70歳まで働ける企業推進プロジェクト
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1.「負担の少ない作業環境構築と技能伝承」A社(埼玉県
 『A社』(従業員数56人)は、船舶のプロペラの軸受け等の非鉄金属鋳物製造を行う会社として昭和21年に創業した。同社では材料から設計・組立・完成品に至るすべての業務を手がけている。製品は「一点もの」であり、かつ大きな製品を扱ってる。そのため従業員全員で作業に取組む体制をとっている。
 65歳以上の従業員は22名(うち70歳以上は3名)在籍している。
 2001年に65歳を定年年齢とし、75歳までは希望者全員を継続雇用し、それ以後も80歳まで会社が必要と認める者を再雇用する制度を導入している。定年後も基本的にそれ以前の担当業務と変化はない。賃金も同水準である。定年年齢を迎えるにあたって本人と面談し、継続雇用の希望・勤務希望日数・就業時間を決定する。希望に応じて、パートタイム勤務、短日数勤務に変更することもある。
 鋳物製造業という特性上、作業場内は高温となり、作業環境としては非常に厳しい環境といわざるをえない。そのため、若年者の採用は思うに任せず、高齢者に頼る状況となっている。50歳代の採用も多く、「本人にやる気があり、まじめで、会社に慣れようとする姿勢があれば、職種は問わず採用している。」これまでも70歳を超えても元気に働いている人もいたので、基本的に年齢は問題ないと考えている。しかし、体力・健康面に注意は必要で、社員の健康管理とその家族の悩みにも耳を傾けている。最近は若年層や女性の採用もできるようになり、作業場の雰囲気も変わってきたとのことである。
 そこで、技能伝承の問題が生じてくる。技能伝承は生産業務だけでなく、設計業務や生産管理・品質管理業務においても求められる。このような業務においても高齢者が多く在籍し、その技能の伝承が必要となっている。

 

 
 
 
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