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月刊中小企業レポート
更新日:2008/12/20

健康を考える

痔疾患番外編

健康を考える

 痔とは何でしょうか。肛門とその近所の病気の総称です。痔疾患の御三家は痔核、痔瘻、そして裂肛で、皆さまよくご存じの病気です。これらについてお話ししても、またかということになりますので、本稿では他の事柄について述べてみたいと思います。

 「いぼ痔も痔、あな痔も痔、はす痔、きれ痔にさけ痔も痔、はしり痔、かゆ痔にけいかん痔、百いぼ、しめり痔、あらいすぎ」。痔の早口言葉です。一気に言ってみてください。
 いぼ痔は内・外痔核、あな(穴)痔、はす(蓮根)痔は痔瘻、きれ痔、さけ痔は裂肛、はしり痔は血がピューととぶ内痔核、かゆ痔は肛門?痒症、けいかん(鶏冠)痔は鶏のとさかが合わさったように見えるところから脱肛を意味します。百いぼは、尖圭コンジローマのことで、俺の彼女はカズノコ天井といばっている人がおりました。しかし、これは秘所に百いぼが生じていたのでしょうか。性病の一種ですよ。ご用心、ご用心!!しめり痔は汗や分泌液でべとべとしている肛門のことです。
 あらいすぎと最後に書きましたが、近年シャワートイレが普及し、かくれた所のおしゃれとして、排便後、洗浄する方が多くなりました。それに従って、温水トイレ症候群という新たな疾患?が話題になりつつあります。すなわち肛門を紙で拭かなくなったため、肛門周囲の皮膚が弱くなり、慢性的な皮膚炎をおこし、かゆくなる。掻くとただれる。汁がでる。温風で乾かすと油気がぬけて皮膚ビランとなる。肛門内に水を吸いこんで、後で少しずつ漏れだし、しめり痔になるといった病状です。洗ってもよいのですが、何事もほどほどにしてください。

 次に直腸肛門内異物も時々みられます。口から入って最後の関門で御用となるのですね。魚骨、つまようじ、焼芋の皮、お菓子の包装紙の切れ端、栗の皮、時に義歯等々、突然、肛門痛が生じ来院され、異物を除去するととたんに痛みがなくなる。魚骨をとってあげた時、奥様に「あんた、犬猫の方がよっぽどうまく食べるよ」と叱られている方がおられました。

 さらに下から物を入れる方々もおられ、困ったものです。17.5cm×4cmの毛染めスプレー缶、3.5cm×7cmのボディソープ入りの壜、10cm長のバイブレーター(一晩動きっぱなし)、8×6cmのお茶碗(どうして入ったのかわかりません)。極めつけは16cmの鉛筆。これには「誘惑に負けない勇気、強い意志、○○防犯協会」と刻印されていました。
 皆さま、肛門は出すところであって、入れるところではありません。油もつけずに入れると四方八方のきれ痔になりますよ。




長野県保険医協同組合
渡辺 豊昭
(松本市 渡辺肛門科医院)

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