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月刊中小企業レポート
更新日:2008/12/20

トピックス東西南北

自社の畑でぶどう栽培 
初のオリジナルワインが誕生しました。
小諸市「中棚荘」


「初恋りんご風呂」

中棚温泉の歩み

 歴  史 

 さかのぼること、明治25年。小諸義塾塾長となる、木村熊二先生が当時の長野県知事に鉱泉分析を依頼したことから始まります。そして敷地内に士族屋敷を移築して、水明楼と称して、書斎兼住居として住むようになりました。木村先生の助言により、明治31年9月に中棚鉱泉として開業しました。その翌年の3月に、木村先生の媒酌により藤村が結婚して、4月から国語と英語の新任の教師として、新婚時代を小諸の地で過ごす事となりました。当時出来たての中棚鉱泉と水明楼を足しげく訪ね、鉱泉開発に協力して頂いた様子や、生活や歓談の場所として「千曲川のスケッチ」の中に「中棚」という段落に登場してきます。それから島崎藤村ゆかりの宿として営業をしてきました。その後、明治、大正、昭和と先代達が旅館として引継ぎ、充実させてきて、私で5代目となりますが、30歳のときに急に父を亡くしてから、跡を取り父の夢であった温泉掘削に成功して、それ以後は中棚温泉と改名しました。

 経  過 

その後平成5年に大規模な増改築をして、新しく旅館の名前を「中棚荘」として現在に至っております。新しく温泉となった後に、藤村の初恋の詩にちなんで、「初恋りんご風呂」を始めます。最初はなかなか大変でしたが、最近はやっと定着してきました。そして島崎藤村の初恋をテーマに使い、懐かしい丸型ポストを「初恋ポスト」と命名したり、「初恋の日」を制定し「初恋はがき大賞」を興して、初恋シリーズとして活動をしてきました。ちなみに、今年の初恋はがき大賞では、1,200通に及ぶ応募があり、初恋の力を実感しています。

 最近の取り組み 

「オリジナルワインNAKADANAと荘主」

 また昨今は食と農に取り組み、小諸の御牧ヶ原産の白土馬鈴薯でスープやニョッキを作りました。そして5年前から自社畑で育てた、シャルドネという、ワインぶどうの栽培にも力を入れ今年初の御牧ヶ原原産ワイン「NAKADANA」というオリジナルワインが出来ました。和風旅館での畑からオリジナルワインを造ったのは、初めての例ではないか、と言われています。
 建物では旧北国街道にあった壊されてしまう寸前の運命だった古民家を引き受けて移築し、「はりこし亭」と称して、手打ちそば、郷土料理店として甦らせて始業をしています。もちろん「はりこし亭」で出すそば粉や小麦粉は、自社畑で作ったものを使用しています。最近の食の安全という、取り組みからしても見える材料を使うことは、お客様においてもアピール出来ることと思います。



 今後は 

 親子3代で来て頂いているご家族もおられ、そのような方々に対しても常に前向にチャレンジし、新しい建物や、企画を立てていければと思います。循環型生活を目指して、天ぷら油でトラクターを動かし、動物の糞で堆肥を作り、カブト虫を養殖して、暖炉の薪やビオトープをお客様と一緒に作ったりと活動を広げ始めています。

(取材協力:荘主 富岡正樹氏)
(取材構成:東信事務所)


「中棚荘」外観

〒384-8558
小諸市古城中棚1210
中棚荘
TEL:0267-22-1510
URL:http://www.komoro.co.jp/index.html

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