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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30

特集中心市街地活性化の取り組み

繁華街のにぎわい再生策事例

うら町活性化事業協同組合

 


松本市の繁華街「裏町」。

 明治時代から高級料亭が集まり、夜の街として県内有数の賑わいを見せていたが、バブル経済崩壊後200軒あった店舗は、半分程度に減少し、小規模なスナックやバーが集まる地区に変化してきた。
 それにともない常連客以外には敬遠されるようになり、危機感を募らせた地元商店主らが中心となって「うら町活性化事業協同組合」を設立。かつての賑わいを取り戻そうと組合運営による屋台風の共同店舗「華のうら町夢屋台・はしご横丁」を開設し、若者や女性客、始めて松本を訪れる観光客らが気軽に立ち寄れるような「松本の新名所」を核に、裏町全体の活性化を目指して活動している。
 「何軒もはしごしたくなるような横丁」にしたい。そういった願いを込めて、全国から公募した愛称の中から「華のうら町夢屋台・はしご横丁」が選ばれた。
 業種は出来るだけバラエティーに富むように募集したが、店主のやる気を重視。
 そば、オムライス、チゲ鍋、串焼き等々の名物料理が揃い、1店8席ほどのアットホームな店内では、見ず知らずのお客同士が気軽に会話を楽しむ。こういった雰囲気が受けて女性客や夫婦連れも多い。
 出店者も「この雰囲気を大切にし、一過性のブームで終わらせないためにも、また来たいと思ってもらえるサービスを提供したい。」と意気込む。
 オープンから5ヶ月。裏町の客層が明らかに変わった。今後の課題は、横丁に来たお客を裏町の他の店にも定着させることだという。
 そのための取り組みとして、横丁においてあるチラシ持参のお客に対して料金を割り引くなど周辺店との共催企画も始まっている。
 また、組合が中心となって裏町の空き店舗を、新規に商売を始めたいという経営者に貸し出す「インターンブース」を設置するなどの事業にも取り組みたいと裏町の活性化に意欲をみせている。

過去最高のにぎわいのビアガーデン おなじみの大道芸 ユニークな“移動式個展”

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中心市街地活性化の取り組み事例

岩村田本町商店街振興組合

 当商店街では「手作り、手仕事、技の街。地域と共存し、共に生き、働き、暮らす街を作る」をモットーに据えて活動している。商店街組織の存続に重要なのは組織における相互関連の活動、すなわちパートナーシップ、協働の自発性や意欲が商店街組織活性化の必須条件と考えている。


「おいでなん処」「本町おかず市場」の活動事例

「おいでなん処」は商店と地域住民が共に活気づく拠点として平成14年3月にオープン。今年で3年目を迎え、利用客数も一昨年が延3,600人、昨年度は延5,000人、今年度は延6,000人と年々増加傾向にあり、地域行事の本部会場やカルチャースクール・ボランティア団体の活動において地域住民の憩いの場として浸透しつつある。
「本町おかず市場」は平成15年4月の開店以来2年を経過した。1日平均100人弱の来店数と対前年比売上2割増を誇り、地域皆様の冷蔵庫代わりとして活用頂きながら定着してきた。お客様も一人暮らしの高齢者やサラリーマン、家族連れの若い主婦など幅広く、小ロット製品で地元産品を使った安心安全作りたてという商品コンセプトが支持されている。
メニュー変更は常に行い、店頭アンケート等を活用し商品のABC分析を行い、頻繁に入れ替えを行っている。また、「週のおすすめメニュー」や旬の素材を取り入れリピート率向上を目指している。今後の課題としては、現在の売上高を維持しつつ地域密着型の地元で喜ばれる商品開発に取り組んでいくか。そのためには、作り手の都合を押しつけずお客様が要望する商品提供を行い、顧客のニーズ・ウォンツに応えていきたいと組合では語っている。
「手仕事村」開設に至るまで

空店舗活性化事業の第3弾として開設した「手仕事村」は、手仕事の技を磨く研修の場として長野県及び佐久市の補助金を活用し空店舗を改装し、昨年11月19日オープン。単なる製造販売品の店舗ではなく来店客との会話を通じて販売する店舗を募集した。
 出店店舗は、他地域の補助金事業(チャレンジ枠等)を活用した短期契約でなく長期間に及び出店可能な契約とした。従って賃貸契約では日頃の組合情報の共有化を通じて事業趣旨をご理解頂き、手頃な価格に繋がった。
 応募者は当初43名と多数だったが、二度の面接を通じて組合コンセプトを理解し共に活動出来る方に絞込み、手芸・彫金・リラクゼーション・ステンドグラス・デジタルデザイン・和洋裁仕立ての6店舗でオープンに至った。また、応募者の中には商店街内の他の空店舗を借受けテナント出店した応募者もあり、単にチャレンジショップ的な事業に止まらず新業種・新業態の店舗出店による商店街活性化に繋がることが出来た。
 オープン後は出店六店舗でリーダーを決めて定例会(毎月10日、20日、30日の日毎に30分朝礼)を開催し協議事項を決めるとともに、振興組合では定例会内容を報告して貰うに留め、各店舗による自主性に任せている。販売促進活動については、毎月「手仕事村通信」を発行し各店舗のイベント情報を紹介し、来店客数増とリピート率向上を目指して活動中。
 今後の取り組みとしては現出店者との契約期間が一年間であり、引き続き商店街への新たな集客機能として共に活動していきたいと考えている。

今後の活性化計画

 現在計画中の活性化計画としては「(仮称)健康の駅」を計画中。佐久市は長寿の街で野沢にはぴんころ地蔵があり、日頃健康に関心が深く顧客ニーズも高いものがある。
 そこで、「健康」をテーマに地域の皆様に健康に関する情報提供を行っていきたいと考えている。具体的な商品内容や店舗レイアウト等は現在検討中であるが、今年度中のオープンを目指して取り組んでいる。
 既存商品の展示に止まらず、新商品開発や各組合員の協力体制確保が今後の課題。全国的にも「健康」をテーマにした商店街は少ないため、新たな集客機能の核として期待している現状である。

商店街活性化とは

空店舗活用による事業は集客力と話題性がポイントで、商店街活性化事業とは売上増に繋げる事が必要。そのためには旧態の商法から脱却し顧客にどうPRするかが課題となる。
 特に、商店街の使命・目的・理念をいかに組合員さんに浸透させるかが理事メンバーの組織における大事な役割となる。そこで、昨年度から「一理事一事業」の方針の下で各理事の責任を明確にすると共に商店街理念を共有し組合員皆様と共に活動する、従来のトップダウン体制ではなくボトムアップ型でフラットな組織体制で事業実施に取り組んで参りました。
 今後は本町商店街が3年後、5年後、あるいは10年後にどうなりたいのか、どうしたいのか、具体的な目標を定めて組合員一同取り組むとともに、地域の皆様の会話や声が飛び交い、笑顔の絶えない活気ある商店街を目指していきたいと組合では考えている。
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