■まちづくりの考え

 まちづくりは、建築設計、環境デザインによって大きく左右されます。しかし、地域住民、行政、専門家の三位一体による取り組みがあってはじめて成功します。

 「地域住民、行政、専門家が協力しあわなければならない」とよく言われますが、なかなか協力し合えていないのが現状ではないでしょうか。

 この3者が協力してまちづくりを進める一番の方法は、「ワークショップ」という手法です。それぞれの立場でまちづくりの話し合いを持つのではなく、全てを白紙の状態にし、同じテーブルの上で自由にまちづくりの構想を練ることを言います。この手法のポイントは、それぞれが自由に意見を述べるということです。そのために、紙にそれぞれの意見をメモし、黒板に張りながらまちづくりを考えていきます。

 この時には、大人だけでなく子供や中学生、高校生や老人なども参加し、その意見を自由に述べてもらうことも重要です。まちづくりにかかわる様々な意見が、ひとつのテーブルの上に載せられることが最初のステップなのです。

 非常に時間のかかる方法ですが、この方法がまちづくりの一番の近道と考えています。「私たちのまち」という意識、ある面では「わがまま」な気持ち、を持って地道に作り上げていくことが、まちづくりなのです。そこでは、いろいろな意見の対立や価値観の相違なども発見されます。いったん形になってしまったものは変えることができませんが、テーブルの上のまちづくりは変更が可能です。どんどん意見を出し合い、お互いにゆずれるところ、ゆずれないところはどこか考え、悩み、みんなのまちをつくっていくのです。

 それぞれのまちには、それぞれ個性があります。個性あふれる、魅力あるまちづくりの支援、うるおいとやすらぎのある「わがふるさと」となるよう、私たちは、住民の皆様が気づかない点や見落としがちなことを、専門家としてアドバイスしていきます。また、お互いの妥協点を探るための様々な手法や事例を紹介し、現実的な解決を図るお手伝いをしていきます。

 

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