5Sとエコアクション21の関係

5Sとの相性はとても良い

「5Sに取組んでいる」 あるいは 「5Sに取り組んだことがある」 という事業者は多いはずです。しかしながら、「5Sが利益につながった。」と実感している方は少ないのではないでしょうか。

ある5Sを専門にするコンサルタントは「5Sに取組んでも利益につながらないのは5Sを徹底的にやらないからだ。」と言います。5Sにもレベルがあり、継続的に取り組んでいかないとなかなか目に見える結果が出ないということでしょう。

★5Sと相性の良い理由

5Sとエコアクション21の活動はとても相性が良いです。その理由を下の表にまとめてみました。

項目 5Sでの定義 効果 環境(EA21)の効果
整理 必要なモノと不要なモノを分け、必要なモノは使える状況にする

不要なモノは売却、保管、改造、廃棄する

必要なモノをすぐ取れる

スペースが有効に使える

作業効率UP
整頓 必要なモノが決められた場所で使われ、または保管され、使い易い状態になっている 必要なモノをすぐ取れる(ルール化) 作業効率UP
清掃 必要なモノが点検・整備され、正しく使われている 故障、事故の予防 作業効率UP
清潔 整理・整頓・清掃が継続され目で見て整然と綺麗 やる気UP

顧客へのアピール

社会人、社員として常識や規律を守ること 社会のルールや課題を理解し、実行できる 環境問題を理解し、省エネやゴミ分別等を自然に実行できる

 

★5S活動をPDCAサイクルに乗せる!

5Sは現場でのを整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)を通じて「現場のムリ、ムダ」を改善してゆきます。とても良い活動ですが、必ず良い結果につながるとは言えません。どうしてもコンサルタントの先生の講義や現場指導を受けた時は活動が盛り上がりますが、その後、あるレベルから進まなくなることが多いようです。

一方、エコアクション21はPDCAサイクルを回すことにより、継続的改善を進めます。CO2削減、廃棄物削減、水使用量削減、化学物質使用量削減、製品・サービスの環境面の向上を目標にして活動を進めていくことが求められていますが、具体的にどのように進めていくかは事業者に任せられています。ここで、良く考えてみると、製品・サービスの環境面での向上以外は現場での「ムリ・ムダ」の削減が活動の中心になります

つまり、5Sの活動のレベルアップ活動をエコアクション21のPDCAサイクルに乗せていくことは非常に効果が高いと考えられます。もちろん、5Sのレベルアップには各段階で適切なアドバイスをしてもらえるコンサルタントが必要かも知れません。もし、そうだとすれば、コンサルタントの先生にいつ、どんなこと、どのように教えてもらうかをエコアクション21の計画に組み入れ、実行し、その後、自分たちで評価してみて、その結果を基に次期の計画を立てる。このような良い継続的改善のリズムが5Sの活動にプラスされることはとても大きな効果があるのです。

おまけにエコアクション21では外部の審査員による1年に1回の審査があるので、「勢いよく始まった5S活動がなんとなくしぼんでしまった。」というようなことが防げます

せっかくの5S活動です。「その効果を実感できる」ように取組み方を考えてみましょう。