① 国立試験研究機関による中小企業向け技術開発研究
中小企業の技術課題のうち、共通的・基礎的なものについて、国立試験研究機関において長期的・計画的に技術開発研究が実施されています。
なお、その研究成果が広く普及されることにより、中小企業の技術水準の向上、自主的技術開発の促進が図られています。
問い合わせ先:中小企業庁指導部技術課
② 公設試験研究機関による中小企業向け技術開発研究
都道府県等に設置されている公設試験研究機関において、国立の試験研究機関の指導の下に複数の公設試験研究機関がテーマを分担して研究開発を実施する共同研究、個別の公設試験研究機関において地域に密着したテーマ等について研究開発を行う単独研究、公設試験研究機関が海外の試験研究機関と各々の技術や研究能力を活用しあい地域中小企業の新技術等の創造を促進するための国際技術創造研究、省エネルギー技術を開発するエネルギー使用合理化技術開発研究が実施されています。
なお、研究開発の成果は、中小企業が広く利用できるようにテーマごとに普及、技術移転の促進が図られています。
問い合わせ先:各通商産業局産業技術課(近畿は技術企画課)、
沖縄総合事務局通商産業部商工課
③ 中小企業総合事業団による技術開発
ア.石油代替エネルギー等技術改善費補助金
中小企業における石油代替エネルギー及びエネルギーの使用合理化を技術面から促進するため、その成果を全国的に広げる必要があるもの、①産業界が抱えている共通の技術的課題(石油代替エネルギー技術開発及び産業基盤支援開発)、②新たな技術シーズを実用化段階にまで展開する必要があるもの(中小新技術開発)、③エネルギー使用合理化を促進するために熟練技術・技能の客観化・ソフトウェア化を行う必要があるもの(高度生産技術承継・普及システム研究開発)について総合的に研究開発を行い、その成果の普及・技術移転が行われています。
イ.中小企業労働力確保対策技術開発
中小企業の労働力確保のため、自動化等職場環境改善を作業工程全般にわたって進めるための技術開発課題で、中小企業が独力で行うことが困難なものについて、技術開発が実施され、その成果普及・技術移転が行われています。
問い合わせ先:中小企業総合事業団情報・技術部技術開発課
大学・公設試験研究機関等の研究機関が有する優れた研究成果を中小企業が産業化を目指し、中小企業を研究機関が新規産業の創設又は生産性を飛躍的に向上させるための技術についての共同研究を行う場合、中小企業総合事業団から研究資金が提供される事業です。
① 対象とする技術分野
大学等の研究機関が有する優れた研究成果を、中小企業が実用化できるレベルまで発展させることができる技術で、中小企業による事業化が可能となる創造基盤技術(新製品の核となる技術の)育成に資する次のものが対象となります。
ア.中小企業の新たな事業分野の開拓につながる技術
イ.中小企業の生産の効率化を革新的に改善することとなる技術
② 対象とする研究事業の規模
ア.1プロジェクト当たり 2,000万円/年程度
イ.研究期間は原則として2年以内(最長3年)
③ 共同研究の条件
研究開発の実施者は、中小企業と大学等の研究機関との共同研究体となっています。
ア.国公私立大学(大学共同利用機関・短期大学・高等専門学校を含む)
イ.公設試験研究機関
ウ.国立試験研究機関
エ.特殊法人(株式会社形態のものを除く)公益法人、地方公共団体から出資を受けた法人(いずれも研究業務を実施しているものに限る)
問い合わせ先:中小企業総合事業団情報・技術部技術開発課
① 新事業創出促進法(中小企業技術革新制度〈日本版SBIR〉)
技術開発力を有する中小企業を活性化し、独自性を有する事業活動を支援するため、平成10年12月臨時国会において成立した新事業創出促進法に基づく中小企業技術革新制度(日本版SBIR)を創設しました。
具体的には、関係省庁が連携し、新産業の創出につながる新技術の開発のための補助金・委託費等について、中小企業者への支出の機会の増大を図るとともに、その事業化を一貫して支援するため、債務保証に関して枠の拡大や担保・第三者保証人が不要な特別枠の新設等の支援措置がうけられることとなりました。(施行:平成11年2月16 日)
② 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(中小企業創造活動促進法)
創業や研究開発・事業化を通じて、新たな事業分野の開拓を行おうとする中小企業者を支援するため、中小企業創造活動促進法に基づき都道府県知事の認定を受けた研究開発等事業計画に従って事業を行う中小企業者等に対し、補助金、融資、税制等の助成措置が講じられます。(施行:平成7年4月14日、改正法施行:平成9年6月25日〈施行後10年以内の廃止法〉)
