[環境法令に関する情報-環境省報道発表資料]「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」等の閣議決定について

環境省は、4月3日、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」及び「南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律案」の閣議決定について報道発表しました。内容は次の通りです。

「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」

1.「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」が本日令和8年4月3日(金)に閣議決定されましたので、お知らせします。

2.本法律案は第221回特別国会に提出する予定です。

■ 法律案の背景

 我が国では、2030年代後半以降に太陽光パネルの排出量が顕著に増加し、年間最大50万t程度に達すると予想されています。これらを全て埋立処分した場合には、最終処分場の残余容量を圧迫し、廃棄物処理全体に支障が生ずるおそれがあることから、リサイクルの推進を図る必要があります。
 しかしながら、①現時点では埋立費用とリサイクル費用との差額が大きいこと、②全国的な処理体制が構築途上であることが課題となっています。
 本法律案は、こうした状況を踏まえ、太陽光パネルの大量廃棄に備え、予算措置も活用しつつ、リサイクル費用の低減と全国的な処理体制の整備を図りながら、リサイクルの規制を段階的に強化し、最終処分量の減量と資源の有効利用を目指すものです。
 本法律案の検討に当たっては、令和6年9月から令和7年3月にかけて開催された、中央環境審議会循環型社会部会太陽光発電設備リサイクル制度小委員会・産業構造審議会イノベーション・環境分科会資源循環経済小委員会太陽光発電設備リサイクルワーキンググループ合同会議(以下「合同会議」という。)において審議され、令和7年3月28日に中央環境審議会会長から環境大臣に対して「太陽光発電設備のリサイクル制度のあり方について」が意見具申されました。
 その後、意見具申を踏まえ政府内で検討の上、令和8年1月の合同会議において、新たな法制度案の検討状況をお示ししました。
 これらを受けて、今般、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」について閣議決定し、第221回国会に提出するものです。

■ 法律案の概要

 本法律案は、太陽光パネルの大量廃棄に備え、多量の事業用太陽電池(太陽電池であって、収益事業において使用されているもの又は使用されていたものをいう。以下同じ。)の廃棄をしようとする者(太陽光発電事業者等)に主務大臣が定める判断基準に基づくリサイクルの実施に向けた取組を義務付けるとともに、費用効率的なリサイクル事業の計画を主務大臣が認定する制度を創設し、都道府県ごとの廃棄物処理法の許可を不要とする等の措置を講ずるものです。

(1)基本方針の策定
   主務大臣(※)は、太陽電池の廃棄の抑制及び太陽電池廃棄物(太陽電池が廃棄物となったものをいう。以下同じ。)の再資源化等の推進を総合的かつ計画的
  に図るため、目指すべき目標を定め、施策の方向性を提示する基本方針を定めるものとします。
   (※)環境大臣及び経済産業大臣 

(2)事業用太陽電池廃棄者による事業用太陽電池の廃棄の抑制及び事業用太陽電池廃棄物の再資源化等の実施のための措置
  ① 事業用太陽電池廃棄者の判断の基準となるべき事項
    主務大臣は、事業用太陽電池廃棄者(事業用太陽電池の廃棄をし、又はしようとする者をいう。以下同じ。)が事業用太陽電池の廃棄の抑制及び事業用太
   陽電池廃棄物(事業用太陽電池が廃棄物となったものをいう。以下同じ。)の再資源化等の実施に向けて取り組むべき措置に関し、判断の基準となるべき事
   項を定め、必要な指導及び助言をすることができることとします。
  ② 多量事業用太陽電池廃棄実施計画
    多量事業用太陽電池廃棄者(事業用太陽電池廃棄者であって、廃棄をしようとする事業用太陽電池の重量が政令で定める要件に該当するものをいう。)
   は、当該事業用太陽電池の廃棄をしようとするときは、当該事業用太陽電池の廃棄の実施に関する計画(以下「多量事業用太陽電池廃棄実施計画」とい
   う。)を主務大臣に届け出なければならないこととし、届出をした者は、当該届出が受理された日から原則30日を経過した後でなければ、その届出に係る多
   量事業用太陽電池廃棄実施計画に記載された事業用太陽電池の廃棄に関し、自ら事業用太陽電池廃棄物を排出し、又は他の者に工事若しくは作業を行わせて
   当該事業用太陽電池廃棄物を排出させてはならないこととします。
    主務大臣は、届出のあった多量事業用太陽電池廃棄実施計画の内容が判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、当該届出
   を受理した日から原則30日以内に限り、当該届出をした者に対し、当該多量事業用太陽電池廃棄実施計画の変更その他の必要な措置をとるべきことの勧告及
   び命令をすることができることとします。

(3)太陽電池廃棄物再資源化等事業の実施のための措置
   太陽電池廃棄物再資源化等事業(再資源化等のための太陽電池廃棄物の収集及び運搬並びに処分の事業をいう。)を行おうとする者は、当該太陽電池廃棄物
  再資源化等事業の実施に関する計画を作成し、主務大臣の認定を受けることができることとします。

