1.市町村の基本計画策定の指針
1 中心市街地における市街地整備及び商業活性化の一体的推進の意義

中心市街地は、様々な点で今後も各地域及び我が国全体の発展に重要な役割を果たすべきものであり、その活性化は今日の重要課題。
中心市街地の空洞化が複合的な要因によることにかんがみれば、市町村は以下の点に留意して基本計画を策定し、市街地の整備改善と商業等の活性化を一体的に推進することが重要。

①地域特性や住民の意向等を踏まえた中心市街地活性化の目標の明確化
②市街地の整備改善・商業等の活性化以外の事業を含む各種事業の連携と集中実施による相乗効果

また、施策を実施する上で基本的な視点となる事項は以下のとおり。
①市町村が主体的に取り組むこと
②地域住民の理解と協力を得ること
③民間活力を最大限に活用すること
④市町村を超えた広域的観点からの基本計画相互の整合性や連携の確保にも留意すること

2 中心市街地の位置及び区域

市町村は以下の要件を満たす中心市街地について位置・区域を設定。
①法1号要件(集積要件):市町村内の他地域と比較して相当数の小売商業者等が集積し、それを核として一定の商圏や通勤圏が形成されていること等
②法2号要件(趨勢要件):土地利用、商業活動等の状況・動向を参考に判断し、機能的な都市活動の確保、経済活力の維持に支障を生じ、又は生じるおそれがあること
③法3号要件(広域効果要件):当該市町村及び周辺地域の市街地規模・配置・相互関係の現状等から事業の一体的推進が地域の発展に有効かつ適切であると認められること

また、以下の点に留意して中心市街地の位置及び区域を設定。
①数:基本的には一市町村に一区域。ただし合併市町村等については複数存在することもあり得る。
②規模:集中的・効果的な取組みが可能となるように、一体性のある適切な広さに設定することが必要。
③各種土地利用計画:整合性に配慮。特に都市計画が設定されている地域については、商業地域、近隣商業地域を含むよう調整。
④境界:対象となる土地の範囲を町界、道路、河川、鉄道等で明確に表示。

3 市街地の整備改善のための事業について

対象となる事業は、
①商業、業務、居住等の都市機能の集積及び再配置を進める土地区画整理事業、市街地再開発事業等の面整備事業
②様々な都市機能及び都市活動の基盤となる道路、公園、駐車場、電線類地中化等公共の用に供する施設の整備事業

事業選択に当たっては、土地利用や都市基盤の状況、地域住民や事業予定者の意向等を考慮。
基本計画には、施行中又は5年以内に着手可能な事業について、事業の種類、実施予定者、おおむねの位置又は区域、実施時期等について記載。

4 商業等の活性化のための事業について

対象となる事業は、
①多様な小売業者の集積活性化及び商業施設等の整備をタウンマネージメント的手法等を活用しつつ行う事業
②コミュニティ調和型の事業や新たな事業展開のシーズとなる技術等の市場への導入を支援する事業等の都市型新事業の立地促進を行う事業

事業選択に当たっては、現に立地している小売商業者の集積状況や新しい事業へのニーズ等を踏まえ、多様な事業手法の組合せや各事業の連携による相乗効果も考慮することが必要。
基本計画には、事業の種類、実施予定者、おおむねの位置又は区域、実施時期等について記載。

5 上記3及び4の事業の一体的推進に関する事項

施策遂行のために市町村において例えば以下のような推進体制の整備に努めることが必要。
①関係部局間の連絡調整会議
②情報収集、窓口業務等を一元的に行う組織
③商工会議所、商工会を始め民間組織との連携を図る協議会等

また一体的推進のために以下の点に留意が必要。
①歴史・文化等の尊重やソフト施策との連携を含む創意工夫
②都市計画との調和や地方公共団体の基本構想等との整合性
③環境等への配慮

6 国等の支援の考え方

国は、統一窓口や関係省庁の連絡協議会等の必要な体制整備を行い、市町村の主体的な取組みを尊重しつつ、独自性、先進性、熟度等の観点から評価して総体として優れた基本計画に定められた事業に対して重点的に支援。
都道府県においても、同様に必要な体制整備を行い、広域的観点から適切な支援や助言が行われることを期待。

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