3  IT時代における経営革新

中小企業のIT化の取組は大企業と比べて「業務合理化」等が大勢を占め、新規顧客の獲得等の増加につながる割合が小さい。


IT時代における経営革新(何らかの「効果あり」と答えた企業の割合)



○IT導入失敗事例


<事例1  業態の変化にマッチしない形でのIT導入>
卸売業U社は、小売部門を含めた全体の流通システム合理化が必要であるという業界の特色に対応しない形で独自にIT導入を目指したため、競争力向上につながらず。
<事例2 IT投資コストについての過小見積り>
製造業V社は、業務効率化のためにIT導入をしたが、導入後の追加的コストを過小に見積もったためメリットを大幅に上回るコストに苦しむ。



○IT導入のステージと取組事例





【第1ステージ:社内情報の共有化・業務効率化】
精密機械器具卸売業W社は、共用ソフトを効果的に活用することにより情報検索の容易化・苦情の類型化等を図り、苦情処理を迅速化。

【第2ステージ:電子商取引等受発注業務への応用】
金型メーカーX社は、ネット上の技術相談に丹念に応じることで信用力の向上と顧客のニーズ把握に成功。
ニットウェア製造業Y社は、顧客参加型のコミュニティをネット上で作ることで顧客の潜在ニーズを引き出し売上拡大。

【第3ステージ:経営の高度化(業務・組織の見直し)】
靴下卸売業Z社は、生産から販売まで協力企業全てのPOSデータを共有して大胆な業務見直しを行い、小口受注・納期短縮を実現。
クリーニング組合Aは、IT導入を機に商品管理能力・生産性を向上させるとともに、優良顧客囲い込みを実践。



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