(4)製造業者等及び販売業者による太陽電池の廃棄の抑制及び太陽電池廃棄物の再資源化等の円滑な実施に資する措置
   太陽電池の製造・輸入業者及び販売業者に対して、環境配慮設計や含有物質の情報提供に係る措置を講じます。

(5)制度の見直しに向けた検討規定(附則)
   政府は、太陽電池の排出量の見込み、再資源化等に要する費用の推移等を勘案し、必要があると認めるときは、太陽電池の幅広い廃棄に関係する者に対す
  る再資源化等の義務付け等の所要の措置を講ずることを規定します。

■ 施行期日

 本法律案については、一部を除き、公布の日から起算して1年6か月を超えない範囲で政令で定める日から施行することとします。

連絡先

環境省環境再生・資源循環局資源循環課
代表03-3581-3351
直通03-6205-4947
制度企画室長岡﨑 雄太
課長補佐湯山 桃子
課長補佐渕田 祐介
主査村山 友章
主査細野 海生
担当淺井 佑香
担当麻生 良成
 
「南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律案」
「南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律案」が本日令和8年4月3日(金)に閣議決定されましたので、お知らせします。
 本法律案は第221回特別国会に提出する予定です。

法改正の背景

 近年、南極における観光客数が増加しており、観光船等の船舶からの油流出事故等により、南極の環境に対して重大かつ有害な影響を及ぼし、又は及ぼす急迫したおそれがある「環境上の緊急事態」が発生する蓋然性が高まってきています。平成17年に採択された環境保護に関する南極条約議定書附属書Ⅵでは、南極地域における活動により生ずる環境上の緊急事態に伴う責任について定めており、同附属書の発効のためには、採択当時の全ての締約国(我が国を含む28箇国)の締結が必要です。附属書Ⅵの発効に向け、我が国としてもその内容の国内担保を図り、附属書Ⅵを早期に締結する必要があります。
 本法律案は、このような背景を踏まえ、附属書Ⅵの締結に向けた措置として、南極地域活動により生ずる環境上の緊急事態に対する当該南極地域活動の主宰者による対応措置の実施の義務付け等の規定を整備するものです。

※  環境保護に関する南極条約議定書の附属書Ⅵの原文は、以下の南極条約事務局のウェブサイトから御覧いただけます。
  https://www.ats.aq/e/liability.html

法律案の概要

(1)事前に環境大臣の確認を要する「南極地域活動」の対象の見直し  
 事前に環境大臣の確認を要する南極地域活動に、南極地域の海域において行われる科学的調査等を追加することとします。これにより、乗員による南極大陸への上陸の有無によらず、南極海域のみで活動する観光船や科学的調査船についても環境大臣による南極地域活動計画の事前確認の対象となります。

(2)附属書Ⅵ締結に向けた担保措置
 ①南極地域活動の実施前の事前準備等
 南極地域活動を主宰しようとする者が南極地域活動計画の確認申請をする際の記載事項として、環境上の緊急事態の防止措置等に関する事項を追加するとともに、申請書と併せて緊急時計画を提出することを義務付けます。さらに、主宰者の責務として、環境上の緊急事態が発生した場合に負担する負担金等について、附属書Ⅵに規定する最高限度額までの額の負担を確実に行うための措置を講じなければならないこととします。 
 ②南極地域の環境に悪影響を及ぼすおそれのある事件が発生した場合の措置
 南極地域活動により南極地域の環境に悪影響を及ぼすおそれのある事件が発生した場合において、当該南極地域活動の主宰者に対し、環境大臣に通報することを義務付けるとともに、緊急時計画に従って当該事件に対応するための措置をとること等を義務付けます。
 ③環境上の緊急事態が発生した場合の措置
 環境大臣は、環境上の緊急事態が発生したと認めるときは、直ちに、環境上の緊急事態が発生した旨等を公示することとし、当該環境上の緊急事態を発生させた主宰者に対し、公示された対応措置を迅速かつ効果的に実施することを義務付けることとします。さらに、当該主宰者が対応措置としてとるべき措置をとらず、我が国を含む締約国の政府が当該措置をとった場合等における、主宰者の費用負担にかかる規定を整備します。

施行期日

 本法については、附属書Ⅵが日本国について効力を生ずる日から起算して1月を経過した日から施行することとします。ただし、この法律の施行に関し必要となる経過措置に関する政令委任に係る規定は公布の日に、事前に環境大臣の確認を要する南極地域活動の追加に係る規定等は公布の日から20日後に施行することとします。

連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課
代表03-3581-3351
直通03-5521-8274
課長西村 学
課長補佐鈴木 莉恵子
課長補佐桝 厚生
主査野下 佳花