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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30

特集 中心市街地活性化の取り組み

2つの組織を統合して1年、楽しく魅力あるまちづくりを目指す

「外部若手グループとの連携による商店街活性化の手法」

協同組合長野駅前商店会

2つの組織の統合により新たな活動をスタート
統合後の一年間の組合の主な事業活動
外部若手グループの発想と企画力を活かしたイメージアップ策
その他の活性化策と今後の課題
   
繁華街のにぎわい再生策事例 うら町活性化事業協同組合
中心市街地活性化の取り組み事例 岩村田本町商店街振興組合


■ 2つの組織の統合により新たな活動をスタート

組合会館
組合会館
 南千歳町の商店会は、平成16年2月に、法人組織として組合会館と駐車場の管理・運営を主たる事業として行っていた「協同組合南千歳振興会」と任意団体としてイベント等の事業活動を行っていた「長野駅前商店会」を統合し、「協同組合長野駅前商店会」(内藤正弘理事長)という新しい組織として生まれ変わった。目的は「もっと楽しい街・もっと魅力ある街」として競争力を高め、地元民に愛される街になること。新たに理事6名・監事1名の役員を補充し、理事14名・監事2名の体制で活動をスタートさせた。
 組織体制は、部会・委員会制を導入。「商店街、商店会の将来を検討」「情報発信、まちづくり、ゆめ研究」を行うゆめ統括部門(企画部・街づくり部)を新たに設置し、将来に向けたまちづくりも行う体制も整えた。その他は、管理統括部門(総務部・財務部・福利厚生部)、と事業統括部門(スプリング委員会・サマー委員会・オータム委員会・イルミネーション委員会・ウィンター委員会)を設置。理事会直結の街灯部を含め、三統括部門・6部・5委員会組織で活動を開始した。

■ 統合後の1年間の組合の主な事業活動

ハーブの香りにつつまれたテーマ花壇
ハーブの香りにつつまれたテーマ花壇
1 善光寺花回廊
ながの花フェスタ2004

 4月8日、15日の2回、千鶴会、町内外のボランティア、信大まちづくり研究会商店会メンバーによる花の植込みと飾付けを行った。

2 レクリェーション
酒と料理とシャンソンの夕べ

 6月7日に実施。第一部は、セラーキタムラの北村秀雄さんからのお燗の効用等の日本酒にまつわるお話を聴きながら「利き酒」に挑戦。 第二部は、池田ひろ子さんの歌と山下淳さんのピアノで、ゆったりシャンソンを楽しむ。

3 びんずるナイトフェスティバル
満席のジャズ会場
満席のジャズ会場
8月4日~6日の3日間で開催。
16回目のジャズ in ちとせ
 プロの生演奏主体のイベントで、入場料無料。アマ・プロのバンドとも熱演、「生の演奏」を楽しんだ。また、ジャズ演奏の合間に「ダンス」も演じられた。
ビアガーデン
 「手づくり・出来たて」にこだわり、いろいろ工夫をして、お客さまにおいしい「飲みごろ・食べごろ」の献立を提供した。
錦町ステージ
 例年の「和太鼓」「大道芸」「ダンス」「ミニびんずる」の出演に加え、今回は古希を迎えたウクレレ漫談の「牧伸二」も登場し、新曲を披露した。

過去最高のにぎわいのビアガーデン おなじみの大道芸 ユニークな“移動式個展”
過去最高のにぎわいのビアガーデン おなじみの大道芸 ユニークな“移動式個展”

駐車ラック
駐車ラック

4 ちとせ公園アート&クラフトフェスタ
 10月10日・11日の2日間、千歳公園において開催。今回のテーマは「ユルユル」しよう。告知公告したり、ながのアート万博にも参加し、個人やサークル中心に呼びかけたところ、いろいろなジャンルから多くの出店者が参加。紅茶の無料サービス、ユニークな移動式個展も開催した。

5 自転車利用促進の社会的実験
ちとせリンリンring-ringプロジェクト
 10月8日~12月3日の期間、ながの東急百貨店の西側の歩道を中心に、町内の「放置自転車」をなくして歩きやすい街にしようとの主旨で「社会実験」が始められた。駐車ラックを臨時駐輪場に設置。

6 冬季オリンピック長野大会メモリアルイベント
2005NAGANO冬の祭典

 2月19日、テレビ信州と協力し、千歳公園において開催。千歳公園での開催は初めて。イベントの様子はテレビ信州で公開生放送。メーンキャストは「モト冬樹」と「森下千里」で、他に「はなわ」「アンガールズ」「玉置成美」などが出演した。

満席のメーン会場(千歳公園)
満席のメーン会場(千歳公園)


(協)長野駅前商店会 組織図

(協)長野駅前商店会 組織図
◆部会・委員会の役割分担表
南千歳町の範囲(点線内)と組合事務所
南千歳町の範囲(点線内)と組合事務所

■ 外部若手グループの発想と企画力を活かしたイメージアップ策

 当組合の企画部では、商店街を訪れる顧客・消費者に対して「どうやって情報発信を行っていけばいいか」、固定観念にとらわれずに「商店街ではこんなことを行っているよ」という情報提供を行うために、外部の若手グループ「ナノグラフィカ」との連携・活用を取り入れてみた。外部に依頼するのは先入観を捨てられ、来街者の目線に立った情報提供ができること。また若手にお願いしたのは既成概念にとらわれずに若い感覚での情報提供の方法が選択できることである。ほとんど条件を付けず自由に制作を依頼したことにより、この2つの狙いは功を奏し、「情報誌『ぽっぽ通信』の発行」と「商店街マップ『日常茶飯絵巻』の制作」へとつながった。


ナノグラフィカの4人のメンバー
ナノグラフィカの4人のメンバー
事務所&喫茶店・アトリエ等
事務所&喫茶店・アトリエ等


「ナノグラフィカ」ってどんなグループ?


