第一精密工業協同組合
背景・目的
令和元年10月、台風19号の日本列島上陸による記録的な大雨により、長野県長野市では千曲川の堤防が決壊、5千世
帯以上が浸水する等、甚大な被害を受けた。事務局長は報道等を通じ災害の凄惨な被害を目の当たりにしたことで、「諏訪
地域も他人事ではない」と感じ、災害対策の具体的な方法について日々模索していた。
取組みの手法と内容
中央会の事業継続力強化計画に関する情報提供をきっかけとし、事務局長主導で組合内全体会議にて同制度の概要・認
定取得のメリット等をプレゼン。組合員より承諾を得て、計画策定作業に入った。
計画策定にあたっては、全組合員を計画の構成員とする「連携」型を採用した。計画の内容には組合内だけでなく、外部
との連携も盛り込まれており、中央会、諏訪市、商工会議所、各金融機関等に出向き、主に金融面の協力を依頼した。実際に
地震・台風・風水害・液状化現象等の被害が発生した場合、各組合員企業において資金需要の発生が見込まれるためであ
る。
また、令和2年6月には新型コロナウイルスの蔓延の状況を鑑みて、組合員企業内における感染症クラスター発生の可
能性と対策等を盛り込んだ計画内容への変更申請を行った。認定後は、組合員、協力機関全てに計画変更の書類の写しを
配布し、情報共有と連携を図った。
さらに、令和2年10月7日には、計画の中で諏訪市との相互協力体制を構築していたことがきっかけとなり、諏訪市と
災害時における協力協定を締結した。この協定により、当組合は災害時に市と連携し、近隣住民の避難場所として組合員
の建物屋内や駐車場等を提供することとなった。市との連携強化という点において、大変重要な協定締結となった。
成果とその要因
組合内外を巻き込んだ計画の策定を行ったことで、組合内のみならず計画に参画する外部組織の災害対策の意識醸成
につながった。
同計画の策定がきっかけとなり、市との災害協力協定の締結にまで至り、協定調印式の様子が報道機関等に取り上げら
れたことで、他組合が同計画を認知、策定を検討する機会を提供できたのではと思う。
組合基本情報
住 所 | 〒392-0015 長野県諏訪市大字中洲4771番地 | ||
URL | http://www.alps.or.jp/daiichi/index.html | ||
設 立 | 昭和33年11月 | 主な業種 | 製造業等 |
組合員数 | 21人 | 出資金 | 86,390千円 |