良い目標とは?

良い目標とは?

「どうも活動が盛り上がらない」という場合の原因の一つとして、適切な目標が設定されていないということが考えられます。では、良い目標とはどんな目標か考えてみましょう。

良い目標を立てるには次のようなことが必要だと言われています。

1.できるだけ具体的な目標にする。
エコアクション21ではガイドラインによると

(1)CO2排出量削減  (2)廃棄物排出量削減  (3)水使用量削減 (4)化学物質使用量削減(使用している場合)  (5)製品の環境性能の向上・サービスの改善

の5つの目標を設定することが必須となっています。
そのためCO2削減であれば 「基準年度に対してCO2を3%削減する」というような目標を立てます。これは、具体的でしょうか?  そうとは言えないですよね。

そこで、自分の会社(部署)でのCO2の発生源を考えてみます。もし、CO2の発生源としてほとんどが電力の使用であったなら、        CO2削減≒電力使用量削減
「基準年度に対して電力使用量3%削減」であれば少し具体的になってきました。

次は自分の会社(部署)での電力の使用量の大きいものは何か調べてみます。電力計を使って測定をしなくても、だいたい予想できるでしょう。予想できなければ電気を使用する機器の定格消費電力とおおよその使用時間がわかれば、大丈夫です。もし、空調機が全電力使用量の50%程度使っているとするとまずは空調機を効率的に使用することを目標とするべきことが解ります。
このレベルまで下がってくると会社全体と言うより、部署のレベルになることが多いでしょう。そうです。会社全体の目標の他に部署ごとの目標設定も考えましょう。このレベルになると電力メーターが分かれていないですし、電力計で測定することも労力を要しますので、部署ごとの目標は必ずしも数値目標でなくても良いことにしましょう。

〇「成果目標」と「行動目標」
目標には「成果目標」と「行動目標」という考え方があります。「成果目標」はその字のとおり、得たい成果の目標です。全社で「基準年度に対してCO2を3%削減する」はまさに「成果目標」です。一方、「行動目標」は成果目標を達成するための行動です。「空調機のフィルターの清掃を1カ月に1回する」や「コンプレッサーの圧縮空気の漏れの点検を4カ月に1回する。」は行動目標です。行動目標も場合によっては数値化することが可能ですがそれほど、こだわる必要はないように感じます。
「基準年度に対してCO2を3%削減する」では一人ひとりは何をすれば良いか解りませんが、「空調機フィルターの清掃を1カ月に1回する」や「コンプレッサーの圧縮空気の漏れの点検を4カ月に1回する。」であれば、空調機やコンプレッサーの管理の担当者にとっては理解しやすいです。目標は具体的であればあるほど、行動がしやすくなります。そして、それは本人のやる気にもつながります

2.測定可能である(目標が達成できたかできないか、活動の進捗状況が確認できる)
目標が達成できたかどうか、期の途中に目標に対しての進捗状況はどうか、などを知るためには目標が具体的である必要があります。数値化されていれば申し分ないですが、数値化されていなくても容易に判断ができれば良いということになります。
エコアクション21では「目標は可能な限り数値化する」というルールがあるため、これに外れる可能性は少ないはずですが、数値化しずらいについても目標を1.で示したようにできるだけ具体的にしておけば、目標の達成状況を判断することができ、測定可能であることになります。

3.達成可能である
「達成可能」とは、単なる希望ではなく、自分たちがある程度頑張れば実現できるという範囲にあることです。この辺はなかなか難しいところです。実際には各部署でどんな目標と実施計画を立てるかによりますし、仕事量や仕事の内容の変化にも影響を受けるため、考え過ぎるときりがない気もします。

ここで大事なことは失敗することを恐れてはいけないということです。低い目標を立てれば達成する可能性は高まりますが、活動は盛り上がらないでしょう。「達成可能」とは100%達成するということではないことも知っておきましょう。

4.会社、上位組織との関連性がある

部署の目標を決める時は会社全体の目標を考えた上で、自分たちの部署の特徴を踏まえた目標を考えます。会社の目標を考える時にももし親会社があるなら親会社の目標を知った上で自社の目標を考えます。

5.期限を決める

エコアクション21ガイドラインでは3年から5年の中長期目標と単年度目標を設定するように決められているので、問題ないでしょう。

ただ、よくあるのは年度初めに目標を策定するものの、振り返りは年度が終わってからの1度きりという場合です。最低でも4半期(3か月)に一度は「何ができて、何ができなかった」かを追っていくようにしましょう。