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全産業の「経済のグローバル化」への対応策をみると、「現在実施中」の対策としては、「人件費以外のコストの一層の削減(以下では、『コストの削減』と略す)」が46.2%と最も多い。以下「パートの活用等による人件費の削減(以下では、『パートの活用等』と略す)」(37.2%)、「営業・販売・接客部門等の標準的な従業員のレベルアップ(以下では、『従業員のレベルアップ』と略す)」(34.3%)となっており、上位3項目が3割を上回っている。さらに、「小ロットの注文への迅速な対応」(23.8%)、「アフターサービスの強化」(23.0%)等の順になっている。総じて、経費削減と顧客満足度の向上のための対策を実施している企業が多い。 |
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「今後必要と考えている」対策としては、「現在実施中」と同様に『コストの削減』が33.3%と最も多く、以下『従業員のレベルアップ』(33.1%)、『パートの活用等』(24.2%)が続いており、上位3項目は「現在実施中」の対策と同じである。以下、「マーケティング活動の充実や企画力の強化」(24.1%)、「国内での取扱製・商品、サービスの絞り込み・高付加価値化(以下では、『絞り込み・高付加価値化』と略す)」(23.2%)が続いている。前者は中小企業が苦手とする部分の克服を、後者は競争力を持っている部分を一層の強化を意図しているものと推察される。 |
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「現在実施中」の対策と「今後必要と考えている」対策を比べると、「マーケティング活動の充実や企画力の強化」(現在実施中:10.8%→今後必要と考えている:24.1%)、「社内体制の国際標準化」(同:13.7%→同:17.7%)、「主力製・商品、サービスの変更」(同:8.9%→同:13.4%)、「地域企業との連携・ネットワーク化による産業構造の高度化」(同:4.1%→同:15.2%)、「IT化による世界中の企業との連携」(同:1.2%→同:6.7%)は「現在実施中」とする企業よりも「今後必要と考えている」とする企業の方が多くなっている。 |
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「経済のグローバル化」への対応策として、現在実施中の対策は経費削減策や顧客満足度の向上策が多いが、今後については、現在実施が多い対策のほか、マーケティングの充実、社内体制の国際標準化、企業間ネットワークの構築といった経営革新に資するとみられる対策への関心が高まっている。 |