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月刊中小企業レポート
更新日:2009/1/20

初春を迎えて

長野県知事
村井 仁

 明けましておめでとうございます。
 皆様には、健やかに初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 
 本年の干支は「丑」、すなわち牛の年であり、「牛の歩みも千里」「牛に引かれて善光寺参り」といった言葉が思い浮んでまいります。昨今の世の中の動きは目まぐるしく、先行き不透明でありますが、周囲の状況を的確に捉えながら、牛の歩みの如く着実に物事を進めていくことが必要ではないかと考える次第です。
 
 県政においてもまた然りであります。これまでの県政運営を農業に例えるならば、知事就任以来の二年余で畑の土づくりを終え、「中期総合計画」という種を蒔くことが出来ましたが、いよいよその芽吹きを風雨を避けつつ、しっかりと育て上げる時期を迎えています。
 県財政は厳しい状況にはありますが、医療・福祉の充実、環境の保全、観光・商工業・農林業等の振興、道路・河川の整備、教育の充実など、成すべき課題は山積しています。とりわけ地域医療体制の整備や地域公共交通の確保は難題です。県民の皆様と課題や目標を共有し、「選択と集中」により事業を厳選するとともに、財政の健全化を図りながら、計画的・総合的に施策を推進してまいります。
 世界経済の急激な減速に伴う国内外の需給環境の悪化等により、景気は後退局面にあります。ともすれば元気を失いがちでありますが、このような時こそ、将来を見据え、飛躍のきっかけを探り求める姿勢が必要です。一例を申し上げれば、三月にレストラン・宿泊施設の世界的評価ガイドの「ザガット長野版」が発刊されますが、これは長野県観光の質の向上に繋げる取組です。様々な分野でこのような気運が高まり、県内各地域に元気が出てくることを期待するものであります。

 「つらなる つながる 信州」、これが長野県のキャッチフレーズです。この言葉に込められた思いは、人の絆や地域のつながり、地域資源を見つめ直し、地域に誇りを持つことの大切さであります。「三人寄れば文殊の知恵」と申しますが、多くの人々が議論を重ねることで、新たな時代に対応した地域の知恵が生まれてまいります。今後とも県民の皆様や市町村の声に謙虚に耳を傾け、説明責任を果たしながら県政を着実に推進してまいりますので、引き続きご理解とご協力をお願い申し上げます。

 皆様にとりまして、新しい年が希望に満ちあふれ、実り多い良き年となりますよう心からお祈り申し上げます。

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