建設業では多くの場合、毎年、受ける仕事が違います。業界の方からは「一つとして同じ工事はない。」というお話をお聞きします。同じ道路の舗装を100m、やり直しても、工事前の状況、工事の仕様が異なり、使用する材料の種類や量、工事に伴って排出する二酸化炭素の量、廃棄物の量などが異なってくるというのです。そこで目標と実績、評価については以下のように考えてはいかがでしょうか。
1.目標
数値目標はあくまでも一つの目安として考えましょう。「良い目標」の中でも説明していますが、数値目標の他に「行動目標」という考え方があります。 「行動目標」は「こういう工事の時はこうやる。」ということをあらかじめ決めておいて、それを実行出来たら、「〇」という評価をするというやり方です。
また、「行動目標」と同じ考え方で、「工事現場ごとの目標」を決めるやり方もあります。この工事ごとの目標を決める場合には環境、品質、安全を分けて考えないようにしましょう。 危険な作業を伴う工事の場合には「工事現場ごとの目標」の第1に「事故防止のためにやらなければいけないこと。」が設定されるでしょう。 事故が起きればケガをした人は入院して環境負荷が発生しますし、工期の遅れや作業の面で問題が生じるかもしれません。また、一定期間公共工事の入札に参加できないなどという事態にもなりかねません。
2.実績と評価
工事の内容により、二酸化炭素排出量や廃棄物排出量が大きく目標値を上回ってしまうこともあるでしょう。実績の数値は結果として環境経営レポートで公開します。
ここで大事なのは評価とその対応です。詳しい工事の内容を考えあわせた上で評価すれば良いのです。大きく目標を上回ってしまった原因をしっかりと見極め、「行動目標」や「工事現場ごとの目標」が設定されていればこれらの達成状況と考え併せて自分たちが評価し、改善すべきことが見つかれば次の工事に活かしてゆけば良いのです。
| 数値目標 | ✖ |
| 工事現場ごとの行動目標 | ◎ |

