II 結果概要


1. 海外に生産拠点があるか
2. 今後海外での生産を拡大又は新たに進出する計画があるか
3. 海外に生産拠点がなく、今後も設置する予定がない場合の理由
4. 国内生産と海外生産の企業方針について
5. 取引会社が海外へ生産シフトをしたことによる影響


1. 海外に生産拠点があるか

 海外に生産拠点が「ある」とする企業は、全体で30.1%だが、大企業では60.3%、中小企業では18.2%と、経営規模による違いがみられる。(III-1)
 生産拠点を海外に設置した理由については、「労務コストの低減」が61.3%と最も多く、以下「海外市場開拓・拡大」が33.9%、「安い現地部品調達によるコスト低減」が32.3%等となっており、生産コスト低減のための目的が主になっている。(III-1-2)
 また、生産拠点を海外に設置したとこによる協力企業への影響については、「発注量 の減少」が54.8%で最も高くなっている。(III-1-3)


2. 今後海外での生産を拡大又は新たに進出する計画があるか

 今後、海外での生産拡大や新たな進出計画が「ある」とする企業は、全体では20.9%だが、既に海外に生産拠点を持っている企業では56.5%と半数を超えているのに対し、現在拠点のない企業では5.6%とわずかである。(III-2)
 生産拡大や新たな進出の理由は、「労務コスト低減」、「海外市場開拓・拡大」がともに55.8%と最も高く、続いて「安い現地部品調達によるコスト低減」、「取引先の要請」がともに30.2%となっている。現在既にある生産拠点を設置した時の理由(III-1-2)と比べて、「海外市場開拓・拡大」の割合が高くなっている。(III-2-2)
 また、今後予想される協力企業への影響について、「発注量の減少」が53.5%と最も高く、続いて「発注単価の下落」、「協力企業の見直し」が30.2%となっている。これに対して「影響がない」とする企業は20.9%で、現在既にある生産拠点を設置した時の理由(III-1-3)と比べて低くなっている。(III-2-3)


3. 海外に生産拠点がなく、今後も設置する予定がない場合の理由

 海外に生産拠点がなく、今後も設置する予定が「ない」とする企業は66.5%となっている。
 理由は、「進出リスクが高い」が37.0%、「進出のための資金がない」が25.9%と多く、続いて、「海外と競合しない製品を生産している」「海外では品質を確保できなきい」「高度技能が必要」の順となっている。(III-3)


4. 国内生産と海外生産の企業方針について

 国内生産と海外生産に関する企業方針は、既に海外に生産拠点がある企業では、「低付加価値製品は海外シフトし、国内は高付加価値製品に特化」が61.3%、「量 産ものは海外にシフトし、国内は開発・設計に特化」が37.1%となり、今後も海外への生産シフトを進めていることを窺わせている。
 一方、現在海外に生産拠点がない企業では、「海外に対抗できるコスト削減・技術を磨き、国内での生産を継続する」が47.9%、「海外と競合しない製品を開拓し、国内生産に特化する」が29.9%となり、今後も国内生産を継続する傾向が窺える。(III-4)


5. 取引会社が海外へ生産シフトをしたことによる影響

 取引先が海外へ生産をシフトしたことによる自社への影響は、「受注量 が減った」が71.4%、「受注単位が下がった」が48.9%、以下「取引先の変更」等となっている。(III-5)
 影響があった場合の対応で、「生産体制の見直し」52.6%、「新たな取引先を開拓」50.5%、「コスト削減」47.4%の順となっている。(III-5-2)
 

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