③ 創造技術研究開発費補助金
中小企業者が自ら行う新製品、新技術等に関する技術研究又は試作に要する経費の一部が補助されるもので、中小企業の技術開発を促進し、技術の創造を図り、もって中小企業製品の高付加価値化、中小企業の新分野進出等の円滑化等を図ることを目的として創造技術研究開発費補助金があります。
ア.補助対象者
ⅰ)中小企業基本法第2条に規定する中小企業者 |
ⅱ)中小企業団体の組織に関する法律第3条第1項に規定する中小企業団体
(ただし、火災共済協同組合、信用協同組合及び同組合連合会、商工組合連合会は除く) |
ⅲ)特定の法律によって設立された組合及びその連合会であって、その直接又は間接の構成員たる事業者の3分の2以上が中小企業基本法第2条に規定する中小企業者である団体並びに、民法第34条に規定された社団法人又は財団法人であって、当該法人の直接又は間接の構成員の3分の2以上が中小企業基本法第2条に規定する中小企業者である団体 |
ただし、特定企業枠(研究開発型中小企業育成関連技術部門及び下請企業調整円滑化関連技術部門に属する技術)について技術開発を行う場合は、前記の条件に加えていくつかの条件を満たす必要があります。 |
(ア)「研究開発型中小企業育成関連技術部門の場合、次のa~dに該当することが必要です。 |
|
a.決算期が1年である場合は過去2期、決算期が半年であるときは過去3期にわって売上高(団体にあっては収入額の合計)に対する研究開発費比率が3%以上であること。 |
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b.交付申請をする年の4月1日現在において次のいずれかに該当すること。 |
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・会社又は団体の設立後10年以内であること。
・新事業進出後10年以内であること。
・本研究開発によって新事業に進出しようとする具体的計画を有すること。
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c.大企業に実質的に支配されていないこと。 |
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d.株式未上場であること。 |
(イ)下請企業調整円滑化関連技術部門の場合、次のa、b、cに該当することが必要です。 |
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a.下請中小企業振興法第2条第3項に規定する下請事業者であること。 |
|
b.親事業者との下請取引(2次下請取引等間接取引を含む)の額が、全取引額のおおむね20%以上を占めていること。 |
|
c.当該親事業者の事業活動の変更により、影響を受けること又は影響を受けるおそれのあること |
イ.補助対象事業
補助対象事業は、以下に掲げる技術に係る研究開発です。
枠
|
技 術 部 門
|
技 術 内 容
|
一般技術枠 |
産業関連技術部門
|
1.機械、器具又は装置の高性能化のた
めの技術
2.新物質又は新材料の開発利用技術
3.新製品の開発技術
4.生産、加工又は処理のための新技術
5.新システム又は新工法の開発技術 |
資源対策関連技術部門 |
1.未利用資源の利用技術
2.資源代替技術
3.資源使用の高効率化技術 |
社会開発対策関連技術
部門 |
都市開発、情報処理、物流システム又
は教育機器の関連技術 |
特定企業枠 |
研究開発型中小企業育
成関連技術部門 |
1.エレクトロニクス関連技術
2.新素材関連技術
3.バイオテクノロジー関連技術
4.メカトロニクス関連技術
5.精密機械関連技術
6.光関連技術
7.ソフトウェア・システム関連技術 |
下請企業調整円滑化関
連技術部門 |
1.製品の原材料又は生産加工技術の転
換に係る技術
2.製品の用途若しくは販路又は機能若
しくは性能の転換に係る技術 |
環境技術枠 |
廃棄物・リサイクル技
術部門 |
1.廃棄物処理技術
2.リサイクル技術 |
環境保全技術部門 |
1.大気汚染防止技術
2.水質汚濁防止技術
3.悪臭防止技術
4.騒音又は振動の防止技術
5.地盤沈下又は土壌汚染の防止技術
6.公害防止に係る管理・計測技術
7.公害防止に係る新プロセス技術
8.環境改善・保全技術 |
ウ.補助対象となる経費
原材料等の購入に要する経費、機械装置又は工具器具等の購入、試作、改良、借用又は修繕等に要する経費等
エ.補助率
補助対象となる経費の2分の1以内
オ.補助金額
1件当たり500万円以上から2,000万円以下
