Q-34 総会(総代会)の召集に関する質疑
  Q-34-①  総会の延期・続行手続きについて

  Q.総会に会日中に、何らかの理由により議事を終了できないときは、他の
   日に延期または続行することができるということを聞きました。
     総会の延期と続行とはどのように違うのでしょうか。また、次のような
   手続きに問題はないでしょうか。
   (1)議事の進行状況からみて、会日中に議事を終了しないことが明かな
     場合、議場に諮らず、議長単独の判断で総会続行の決定をすることが
     できるのでしょうか。
   (2)総会の席上では、会場確保等の関係から後日の総会の日時や場所を
     決定することが難しいと思われます。日時、場所の決定を議長に一任
     し、決定次第速やかに組合員に連絡することとしても問題はないでし
     ょうか。
   (3)延期または続行する総会の開催日時を、場所の確保等の理由から、
     当初の総会日から1ヵ月程度先の日に定めても構わないでしょうか。

 A.総会においては延期または続行の決議をすることができ、その場合改め
  て総会招集の手続きは要しないとされています(組合法第54条(商法第
  243条準用))。
     ここにいう延期とは、総会の成立後、議事に入らず、会日を後日に変更
  することをいい、続行とは、議事に入った後、時間の不足その他の事由に
  より審議未了のまま総会を中断し、残りの議事を後日に継続することをい
  います。この延期または続行の決議に基づき後日開かれる総会は通常、継
  続会といわれています。
    このような制度が設けれれているのは、何らかの都合により総会を延期
  または続行しなければならなくなった場合、総会の招集手続きを繰り返さ
  なければならないという煩わしさが生じ、また、招集手続きに必要な10
  日間は総会を開くことができず、予定の審議も速やかに終了することがで
  きないという不都合が生じることを避けるためです。
   (1)総会の延期または続行は総会の決議を要件としていますから、総会
    の決議を経ず、議長の判断のみで延期または続行を決定することはで
    きません。ただし、この決議は議案そのものに関する決議ではなく、
    一種の議事進行に関する決議ですから、あらかじめ招集通知に議題と
    して記載されている必要がないことは当然です。
   (2)継続会と当初の総会とは同一性を有していなければなりません。そ
    のためには、総会の延期または続行の決議において、原則として、後
    日の継続会の日時及び場所を定めることが必要で、期日を定めず、単
    に総会を後日に延ばすときには、総会は同一性を保ちえず、改めて招
    集通知が必要になるとされています。
         しかし、実際上会場の都合などで、総会の席上では具体的に決定し
    得ない場合も有り得ます。その場合、総会が日時、場所の決定を議長
    に一任し、総会終了後速やかに通知せしめることを決議した時には、
    総会において日時、場所を定めたものとして有効な延期または続行の
    決議がなされたものと解することができます。
     なお、この場合議長の通知は、延期または続行の趣旨からして、当
    初の総会の出席組合員(書面、代理を含む)に対してすれば足りると
    解されています。
  (3)この制度が設けられた趣旨からして、継続会は当初の総会の会日か
    ら相当の期間内に開かれることを要します。なぜなら、相当の期間経
    過後であれば、総会招集の手続きをすることが十分可能であるからで
    す。このような解釈から、相当の期間内というのは、総会招集通知に
    必要な10日間以内と解するのが妥当とされています。1カ月も先の
    日時に開催することは、明らかに継続会とはいえず、改めて総会招集
    の手続きが必要になると考えられます。                  (90-9)

  Q-34-②  役員任期満了後の総会招集方法について

  Q.理事の任期満了後の総会招集は、どのように行ったらよいか?
   (特に問題となるのは、理事改選の総会招集についてである。)

 A.前理事任期満了後における総会招集は、中協法第42条により役員につ
  いて商法第258条第1項(欠員の場合の処置)が準用され、退任等によ
  り役員の員数が欠ける場合は、前役員(任期満了又は辞任による退任に限
  る)は新たに選任された役員が就任するまで役員としての権利義務を有す
  るから、前理事が行うこととなる。                       (147-175)

  Q-34-③  総会の招集請求方法について

  Q.中協法第47条第2項の規定に基づき総組合員の5分の1以上の同意を
   得て、総会招集の請求を理事会に提出したところ、その後組合員が増加し
   、5分の1を満たさなくなったが、5分の1の要件は、理事会に請求した
   時点によって判断すべきか、それともその後の増員数を考慮すべきか?
    なお、理事会への請求時点でよいとすれば、臨時総会の招集通知は理事
   会請求当時の組合員のみ発すればよいか?

 A.中協法第47条第2項の規定に基づき、組合員が組合員総数の5分の1
  以上の同意を得て臨時総会の招集を請求する場合には、その請求の日にお
  ける組合員総数の5分の1以上の同意があれば有効とされ、その後、組合
  員が増加しても当該請求は適法になされたものと解する。
   なお、総会招集の通知については招集通知を発送する時点における組合
  員のすべてについて行う必要がある。                     (147-176)

  Q-34-⑤  総会招集請求の要件について

  Q.総組合員の5分の1以上の者が、各人毎に同一書式による総会招集要請
   書を代表理事宛提出してきた。これには、1.組合今後の運営方針を組合員
   外の特定の者に委任する件、2.役員改選の件が記載されている。
     この場合に、
   1.会議の目的たる事項は示されているが、中協法第47条第2項の招集
    理由書、同第41条第3項による改選の理由書がないので却下して差支
    えないか?
   2.組合の業務執行のすべてを員外者に委任することは、法第38条の2
    の建前よりしていかがか?

 A.当該請求は、貴見のとおり招集の理由あるいは改選の理由が不充分であ
  り、これを却下して差支えないと考える。
     なお、総会招集の請求は、組合員が他の組合員の同意を得て行うことと
  なっているので、同一書式により各人毎の同意を得ることは差支えないが、
  各人毎に直接組合に請求することは適当でない。
     また、業務執行のすべてを員外者に委託することについては、当該員外
  者が代表理事であれば差支えないと考える(中協法第35条第4項及び同
  法42条において準用する商法第78条)。ただし、これは、あくまで業
  務執行の実行の段階でのものであり、組合の運営方針あるいは事業計画の
  決定等は理事会あるいは総会の権限であって、このような事項を員外者に
  委託することは中協法違反となり、また、当然総会招集請求却下の理由と
  なる。                                               (148-177)