信州手描友禅

信州手描友禅の歴史

今よりさかのぼること400年前、松代藩は酒井家、松平家等の諸大名が築いた城下町で武家の往来が多く、生活様式もそれに習い、豊かな庶民文化が発達しました。カジ屋・彫物・染物・織物などが早くから発達しました。江戸初期城主真田信幸公の時代、江戸との文化交流も盛んになり、おまんの方様の興入りとともに同行した染物師・絵師・また京都より有名な絵師をも招き、着物に手描の模様を描かせ染めさせていました。これが以前からの染織物に一層の華やかさを加え、染色の新しい世界を出現させました。その中で絵画的技法と表現を受けついだのが手描友禅です。

技法紹介

地めし

生地幅を一定にし、後でくるいが生じないための最初の重要な作業です。

仮縫い

下絵をつける為、仕上げ寸法に、模様をつける部分等仮縫いをし、合口部分の柄がくるわないようにする作業です。

下絵

模様を染めるために、仮縫いの白生地や附け下など、長尺の生地に露草の花から造られる青花液を筆に含ませて、デザイン模様を線描きする工程です。この青花液は水で洗うと消えます。

糸目糊置き

染料が模様の他の部分に、にじみ出すのを防ぐため糯糊(もちのり)などを輪郭や線に沿って生地の表面に置いてゆく工程で染め上がった時、糊の線が糸を引いたように白く残るので「糸目」と呼ばれます。

友禅さし

糸目糊置きの内側の模様に小さな刷毛や筆で染料を色さしします。色合せと全体の色の調和を整えており、染料の特徴を考えるなど最も重要な工程です。

むし

むしがまに生地同士接触しないようにつるし120度の蒸気でむし、染料を固着させるための作業です。

ふせ糊置き

模様部分に糯糊(もちのり)でおおい、地染めの染料が入るのを防ぐ作業です。

引き染

生地の地染めです。大型の刷毛に染料を含ませ液を均一に総体に染めつけます。大小の刷毛を使って種々のぼかしをする技法もこの一種で高度の熟練と技術を必要とする工程です。

むし

地色を固着させるための作業です。

水洗

流れる水につけ幾度となく手でたぐり、糸目のりや残留物を取り除き、生地をしなやかにし、色のさえをうながす、生地にとってお化粧前の重要な工程です。

整理

あらゆる工程でのびちぢみした生地を最初の「地のし」の状態にもどす工程です。

模様仕上げ

染め上がった模様の部分を完成品にするために筆刷毛で補正して仕上げる工程で、金銀などの箔づけもこの工程です。

作品

tegakiyuuzen02

2017/05/02