(ただし、団体が実施するものについては1件当たり700万円以上から3,000万円以下)
・特定企業枠のうち、研究開発型中小企業育成関連技術、環境技術枠については、1件当たり700万円以上から3,000万円以下
・下請企業調整円滑化関連技術については、1件当たり500万円以上から 3,000万円以下
カ.補助事業者の義務
補助事業者は、交付年度終了後5年間企業化状況を報告し、補助事業の成果の企業化又は工業所有権等の譲渡又は実施権設定及びその他当該補助事業の実施結果の他への供与による収益を得たと認められた場合、その利益の一部を国に納付(納付額は補助金額以下)する義務を負います。また、「技術研究」として申請をした補助事業者は、研究成果を広く一般に普及徹底させるため、当該地区の通商産業局及び都道府県が主催する講習会に出席し、研究内容を発表することになっています。
申請受付先及び問い合わせ先
補助事業の主たる実施地の都道府県商工担当課又は各通商産業局産業技術課
(近畿は技術振興課)及び沖縄総合事務局通商産業部産業課 |
④ 地域産業創造技術研究開発費補助金
地域産業の振興に寄与する中小企業者の新製品、新技術の開発等に要する経費の一部を補助することにより、中小企業の技術開発等を促進し、中小企業の技術の創造を図ることを目的として地域産業創造技術研究開発費補助金制度があります。
本補助金制度は、上記(2)の中小企業創造活動促進法の一環として、国の補助を受けて各都道府県の事業として運営されています。
ア.補助対象者
創造技術研究開発費補助金と同様です。
ただし、創造的中小企業振興枠(創造的事業活動支援関連技術部門及び融合化開発促進関連技術部門)、環境技術枠承認組合及び地域産業集積活性化枠について技術開発を行う場合は、以下の条件も満たす必要があります。
ⅰ)創造的事業活動支援関連技術部門の場合、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(平成7年法律第47号)第3条の事業活動指針に基づき、第4条の研究開発等事業計画の認定を受けてその計画を実施する中小企業者であること。
ⅱ)融合化開発促進関連技術部門の場合は、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(平成7年法律第47号)第3条の事業活動指針に基づき、第4条の研究開発等事業計画の認定を受けてその計画を実施する異分野中小企業者等を構成員とする事業協同組合又は事業協同小組合であること。
ⅲ)承認組合部門の場合は、エネルギーの使用の合理化及び再生資源の利用に関する臨時措置法(省エネ・リサイクル法)に基づき承認を受けた事業計画に従って所定の事業を行い所定の団体であること。
ⅳ)地域産業集積活性化枠の場合は、特定産業集積の活性化に関する臨時措置法(平成9年法律第28条)に基づく、高度化等計画又は高度化等円滑化計画の承認を受けている事業者であること。
イ.補助対象事業
補助対象事業は、以下に掲げる技術に係る研究開発です。
枠
|
技 術 部 門
|
技 術 内 容
|
一般技術枠 |
産業関連技術部門
|
1.機械、器具又は装置の高性能化のた
めの技術
2.新物質又は新材料の開発利用技術
3.新製品の開発技術
4. 生産、加工又は処理のための新技術
5. 新システム又は新工法の開発技術 |
資源対策関連技術
部門 |
1.未利用資源の利用技術
2.資源代替技術
3.資源使用の高効率化技術 |
社会開発対策関連
技術部門 |
都市開発、情報処理、物流システム又は
教育機器の関連技術 |
特定企業枠 |
研究開発型中小企
業育成関連技術部
門 |
1.エレクトロニクス関連技術
2.新素材関連技術
3.バイオテクノロジー関連技術
4.メカトロニクス関連技術
5.精密機械関連技術
6.光関連技術
7.ソフトウェア・システム関連技術 |
創造的中小
企業振興枠 |
創造的事業活動支
援関連技術部門 |
中小企業の創造的事業活動の促進に関する
臨時措置法の認定計画に基づいて事業を実
施するための技術 |
融合化開発促進関
連技術部門 |
中小企業の創造的事業活動の促進に関する
臨時措置法の認定計画により異分野の組合
が実施する研究開発等 |
環境技術枠 |
廃棄物・リサイク
ル技術部門 |
1.廃棄物処理技術
2.リサイクル技術 |
環境保全技術部門 |
1.大気汚染防止技術
2.水質汚濁防止技術
3.悪臭防止技術
4.騒音又は振動の防止技術
5.地盤沈下又は土壌汚染の防止技術
6.公害防止に係る管理・計測技術
7.公害防止に係る新プロセス技術
8.環境改善・保全技術 |
承認組合部門 |
省エネ・リサイクル支援法第3条の努力指
