信州紬

信州は古来より養蚕が盛んであり、明治時代以降、基幹産業として製糸業が発展し、岡谷・諏訪、松本、上田等に製糸工場が多く見られました。養蚕農家で、生糸にしにくい蚕等を真綿にして、それを紡いで織るようになり、養蚕の産地がそのまま織物産地になりました。この紬織物は、江戸時代においても庶民の使用が認められていたように、普段着として広く普及していきました。
「上田紬」、「松本紬」、「飯田紬」、「伊那紬」など、県内各地で発達した紬を合わせて「信州紬」と呼ばれています。各地に自生する様々な植物染料を用いた「草木染」による染色が活発であり、また安曇野地域のくぬぎ林で飼育される山繭(天蚕)は、他の産地にない独特の風合いを醸し出しています。

2017/05/02