5 3及び4の事業の一体的推進に関する事項その他必要な事項
(1)推進体制の整備

基本計画に基づく各種の事業を円滑かつ効果的に実施していくためには、基本計画の作成段階やそれぞれの事業準備段階から、関係者が十分に情報交換を行い、連携を図ることも必要である。
このため、市町村の行政担当部局間の連携のみならず、必要に応じ民間事業者も含めた連携を推進するための体制の整備に努めることが必要である。

なお、具体的には次のような例が考えられる。
ア 市町村における関係部局間の連絡調整を行うための会議の設置
イ 中心市街地の活性化に関する企画立案や広報、関係部局間の連絡調整事務、情報の収集・整理、対外的な窓口業務等を市町村において一元的に行う組織の設置
ウ 商工会議所又は商工会を始め、中心市街地の活性化に一体となって取り組む民間組織との連携を円滑にするための協議会の設置等
エ 一般の市民、企業等の幅広い理解を得るための広報活動の展開等

(2)事業推進上の留意点等
① 地域特性等の尊重や創意工夫

各種事業の計画及び実施に当たっては、事業効果を高めるため、地域の歴史的・文化的な資源の活用、快適な歩行者空間の確保、美しい都市景観の創造等に留意するとともに、定期借地権の活用、円滑な土地取引の促進のための取組み、イベントとの連携等様々な創意工夫に努めることが重要である。

② 都市計画との調和

基本計画に基づく各種の事業、特に市街地の整備改善のための事業については、都市計画が定められている場合には都市計画に適合して行われる必要があるため、基本計画も、都市計画及び都市計画法第18条の2の市町村の都市計画に関する基本的な方針との調和が保たれている必要がある。
また、必要に応じて地区計画、特別用途地区、建築協定等の計画誘導手法の活用を図ることが事業効果を高める上で有効である。

③ 地方公共団体の基本構想等との整合性

市町村は、その事務を処理するに当たっては、地方自治法(昭和22年法律第67号)に基づく基本構想に即して行うようにしなければならないため、基本計画に基づく事業もこの基本構想に即したものでなければならない。
また、国土利用計画法(昭和49年法律第92号)に基づく市町村計画を始め、他法令に基づく種々の計画との調和を図ることも必要である。

④ 環境等への配慮

中心市街地及び周辺地域における各種事業の計画及び実施に当たっては、良好な環境の保全、交通の安全と円滑の確保等に影響がないよう配慮することが重要である。

⑤ その他基本計画作成上の留意事項

基本計画は、市町村の発意と主体性に基づき自由な発想で作成されるものであるので、この基本方針に定めのない事項について基本計画に記載することを妨げるものではない。
また、これまで当該中心市街地に関して行われた既存の調査・検討の成果を活用することも有効である。
基本計画の変更についても、市町村が、環境の変化その他の必要に応じて適切な時期に行うことが望ましい。

(3)国等の支援の考え方

国は、市町村の主体的な取組みを尊重しつつ、市町村が選択可能な各種支援措置の整備に努めるとともに、基本計画に定められた事業に対する支援に当たっては、その内容を独自性、先進性、熟度等の観点から評価し、そうした点において総体として優れた基本計画に定められた事業に対して重点的に支援を行うものとする。
このため、関係省庁からなる中心市街地活性化連絡協議会を設けて関係省庁間の緊密な連携を図るものとする。
また、市町村等に対する統一窓口を設置し、基本計画の写しの受理、市町村からの各種問合せ・相談への対応、その他中心市街地の活性化に関する情報の収集、整理及び提供などを行うことにより、市町村の事務負担の軽減と連絡の円滑化を図るものとする。
なお、都道府県においても同様に必要な体制整備を行い、広域的観点から基本計画相互の整合性確保やそれぞれの事業の連携促進を図ることを含め、市町村への適切な支援や助言を行うことが望ましい。

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