2  産業別 に見た課題と取組事例

○製造業‥‥品質のさらなる向上を含めた製品へのニーズの多様化
<ISO取得を契機に品質管理について全社的に議論>

電子部品メーカーH社は、一層の品質向上を求めれられていたため、ISO取得活動を契機にトップダウンで組織全体の議論を惹起、部門間の軋轢を解消し新たな組織作りを実現。
<大企業の資材調達業務を代行>
電子部品メーカー一社は、取引先大企業の要請で下請企業間のコーディネートを実施するなど、当該企業の資材調達業務を代行して受注増を実現。

○建設業‥‥官公需要の停滞、請負単価の低下
<遊休地を有効活用し、民間賃貸住宅市場へ参入>
J建設会社は、公共事業が減少する中、遊休地の有効活用を提案することで、「民間賃貸住宅市場」への参入に成功。
<対日進出企業からの受注を拡大>
K建築設計事務所は、欧米流のプロジェクト・マネージメントを習得し、対日進出企業からの受注を拡大。

○サービス業その他‥‥節約志向が強まる等利用者のニーズの変化
<POSシステムを応用し受け渡し時間短縮・商品紛失率の低下>
Lクリーニング組合は、業務見直しにより商品受け渡しのスピードアップ・商品の紛失率大幅縮小を実現、顧客満足度向上。
<女性の視点からの店づくりにこだわる>
定食専門店M社は、女性の視点(健康志向・ファーストフード店の側に出店等)からの「店づくり」にこだわり、業績拡大。

○卸売業‥‥企業の新たな参入による競争の激化
<「菓子部門」でニッチを発掘>
卸売業N社は、「菓子部門」でプライベートブランド開発と小売に対する支援で「粗利」を確保できるニッチを開拓。

○小売業‥‥ (全体)「販売量の減少」「低価格競争」
「(小規模小売では特に)後継者難」
<小規模小売業の具体的対応事例>
自転車販売業O社は、完成度の高い上級者用マウンテンバイクの注文生産をオンライン通 販の有効活用で拡大。
玩具小売業P社は、品揃えを低価格売れ筋商品に特化、品切れ防止に注意することにより集客力を向上。
青果店Q社は、生産者のプロフィールを詳細に紹介する形で有機野菜を提供、売上拡大に努力。



○商店街の課題と対応
多くの商店街は、「魅力ある店舗が少ない」ことが最も重要な経営課題であり「個店改善事業」が必要と考えている。
個店としての問題の他、商店街全体、市街地全体としても集客力向上に取り組む必要がある。


商店街において今後必要とされる事業


(商店街による集客力向上の取組事例)
<立ち寄らない消費者へアプローチ>
R商店街は、同商店街に立ち寄らない消費者にグループインタビューを行うなどして、新規顧客獲得に向けた取組を行う。
<高齢者生活支援サービス券の発行>
S商店街振興組合は、高齢者生活支援サービス券を発行して高齢者に優しい街をアピールすることにより来店増加を見込む。



○中心市街地の活性化
平成13年3月現在、379の中心市街地活性化基本計画、118のTMO構想が認定されている。今後は、TMOの経営基盤の強化、専門人材不足への対応が必要である。


(市街地活性化の取組事例)
<市民の集会・学習用施設を設置し市街地の集客力を向上>
T市は、市民の集会・学習用施設として自治体ネットワークセンターを設置、パソコン教室や映画会等を開催し市街地全体の集客力を向上。


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