 「ナノ」=長野、ナノテクノロジー、「グラフィカ」=グラフィック+カワイイの組み合わせ・語呂の良さから生まれた4人(男性1人、女性3人)のグループ。出身地が違う4人(青木孝江さん=香川県、清水隆史さん=奈良県、高井綾子さん=北海道、増沢珠美さん=長野県)がそれぞれの個性を活かしてフラットな組織(特にリーダーはいない)として活動している。
 清水さんが、信大生だった12~13年前からバンドの演奏、演劇、展覧会、講座等のライブ・アンド・アート・スペースとして活動していた「ネオンホール」というグループのスタッフとして活動していた人達の中から「賃金等の支払いをできるようにしたい」「出版・編集をしたい」という状況が生まれ、このグループの出版部という意味合いで立ち上げた経緯がある。
 現在の活動は、長野市西之門町の事務所の編集ルームを拠点として「地域出版」「市の出版物」等の出版物の編集・出版、事務所内で「喫茶店」「作家たちのギャラリースペース」「アトリエ」等を運営している。

■連絡先
〒380-0857 長野市西之門町930-1 TEL 026-232-1532


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ぽっぽ通信 2005年冬号表題面
ぽっぽ通信
2005年冬号表題面
①情報誌「ぽっぽ通信」の発行

 商店街の情報誌として「ぽっぽ通信」を発行した。これは春・夏・秋・冬号として四季に発刊する。組合員用には「商店街だより」(年6回)を発行しているが、この「ぽっぽ通信」は来街者、町内住民、事業所等の幅広い読者を想定して制作が図られている。
 「ぽっぽ通信」の名称の由来は、「ぽっぽや(つまり鉄道)」と「はとぽっぽ」の「ぽっぽ」の2つの意味をかけた名前。ちなみに街の中にある憩いの場所、またイベント会場等として利用している「ちとせ公園」も「ぽっぽ公園」と呼ばれている。
 記念すべき第1号は、昨年の秋号からスタート。秋まつりの記事から名物店主、商店の紹介、読者のみなさんからの意見・感想まで掲載されている。
 第1号では長野駅長、第2号では長野駅前交番所長等の人物紹介も取り上げられ、とても読みやすいソフトな情報誌となっている。
 約3000部を制作。町内の全事業所・全戸に約九百配布し、残りは来街者用として商店の店頭に配置している。

②商店街マップ「日常茶飯絵巻」の発刊
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「日常茶飯絵巻」第一巻 「日常茶飯絵巻」の設置例
「日常茶飯絵巻」第一巻 「日常茶飯絵巻」の設置例

 既成概念にとらわれていない新鮮な眼で私たちの町「南千歳」を再発見しようとの主旨から、町内ご案内用の商店街マップとして今年に1月に「南千歳町発見伝 第一巻 『日常茶飯絵巻』」が発刊された。この第一巻は飲食店のご紹介。これまでにない視点で一軒一軒のお店を食べ歩いた上での体験取材、ユニークな体裁で制作され、極めてインパクトのある出来映えとなっている。長野市からの助成金も活用し、約一万部を作成。長野駅内、町内のホテル、市役所、取引先銀行等に配置している。
 今後は、新たな視点に基づき、ジャンルごとに第2巻以降の制作を順次進める。第2巻はセレクト風マップとし、編集者が選んだオススメの店舗等が掲載されるものとなりそうだ。

■ その他の活性化策と今後の課題


 その他、組合では「ホームページのリニューアル」を行った。情報としては、「イベントカレンダー」「次回のイベント」「MAP」「周辺ガイド」「ぽっぽ通信」「特集」「オススメ情報」「LINK」を掲載し、より利用しやすいページ構成となっている。今後の課題となるのが長野市から借りている駐車場の高度有効活用。専門家・行政・中央会等の支援・情報提供のもと、ゆめ統括部門の街づくり部が中心となって研究を行っていくことになる。
 ゆめの実現に向けて組合・組合員・行政・商工関係機関等と連携を図りつつ、ハード面とソフト面の両面から商店街の機能の充実と活性策を随時実施していくことになる。

(構成 北信事務所)

(協)長野駅前商店会の概要

■住  所 長野市南千歳1-3-17
■連絡先   TEL 026-228-6942  FAX 026-223-7955
■代表者名   理事長 内藤正弘
■設  立   1985年10月 (協)南千歳振興会として発足
2003年2月 長野駅前商店会と統合し、(協)長野駅前商店会と名称変更
■組合員数   組合員数105名 賛助会員60名
■事業内容  
1. 共同施設事業
①組合ビルの管理・運営
②駐車場の管理・運営
2. 商店街活性化事業
花フェスタ(テーマ花壇設置・放置自転車撤去・オープンカフェ)
びんずるナイトフェスティバル(ジャズinちとせ・びんずる夜店等)
アート&クラフトフェスタ(クラフト市・放置自転車撤去・オープンカフェ)
イルミネーション・コンテスト
歳末福引き大売り出しどんどんセール
(上千歳町商栄会と共同事業)
共通駐車券事業
ホームページ更新事業
ぽっぽ通信の発行・商店街MAP作成事業
歩行者通行量調査 など
3. 教育情報事業
①研修視察  ②講演会・研修会
4. 福利厚生事業
①レクリエーション  ②親善ゴルフ  ③新年会 など
■ホームページ http://www.ekimae.or.jp


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