2 中心市街地の位置及び区域に関する基本的な事項
(1)中心市街地の要件

基本計画を定めるに当たっては、市町村は、その中心の市街地が、以下の点を踏まえ、法第2条各号の要件を満たし、都市機能の増進及び経済活力の向上を図ることが必要であると認められる場合に、当該市街地を中心市街地と位置づけるものとする。

① 「当該市街地に、相当数の小売商業者が集積し、及び都市機能が相当程度集積しており、その存在している市町村の中心としての役割を果している市街地であること」(法第2条第1号)
中心市街地が備えるべき小売商業者及び都市機能の集積の程度は、それぞれの市町村ごとに異なるものであり、当該市街地が存在する市町村内の他の地域と比較して、相当数の小売商業者が集積し、各種事業所、公益施設等が密度高く集積することによって様々な都市活動が展開され、それを核として一定の商圏や通勤圏が形成されていることなど、当該市町村における当該市街地の経済的、社会的役割に着目して判断することが重要である。

② 「当該市街地の土地利用及び商業活動の状況等からみて、機能的な都市活動の確保又は経済活力の維持に支障を生じ、又は生ずるおそれがあると認められる市街地であること」(法第2条第2号)
低・未利用地の状況、小売商業の店舗数や販売額、その他の都市活動に係る事業者数や従業員数等当該市街地の土地利用、商業活動等の状況・動向を参考に判断することが適当である。

③ 「当該市街地において市街地の整備改善及び商業等の活性化を一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村及びその周辺の地域の発展にとって有効かつ適切であると認められること」(法第2条第3号)
当該市町村及び周辺地域の市街地の規模、配置、相互関係等の現状、都市計画や産業振興に関するビジョン等の今後の地域づくりの方針等に照らして、事業実施の効果を判断することが適当である。

(2)留意事項

市町村は、基本計画に中心市街地の位置及び区域を定めるに当たっては、以下の点に留意するものとする。

① 中心市街地の数
中心市街地は、それぞれの市町村の中心としての役割を果している市街地であることから、基本的には一市町村に一区域となるものであるが、合併市町村、政令指定都市等において、地域の実情により(1)の要件に該当する中心市街地が複数存在するような場合には、それぞれについて基本計画を作成することもありうるものである。

② 中心市街地の規模等
中心市街地の規模等は、それぞれの市町村ごとに多様であると考えられるが、土地利用や諸機能の集積の実態、想定される事業の実施範囲等の観点から、一体性があり、集中的・効果的な取組みが可能な適切な広さになるよう定めることが必要である。

③ 土地利用計画との関係
中心市街地の区域は、各種の土地利用計画との整合性にも配慮することが必要である。特に都市計画が定められている場合には、当該区域が都市計画法(昭和43年法律第百号)第8条第1項第1号に掲げる商業地域又は近隣商業地域を含むように調整を図ることが必要である。

④ 中心市街地の区域の境界
中心市街地の区域は、できる限り市町村の区域内の町界・字界、道路、河川、鉄道等の施設、都市計画道路等によって、対象となる土地の範囲を明確に表示して定めることが必要である。

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