針に既に承認された事業計画に基づいて事
業を実施するための技術 |
新技術育成 |
産業関連技術部門 |
1.機械、器具又は装置の高性能化のた
めの技術
2.新物質又は新材料の開発利用技術
3.新製品の開発技術
4.生産、加工又は処理のための新技術
5.新システム又は新工法の開発技術 |
資源対策関連技術
部門 |
1.未利用資源の利用技術
2.資源代替技術
3.資源使用の効率化技術 |
社会開発対策関連
技術部門 |
都市開発、情報処理、物流システム又は教
育機器の関連技術 |
地域産業集
積活性化枠 |
基盤的技術高度化
等部門 |
特定産業集積の活性化に関する臨時措置法
に基づき、都道府県の承認を受けた高度化
等計画・高度化等円滑化計画に従って行う
研究開発 |
ウ.補助対象となる経費
原材料等の購入に要する経費、機械装置又は工具機具等の購入、試作、改良、借用又は修繕等に要する経費等です。
エ.補助率
一般技術枠、特定企業枠、創造的中小企業振興枠のうち創造的事業活動支援関連技術部門、環境技術枠、新技術育成枠は、補助対象となる経費の2/3(国1/3、県1/3)以内です。
融合化開発促進関連技術部門及び承認組合部門は、補助対象となる経費において国1/2、都道府県1/2以内です。
地域産業集積活性化枠は、組合分については、国1/2以内、地方公共団体1/2以内。企業分については、国1/3、地方公共団体1/3以内です。
オ.補助金額
一般技術枠 |
100万円以上~500万円以下 |
特定企業枠のうち |
|
・研究開発型中小企業育成関連技術部門 |
100万円以上~700万円以下 |
創造的中小企業振興枠 |
|
・創造的事業活動支援関連技術部門 |
500万円以上~3,000万円以下 |
|
・融合化開発促進関連技術部門 |
1,981万5,000円以下 |
環境技術枠 |
|
・承認組合部門 |
4,000万円以下 |
|
・その他 |
100万円以上~700万円以下 |
新技術育成枠 |
100万円以上~4,000万円以下 |
地域産業集積活性化枠 |
|
・企業分 |
1,470万円以下 |
|
・組合分 |
2,205万円以下 |
カ.補助事業者の義務
創造的技術研究開発費補助金と同様です。
問い合わせ先
都道府県商工担当課又は各通商産業局産業技術課
(近畿は技術振興課)及び沖縄総合事務局通商産業部産業課 |
⑤ エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用の促進に関する事業活動の促進に関する臨時措置法
中小企業のエネルギーの使用の合理化、再生資源の利用、特定フロン等の生産等全廃への対応を推進するため、省エネ・リサイクル支援法に基づき都道府県知事の承認を受けた事業計画に従って特定事業活動を行う中小企業者及び組合等に対し、各種助成措置が講じられます。(施行:平成5年6月25日(平成15年3月31日までの廃止法))
① 融資制度
ア.革新技術導入促進資金
支援内容:新製品の開発や新規事業の創設を支援するため、中小企業が革新的な技術を備えた設備等の導入を図るために必要とする資金について低利で融資する制度です。
融資機関 |
中小企業金融公庫、国民金融公庫 |
貸付対象 |
ⅰ)革新技術(注)が体化された設備等を導入する中小企業者
ⅱ)特許権、実用新案権、プログラムに係る著作権及び半導体集積回路配置利用権(これらの実施権及び同時に導入されるノウハウを含む)を導入する者
(注)革新技術とは以下のものをいう。
1)自動設計・解析管理技術(CAE/CAD/CAM) |
2)多軸産業用ロボット技術 |
3)高度数値制御加工技術(CNC) |
4)積層造形技術 |
5)コンピュータ画像処理技術(CG) |
6)高度溶射技術 |
7)物理蒸着技術(PVD) |
8)化学蒸着技術(CVD) |
9)粒子線・電磁波等応用技術 |
10)極限環境技術 |
|
資金使途 |
上記設備等を導入するために必要な設備資金及び運転資金 |
貸付利率 |
中小特利 |
取扱期間 |
対象とする技術の取扱期間は、平成13年3月31日までです。 |
問い合わせ先:中小企業金融公庫、国民金融公庫
イ.地域中小企業活性化貸付(ふるさと創造企業育成融資)
中小企業金融公庫では、地域経済の成長を図るため、地域経済の活性化に資する技術、ノウハウ等の面で新規性が見られる新たな事業等を行う中小企業者に対して、低利の融資が行われています。
ウ.地域中小企業新事業開拓貸付(フロンティア企業育成融資)
各都道府県等においては、地域の実情に応じた新事業の開拓を行い中小企業者の育成を図るため、中小企業体質強化資金助成制度を活用して低利な資金の貸付けが行われています。