県内の創業事例

有限会社ブレインチャイルド

企業名 (有)ブレイン・チャイルド
社長 新延正興
所在地 〒394-0035 岡谷市天竜町2-2-39
TEL.0266-21-1339 FAX.0266-21-1338
出資金 5,000,000円
従業員 2名
事業内容  注型成形による門柱類、ディップモールド、樹脂エクステリア、凹凸面へのプリント技術の応用製品等の開発
新延正興さん

当社の製品例(内装材プリント)
当社の製品例(内装材プリント)
 平成9年に、新しい提案をする会社(有)ブレインチャイルドを創業し、いくつかのテーマをもって岡谷市にできた県の創業支援センターに入居した。はじめに、三次元に伸縮自在なヒーターの開発を目指したのですがが、特許申請、試作品及び特性確認を終え、商品化の段階で、突然塩化ビニールに対するマスコミの連日のネガティブキャンペーンが始まり、社会の拒否反応が強く研究開発を休止しました。別のテーマの金型費用の少ない物つくりとして、デイップモールドやシリコン型での注形成形で、新しい商品開発に移り、東京での展示会等で、ファインレプリカ(精密複製)の商品提案が大手の会社の目に留まり、本物と区別のつかないレンガの門柱、木質フラワーボックス、鋳物風の切妻飾り、ネームプレート等を受注するようになりました。これらは、従来のものより優れた特性を持ち、更なる発展が期待できる商品です。
 現在も次の住宅関係の商品開発を行っています。
 金型費の少ない物つくりは、ベンチャーにとって、リスクが少なく、多様化商品を作るにはたいへん有効な手段で、現在、信州大学の支援を受けて、パンチングメタルを間伐材のフレームで包んだ、システムパーテーションの発売を開始しようとしています。特許申請中のマグネット(多少の凸凹面でも磁力が落ちない)を使っていろいろなものが、装着できる物で、木製フレームのパーテンションが、工場、事務所はもち論のこと、学校、病院、商店、家庭、等何処にでもマッチする利用価値の高い物です。
 これはいけるのでは、と思って商品開発をしても、所詮プロダクトアウトですので、いくつかのテーマの中の一つがマーケットインに出会えれば成功でして、振り返ればテーマを複数持つ事が重要でした。
 次に、どんな物にもプリントできるインクジェットプリンターに出会いそれを今迄の商品に利用したり又、新しい商品の開発を始めています。写真を油絵のキャンバスにプリントして、油絵調の写真画の開発、ゴブラン織をベニヤ板に直接プリントして、内装材、プリントタイル等など、更にスキャナーを改造して立体感のある画像を取り出せるようにした写真画と言う商品が好評です。
アンテナショップの外観(イメージ)
アンテナショップの外観(イメージ)
 ベンチャービジネスを5年半やってきて、日本の今の仕組みがベンチャーを受け入れる仕組みになっていない事を痛感しています。大企業、大企業を倣った中小企業はベンチャーに口座開設ができない社内規定を作っているところが多い、銀行は担保保証人主義、行政の補助金は費用を全額立て替えできる人でないと受けられない、などベンチャービジネスをやり難い国です。そこでかねてから考えていた、カナダのバンクーバーにあるグランビアのベンチャー村をモデルに、まず自力でできるアンテナショップを岡谷市で10月に開店する事にしました。
 20坪の中に、1.8m幅を10区画とり10人のクリエーターに入ってもらい新製品、新技術、ニュービジネス、創作品の常設展示即売所です。7000円/月のみの出展料で募集したら即日満杯となりました。店の名前をアピールといいます。全国に広がる事を期待しています。御希望の方がいらしたら連絡下さい。地域活性化の一つの在り方を提案しています。
 限りなく損益分岐点をゼロにちかづけた店舗経営で持久力をもたせています。年齢、性別を問わず誰でも出展可能です。一度、ご来店いただければ幸いです。
 これからは、大きい大量生産型の物つくりは空洞化して、工房型の物つくりがいっぱいできるような気がします。シャッターどうりにも生き残っている所があり、それは、家族労働で製造販売している豆腐やさんとか、和菓子屋、パン屋等です。原点に戻る事です。そしてネットワークをつくり、クラスター化して、再び日本の物つくりの復活が期待できるような気がします。学校も就職のための学校ではなく自己実現力をつけるところになることでしょう。

