大会宣言

新たな世紀を目前に控え、わが国経済社会は、グローバリゼーションの進行、高齢化社会の急速な到来の中で、かつて経験したことのない大きな変革の時代を迎えている。

特に、中小企業は、未曾有の大不況が長期化する中にあって、下請分業構造の流動化、熟練技能工の減少によるものづくり機能の低下、規制緩和の進行による価格競争の激化、中小小売業の廃業の増大、さらには、年々厳しさを増す環境・安全問題などへの対応を迫られるなど、極めて厳しい状況に直面している。

しかし、産業の各分野にわたり広大な基盤を形成している中小企業の存在と活躍なくしては、今後のわが国経済社会の再生も安定的な発展もあり得ない。われわれは、試練を乗り越え経営革新に積極的に取り組む中小企業が、将来とも変わることなく、わが国経済社会において、その重要性を保持していくことを疑わない。

全国の中小企業の代表者5千余名は、本日、第50回の記念すべき全国大会を開催するため、「四国三郎」吉野川の河口に開かれた蜂須賀25万7千石の城下町であり、阿波踊り、人形浄瑠璃に代表される情熱的で人情味溢れるここ徳島に集い、まさに当地が明石海峡大橋の開通を契機に、さらに大きく経済活動の地平を拡げて未来に挑戦しようとしているこの時に、われわれ中小企業も、「和と輪で築いた半世紀 創意で挑戦、新世紀」をテーマに、中小企業の新世紀の扉を開く方策について鋭意討議を重ね、その自立的発展に必要な施策について決議した。

政府は、中小企業の経営革新への取組みを一層助長し、時代に即応した組織化政策の推進を始め、試練の克服と未来への挑戦を可能にする環境を整備するため、本大会が決議した事項を早急に実現するよう、われわれの総意として強く求める。

われわれもまた、それぞれの中小企業がもつ個性を大いに発揮するとともに、組合を始めとする中小企業の多様な連携を一段と強化して、新しい飛躍への道を切り開くことを期する。


上記宣言する。

平成10年10月29日
第50回中小企業団体全国大会

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