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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30 |
特集 地域ブランド確立による地域活性化
~地域ブランドの構築と地域団体商標の位置づけについて~
3 「地域団体商標」の概要と長野県内の登録に向けた動向
■地域団体商標の概要
4月1日に商標法が改正になり、いま全国各地で「地域団体商標の登録」に向けた取り組みが盛んに行われている。この地域団体商標は、地域ブランドを適切に保護することにより、競争力の強化と地域経済の活性化を支援するため、「地域の名称」と「商品(役務)の名称」からなる商標について登録を受けることができる。この地域団体商標の主なメリットは、次の通りとなる。
1 組合(商標権者)の構成員に登録商標の使用権が与えられる。
2 登録商標を10年間使用でき、その後も10年ごとに更新できる。
3 他人(第三者)による無断使用に対して、差止請求・損害賠償請求等ができる。
これは、誰でも申請できるわけではなく、次の点をクリアーしなければならない。
① |
事業協同組合(根拠法:中小企業等協同組合法)、農業協同組合(根拠法:農業協同組合法)等の特別法によって設立された組合(法人格が必要)に限られる。 |
② |
その法律において構成員資格者の加入の自由が担保されていることが必要である。 |
③ |
商標登録を受けるには、その商品(役務)が全国的な知名度まではなくとも、例えば隣接都道府県に及ぶ程度に広く知られている必要がある。 |
④ |
商標中の地域の名称が商品(役務)と密接な関連性を有することが必要である |
■商標中の地域の名称が商品(役務)と密接な関連性を有すること(第7条の2第2項)
① |
地域の名称が出願前から商標の使用をしている商品(役務)と密接な関連性を有すること |
② |
商品の産地(※1) |
③ |
役務の提供の場所(※2) |
④ |
商品の産地等に準ずる程度に密接な関連性を有する地域 |
⑤ |
出願時に地域の名称を含むものであることを証明する書類の提出が必要 |
※1 |
商品の産地
◇農産物は、商品が生産された地域
◇海産物は、商品が水揚げ又は漁獲された地域
◇工芸品は、商品の主要な生産工程が行われた地域 |
※2 |
役務の提供の場所
◇温泉における入浴施設の提供は、温泉が存在する地域 |
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■長野県内の動向について
長野県内の地域団体商標の登録に向けた動向については、伝統的工芸品を中心に見てみると飯山市の飯山仏壇事業協同組合と信濃町の信州打刃物工業協同組合は既に登録に向けた動きを見せている。信州打刃物工業協同組合は、現在信州鎌の生産者とその鎌を取り扱う卸売業者が連携して地域団体商標の登録に向けた取り組みをスタートさせている。木曽漆器の木曽漆器工業協同組合、信州紬の長野県織物工業組合、内山紙の内山紙協同組合等も地域団体商標の説明会等への出席、登録に関する情報の取得を行い、その登録について前向きに検討している。
この「地域団体商標の登録」は目的ではなく、地域ブランドの保護、管理等を行うための一つの手段にすぎない。しかし、これをきっかけとして地域活性化に結び付き、地域ブランドの確立につながることが期待できる。
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