有限会社F&F

企業名 (有)エフ・アンド・エフ
社長 藤原一司
所在地 〒399-0711 塩尻市片丘今泉9828-26
TEL.0263-54-9370 FAX.0263-54-9372
出資金 3,000,000円
従業員 7名
事業内容  PDA組込用小型プリンタの開発とサーマルプリンタ用カッターの開発

 塩尻市の郊外にある塩尻インター林間工業団地に隣接する今泉南テクノヒルズ産業団地にある商品開発企業である(有)F&Fの藤原社長は、県内の大手精密機器製造会社を定年退職後、企業を興し現在精力的に研究開発を行っている。
 藤原社長は「街の発明家」をめざしていろいろなテーマを取り上げているのでやりたいテーマは山ほどあると言っている。
 当社は、製品の研究開発及び試作のみ行い、設計図、技術を売ってライセンス料を得るというのを事業としている。今年の夏はその第1号がある大手プリンターメーカーから発売になった。
 当社は従業員7名であるが定年退職者も多く全員楽しみながら、仕事半分、趣味半分の考え方を持ち研究開発に勤しんでいる。
 社内に掲げてある額に「コロンブスの卵」というものがある。藤原社長の考え方は「世界一、世界初という要素を持ったものを研究開発したい」という考え方であり、そのためには「コロンブスの卵」のようなちょっとした発想が重要であると言っている。
 この様な発想から小型サーマルプリンター、携帯電話用プリンター、プリンター用カッターなどの開発に成功したのである。
 例えば、当社が開発した製品の中では厚さ6mmのプリンターやコストが5分の1になったプリンターカッターなどがある。これも少し発想を変えたから開発できたのであり、このような発想がユニークな製品開発作りを支えているのである。
 この様に「世の中初」をテーマに開発しているので時には売れないものがあるし、製品に対する評価に時間がかかるものもある。しかし、大手メーカーにライセンスするためにはやはり新しく珍しいものでなくてはならないのである。ベンチャー企業には高度なもの、難しいものを手がける力はないわけであるから。
 また特許取得には力を注いでおり毎月1件の出願を目標にしている。申請業務は全て弁理士に依頼している。この他アメリカでの特許も数件有している。
当社社屋
当社社屋
 創業時から現在までの公的機関等との係わりについては、岡谷の創業支援センターには開設当初から入居期限ギリギリの5年間入居していたが、やっと今年3月に事務所を建設し移転した。また資金面では国、県、民間の金融機関関係の財団のベンチャー企業向けの開発補助金に応募したりしている。これらは激しい競争率であるが、テーマのユニークさの為か応募すると大概のものは採用になる。
 これからの抱負としては、「街の発明家」をコンセプトにプリンター部門の開発はもとより県の技術開発補助金を使ったレーザー表示器などユニークなもの、おもしろいものを研究開発したいと考えている。

創業に当たってのチェック項目
□ 何をしたいのかはっきりしているか。開業動機は明確か。
□ 新規性、セールスポイント、継続性はあるか。
□ 意欲、行動力、リーダーシップはあるか。
□ 情報、知識、ノウハウ、経験はあるか。
□ マーケット調査はされているか。
□ 技術力はあるか。
□ 自己資金は準備したか。保証人・担保は用意できるか。
□ 人脈、ネットワーク、協力者はあるか。
□ 開業場所(立地条件)はよいか。
□ 事業計画(販売計画・仕入計画・資金計画・売上予測・収支計画等)が作成されているか。
□ 販売先、仕入先、流通等が検討されているか。
□ 必要な従業員を確保できるか。(固定費は小さい方が望ましい)
□ 必要な設備は用意できるか。(同上)
□ 許認可等はクリヤされているか。
□ 知的所有権の問題はないか。
□ 健康に問題はないか。家族の理解があるか。
□ 個人事業で行うか、法人化するか。

※事業によっては必要のない項目もあります。

【資料】(財)長野県中小企業振興公社 中小企業支援センター/雇用・能力開発機構 長野センター発行の「創業等支援施策ガイド」より抜粋


企業組合についてへ
トップに戻る
目次に戻る