1.労働力の確保・雇用管理の改善対策

「中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律」に基づき、雇用管理の改善のための計画を作成し都道府県知事の認定を受けた事業協同組合等(以下「認定組合」という。)又はその構成員たる中小企業者、若しくは個別の中小企業者(以下「認定中小企業者」という。)が、認定を受けた計画(以下「認定計画」という。)により雇用管理の改善を行う場合、以下の助成措置を受けることができます。

(1) 中小企業雇用創出人材確保助成金

認定計画に基づき、新分野進出等(創業又は異業種進出)に伴って労働者を雇用保険の一般被保険者(短時間労働被保険者(いわゆるパートタイマー)を除く。以下同じ。)として雇い入れた認定中小企業者に対し、雇い入れた労働者の賃金の一部が最大1年間助成されます。

(2) 中小企業雇用創出雇用管理助成金

認定計画に基づき、新分野進出等(創業又は異業種進出)に伴って雇用管理の改善を図るための事業を行い、当該計画に定める目標を達成し、あわせて労働者を雇用保険の一般被保険者として雇い入れた認定中小企業者に対し、当該雇用管理改善事業に要した額の1/2が助成されます。

(3) 受給資格者創業特別助成金(平成14年3月までの暫定措置)

認定計画に基づき、創業に伴い労働者を雇い入れ、中小企業雇用創出人材確保助成金の支給を受ける雇用保険の受給資格者であった個人事業主(法人は該当しません。)に対し、雇い入れ人数に応じて80万円~120万円が助成されます。

(4) 中小企業雇用創出等能力開発給付金

認定計画に基づき、事業の高度化に必要な職業能力、又は新分野進出等に必要な職業能力の開発及び向上のため、事業所内外での教育訓練の実施、有給教育訓練休暇の付与、能力開発のための人材交流などを行う認定組合の構成中小企業者又は認定中小企業者に対し、その費用の一部が助成されます。

(5) 中小企業高度人材確保助成金

認定計画に基づき、高度人材を出向等の形式により受け入れ、あわせて高度人材と同数以上の他の労働者を雇い入れた認定組合等の構成中小企業者又は認定中小企業者に対し、高度人材の受入れに係る賃金等の一部が最大1年間助成されます。

(6) 中小企業雇用環境整備奨励金

認定計画に基づき、労働環境改善設備又は福祉施設の設置・整備を行い労働者を雇い入れる認定組合等の構成中小企業者又は認定中小企業者に対し、設備又は施設の設置・整備に要した費用の一部が、雇入れ人数に応じて助成されます。

(7) 中小企業人材確保援助事業

認定組合等が認定計画に従って実施する雇用管理の改善に関する調査研究、指導その他の事業に対して中小企業人材確保推進事業助成金が支給されるとともに、公共職業安定所、雇用促進センターにおいて必要な助言・指導が行われます。

(8) 共同施設事業及び労働力不足対応設備リース事業に対する高度化融資

認定組合等が、組合員の共同利用に供するため社宅、食堂、研修施設等を設置する事業について、高度化融資の条件が優遇(融資比率80%、無利子)されます。
また、認定組合等が行う労働力不足に対応するための省力化設備及び職場環境改善設備を組合員にリースする事業に対し高度化融資の条件が優遇(融資比率70%、年利2.4%)されます。

(9) 中小企業労働環境整備貸付

認定組合等及びその構成中小企業者並びに認定中小企業者に対して、労働時間短縮のために必要となる省力化設備、職場環境改善設備及び人材確保関連福利厚生施設の導入に要する設備資金及び長期運転資金について、中小公庫及び国民公庫から融資が行われます。(年利2.4%)。

(10) 中小企業近代化資金等助成法の特例

認定計画に基づき、認定組合等の構成中小企業者又は認定中小企業者が職場環境の改善に資する「空調設備」や「防音設備」などの設備の導入を行う際の借入れ資金について、その償還期間を7年(通常5年)に延長されます。

(11)中小企業信用保険法の特例

認定組合等又はその構成員たる中小企業者若しくは、認定中小企業者が認定計画に基づいて改善事業を実施するのに必要な資金を信用保証協会の保証を利用して民間金融機関から借りようとする場合、付保限度額の別枠化、填補率の引上げ、保険料率の引下げ及び特例措置が受けられます。

(12)中小企業投資育成株式会社法の特例

認定組合等の構成中小企業者又は認定中小企業者のうち、資本の額が1億円を超える株式会社であっても、特例的に中小企業投資育成会社による引受けの対象となります。

(13)中小企業等基盤強化税制

認定計画の実施のために、認定組合等及びその構成中小企業者が取得する労働時間短縮及び職場環境の改善に資する機械・装置について、初年度に取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除のいずれかの措置を受けられます。

(14)雇用促進融資の適用

認定組合等及びその構成中小企業者並びに認定中小企業者が認定計画に基づいて労働者社宅、福利厚生施設又は職業訓練施設を設置・整備する場合に、必要な資金について雇用促進事業団から融資(融資比率90%、年利1.7%)(平成11年5月19日現在)が受けられます。

(15)認定計画に係る委託募集の特例等

認定計画に従って、認定組合等が構成中小企業者の委託を受けて労働者の募集を実施する場合には、職業安定法の規制が除外され、認定組合等がその都度労働大臣に届け出ることにより、委託募集を実施することができます。また、認定組合等が認定計画に従って行う委託募集に応じて通勤圏外から就職する者のうち公共職業安定所長が必要と認めたものに対しては、雇用促進事業団が設置・整備を行っている移転就職者用の宿舎を利用することができます。

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