調査結果
1. 競争力について
2. 競争力と雇用、設備、及び借入金の状況
3. 経済のグローバル化について

2. 競争力と雇用、設備、及び借入金の状況

2.1 雇用、設備、及び借入金の状況 (全産業)〔図表8〕
雇用の状況をみると、全産業では「不足」が7.3%、「適正」が59.3%、「一部の部門で過剰」が28.0%、「全般的に過剰」が5.3%となっている。過去の調査と比べると、「不足」(2002年2月:6.8%→2001年2月:12.6%→2002年2月:7.3%)、「適正」(同:50.3%→同:62.1%→同:59.3%)が縮小に転じている。一方、「過剰計(「一部の部門で過剰」と「全般的に過剰」の合計。以下では、『過剰』と言う)」は拡大に転じている(同:42.9%→同:25.2%→同:33.3%)。
設備の状況をみると、全産業では「不足」が11.7%、「適正」が64.6%、「一部の部門で過剰」が18.3%、「全般的に過剰」が5.4%となっている。過去の調査と比べると、「不足」が縮小に転じている(2000年2月:11.5%→2001年2月:16.2%→2002年2月:11.7%)。一方、「過剰計(「一部の部門で過剰」と「全般的に過剰」の合計。以下では、『過剰』と言う)」はやや拡大している(同:28.5%→同:21.5%→同:23.7%)。「適正」は緩やかな拡大が続いている(同:60.0%→同:62.3%→同:64.6%)。
借入金の状況をみると、全産業では「低位」が6.4%、「適正」が47.8%、「過大」が45.8%となっている。過去の調査と比べると、「低位」には著変がない(2000年2月:5.9%→2001年2月:4.9%→2002年2月:6.4%)。こうした中で、「過大」はやや縮小している(同:48.1%→同:51.0%→同:45.8%)。一方、「適正」はやや拡大している(同:46.1%→同:44.1%→同:47.8%)。
雇用・設備の過剰感は景気後退の影響もありやや拡大。借入金の過大感は依然強い。


図表8 雇用、設備、及び借入金の状況(全産業)


図表8 雇用、設備、及び借入金の状況(全産業)


2.2 自社の競争力に対する評価別にみた雇用、設備、及び借入金の状況〔図表9〕
自社の競争力に対する評価別に全産業の雇用の状況をみると、『過剰』とする企業が「現在、今後とも競争力には自信がある」では23.7%、「現在は自信があるが、今後は競争力の低下が懸念される」では35.2%、「現在は自信がないが、競争力の強化に努めるので将来は自信がある」では40.2%、「現在、今後ともあまり自信がない」では41.8%となっている。
設備の状況をみると、『過剰』とする企業が「現在、今後とも競争力には自信がある」では16.7%、「現在は自信があるが、今後は競争力の低下が懸念される」では25.4%、「現在は自信がないが、競争力の強化に努めるので将来は自信がある」では27.5%、「現在、今後ともあまり自信がない」では28.1%となっている。一方、「不足」とする企業が「現在、今後とも競争力には自信がある」では11.2%、「現在は自信があるが、今後は競争力の低下が懸念される」では9.8%、「現在は自信がないが、競争力の強化に努めるので将来は自信がある」では17.2%、「現在、今後ともあまり自信がない」では15.7%となっている。つまり、相対的にみて『現在自信がある』企業に比べて、現在の競争力に自信のない企業(「現在は自信がないが、競争力の強化に努めるので将来は自信がある」と、「現在、今後ともあまり自信がない」)で、設備の不足感がやや強い。
借入金の状況をみると、「過大」とする企業が「現在、今後とも競争力には自信がある」では40.2%、「現在は自信があるが、今後は競争力の低下が懸念される」では43.9%、「現在は自信がないが、競争力の強化に努めるので将来は自信がある」では55.6%、「現在、今後ともあまり自信がない」では58.6%となっている。
以上から、競争力に自信のない企業ほど雇用・設備の過剰感、借入金の過大感が強く、自信のある企業ほど雇用・設備の過剰感、借入金の過大感が相対的に弱い傾向が窺われる。過剰な雇用・設備、過大な借入金を抱えている企業ほど自社の競争力に対する不安が強い。


図表9 雇用、設備、及び借入金の状況(全産業・自社の競争力に対する評価別)


図表9 雇用、設備、及び借入金の状況(全産業・自社の競争力に対する評価別)


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