薮原お六櫛の歴史

頭痛に悩んでいた美人で評判の旅籠の娘「お六」は、悩み続けていた持病の頭痛を治したい一心で御嶽山に詣で願をかけました。 そしてお告げに従って、「ミネバリの木」で作った櫛を使い朝夕に黒髪を梳いてみたところ、不思議なことに病は全快しました。 そこでお六は、この御利益を同じく頭痛に悩む人々にも分けてあげたいと願い、「ミネバリの木」で作った櫛を売ってみました。 すると、中山道の難所・鳥居峠を越えて行き交う東西の旅人の間で評判となり、木曽路・薮原宿の名産「お六櫛」として全国的に知られるようになりました。 そんな伝説が語り継がれてきました。

技法紹介

削り
櫛木を規定のサイズに整えます。製作途中で欠けないようにするために櫛木の小口を削り、 荒手工(あらしこ)鉋 で平面部分の下削りをする。続いて、上手工(じょうしこ)鉋 で櫛木(櫛の原型)を仕上げる。その後、なぜこぼしをして刃先をを仕上げ、櫛木の幅を決める。一方の角を削り、 引き回し鋸 で寸法を決め、削り仕上げます。「筋付け」で櫛の歯の形の線を引きます。
歯挽き
筋付けの線を目安に、 歯挽き鋸 で歯を1本づつ挽きます。歯挽きは左から右に挽いてゆきます。
歯通し
歯挽きとは反対に、右から左へと歯通しを行い、歯先を尖らせます。櫛を回転させ、反対側の歯先、そして裏返してそれぞれの歯先と、あわせて4回行う。 歯通しは、その後の山抜き・中抜き鋸の入りをよくする作業であり、完成後の髪の毛の通りが左右される工程です。
山抜きと中抜き
歯挽きした反対側の挽き残りを筋(筋付けの線)まで引き込む作業。筋付け線で歯元を揃えるように 山抜き鋸 を挽き込む。歯挽きした表裏の鋸の角度が一致しないときれいに「山が抜けない」(透かして向こうが見えないと、髪の毛がよく通らない)櫛の命とも言える作業です。
耳突き・耳丸め
櫛を耳丸め台にのせ、 耳丸め鉋 で角を丸く削ってゆく。耳を丸める形にはそれぞれに特徴があり、職人同士はこの形で誰が挽いた櫛か一目で判るとされています。
磨き
木賊の木(トクサノキ)と呼ばれる木片を縦に持ち、木賊が貼られた面で、櫛のシノギから歯先へと丹念に磨く(下磨き)。ボウズ貝で櫛の表面を磨き、艶を出す(貝掛け)。
油ひき
少量の椿油を両手のひらに取り、櫛全体に擦り付ける。時間をおいて櫛に油を染み込ませる。これにより櫛歯の通りがさらに良くなり、木肌の色と木目が美しくなる。
鞘差し・包み
両歯の櫛は、一方の歯にサヤ(木鞘)を差し、包装をして、商品としての「お六櫛」が完成する。

作品

お六櫛  みねばり 手挽き お六梳き櫛 3寸2分

(画像及び一部本文転載:お六櫛センター 大つたや)

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