年度から受験資格が変わり、企業で環境担当の経験があれば基本的に受験が可能になりましたので、応募し易くなった気がします。

 

試験準備

過去の試験問題と解答はエコアクション21中央事務局で公開されているので、過去3年の問題を解いてみました。3年分やってみるとなんとなく傾向が解るものです。自分でこの辺が弱いなと感じるところはネットで関連事項を検索し、記事を読んで確認しました。また、環境省から最近発表された報告書や情報は重要です。例えばSDGsやG20で議論されたことの概要、温暖化、廃棄物、水質、大気等の最近の統計にも目を通しました。 私の場合は、中小企業の事務局の経験があり、コンサルティングは何回か経験があったので、エコアクション21の中味の勉強はそれほどしませんでしたが、そうでない場合(ISO14001しか経験がない等)の場合には、ガイドラインをよく読むなどの準備が必要です。

出願

中央事務局のHP http://ea21.jp/auditor-recruit-application/ より受験申請書をダウンロードすると経歴、資格、免許、経験等を記入するための様式がすべて揃います。実務経験を記載し、かつて勤務した会社に証明していただく必要があります。書類が準備出来たら、受験料を振り込んでから、郵送とEメールで中央事務局に送付しました。

受験資格等の適合確認

書類上で受験資格があるかどうかが判定され、結果が送付されてきました。無事通過です。

環境法令研修(自由参加)

第一次選考の前日に開催されました。参加料(10,800円)と宿泊費、東京往復の旅費がかかりましたが、大変解り易く整理されており、是非参加されることをお勧めします。

第1次選考(A研修:講義と試験 1日)

池袋の貸会議室で行われました。9時半~14時半(昼休み1時間)、エコアクション21認証・登録制度と環境法令に関する講義があり、その後試験がありました。

問題が50問で選択問題の他、一部に記述問題もありました。時間は2時間でこれが最大の問題で、どんどん回答していかないと時間がなくなります。実際の審査では受審企業の内容と活動を見学と聞き取りで理解し、問題点があれば的確に指摘しなければなりませんので、時間のマネジメントの能力が試されているのかも知れません。

第1次選考合否通知

約2週間後に通知がありました。無事通過。

事前課題の提出

第1次選考を通過した者には第2次選考の準備として事前課題が送られてきますので、定められた期日までに提出しないとなりませんでした。また、第二次試験の出題範囲、等の連絡がされましたので、試験までに内容を確認しました。

第2次選考(B研修:講義、グループ研修、ロールプレイ、試験 4日間)

新宿の貸会議室で行われました。ISO14001主任審査員は免除ですが、私は受けなければなりませんでした。4日間なので、遠隔地に住む私は新宿西口の会場から歩いて20分ほどの格安ホテル(1泊 8,000円)に宿を取りました。

講義の他、課題が与えられまず各自で回答して、その後グループでまとめて発表というグループ研修が主体でした。審査員としての力量と適性を問われる研修です。特にグループ研修ではいろいろな知識や経験を持った人がお互いに意見を出し合い、協力し合いながら進めるので、自分とは違うものの見方、考え方を知ることができました。

また、模擬審査でのロールプレイは日頃経験できない初めての貴重な体験でした。チームとして活動するための手法や即時の対応ということが求められました。グループ研修やロールプレイは単なるトレーニングではなく、常に審査員としての素質と能力を見られていると考えた方が良いでしょう。仲間と協調・協力してできるかを見られているでしょう。

試験は最終日の最後に2時間で選択問題、穴埋問題、論述式の組み合わせです。事例(架空の会社)が示され、その審査を方針展開、活動評価と対応、法令遵守等、PDCAに沿って問題が用意され、それに答えていくスタイルです。

第1次選考の試験と同じで時間との闘いで、この面でもマネジメント能力が試されているということでしょう。

面接もありました。受験者を3日間に振り分け、時間は比較的長かったという記憶が残っています。面接官は2名で経歴、資格、志望動機や環境との関わり等について聞かれました。回答は遠慮せずにしゃべりました。質問に対する反応の良さも見られているような気がしました。あまり考え過ぎて反応が遅くなると不利かもしれません。面接があまり得意でない方はどなたかに頼んで練習しておいた方が良いかもしれません。

 

最終合格通知

3月下旬に合格通知と登録手続きメールが届きました。遅いのでやきもきしていました。

その後、審査員としての登録のための必要な日本商工会議所のPC検定データ活用(Excel)のBasic検定をパソコンスクールで受けました。商工会議所に行かなくても街のパソコンスクールで随時受験可能です。こちらも問題の数がけっこうあり、操作も複雑ですので、出来る問題を先にやり、すぐに解らないのは飛ばして後で考えました。無事合格です。

 

かかった費用(食事、等除く)

一次選考受験料 ¥16,200-

環境法令研修(オプション)受講料 ¥10,800-

二次選考受講料 ¥108,000-

交通費(東京-自宅 2往復:大人の休日倶楽部格安切符)

宿泊費4泊  8,000円×4:Wi-Fi使用時は要注意

日商PCデータ活用ベーシック受験料 4,120円

 

まとめ 

エコアクション21のコンサルティングを経験した事が非常に大きかったと感じます。また、勤務中にISOとエコアクション21の受審を経験していましたので、これも良い経験でした。 特に、コンサルティングをする機会のない方は審査員等にお願いをして、審査よりコンサルティングのお手伝いをさせてもらうことをお勧めいたします。

~ 以  上 ~