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月刊中小企業レポート
更新日:2008/12/20

特集1
第60回 中小企業団体全国大会
仙台市「仙台サンプラザ」

連携、拠点、政策発信 ~躍動する中小企業~

11月20日(木)、第60回中小企業団体全国大会が杜の都仙台の「仙台サンプラザ」において、やや肌寒く初雪の舞う中で開催されました。
 “連携、拠点、政策発信”~躍動する中小企業!~を合い言葉に、吉川経済産業副大臣をはじめ大勢の御来賓の臨席の中、長野県中央会関係者(113名)を含め全国より中小企業団体の代表者2,300名が参加し、激変する我が国の経済環境の中で、中小企業が希望を持ち未来に向かって経営ができる施策の実現を要望し、13項目の決議及び大会宣言を採択いたしました。
併せて、表彰が行われ優良組合として長野県から3組合(全国33組合)、中央会優秀専従者として当会指導員2名(全国39名)が表彰されました。
 尚、次回第61回中小企業団体全国大会は千葉県で開催されることになりました。

宣  言

 わが国経済は、昨年までの景気回復基調が一変し、資源・原材料・食糧の価格高騰、米国の金融機関の経営破綻などを背景とした世界的な金融不安に直面するなど外的要因によって急激に悪化し、中小企業は自助努力による対応の限界を超えた極めて厳しい状況に置かれている。
 わが国は、この景気後退の状況を一刻も早く脱却して、新たな資源・原材料高時代に対応した経済の構造転換を進めることが急務となっている。
 こうした中で、わが国経済の活力の源泉である中小企業においては、組織のもとに団結し、原材料高騰などの厳しい局面を打開するための活力ある事業活動の展開が求められている。
 全国の中小企業団体の代表二千余名は、本日、伊達政宗が四百年余り前に開府したここ仙台の地に集い、ローマに使節団を派遣するなどグローバルなスケールで生き抜いた政宗に倣い、「連携、拠点、政策発信 躍動する中小企業」を合言葉に、中小企業が直面する諸問題の解決と今後の方向性について討議を重ね、その持続的発展に必要な施策について決議した。
 政府は、全国四百万余の中小企業が、その活力を再び取り戻し、原材料高時代への挑戦を可能にする環境を整えるため、本大会が決議した事項を早急に実現すべきである。
 われわれもまた、それぞれが企業家精神を大いに発揮し、雇用の創出や地域経済の活性化に努めるとともに、中小企業組合をはじめとする連携組織にその力を結集し、ロマンと活力に満ちた日本国を実現するため、新たな時代に向かって大きく羽ばたくことを期する。
 右宣言する。

平成二十年十一月二十日
第六十回中小企業団体全国大会


第60回中小企業団体全国大会決議

Ⅰ.世界的な金融危機・経済危機への対応、中小企業と組合の活性化

  1. 即効性ある景気対策の確実な実施
    「安心実現のための緊急総合対策」及び「生活対策」を即時に実施するとともに、切れ目のない景気対策を実施すること。

    【具体的な要望事項】
    景気後退等厳しい経営環境下にある中小企業者が安心して経営を継続できるよう、「緊急総合対策」及び「生活対策」を即時に実施するとともに、財政措置を含めたあらゆる政策手段を動員して、景気対策を切れ目なく機動的に実施すること。
    特に、資金繰り対策と下請対策の実施には万全を期すること。

  2. 中小企業対策の拡充・強化
    中小企業対策予算を大幅に増額し、地域経済活性化、環境資源対策のための総合的な中小企業対策を実施すること。
    また、食品事故による被害が関連中小企業者に及ばないよう、万全の措置を講ずること。
    【具体的な要望事項】
    1. わが国の中小企業が、創業、経営革新、新連携、ものづくり高度化、地域資源活用、農商工等連携等に果敢に取り組んでいけるよう、中小企業対策予算を大幅に増額すること。
      また、資源高による新たな価格体系に円滑に対応できるよう、中小企業が行う省エネ・低炭素化の取組みへの支援を強化するとともに、海外市場開拓を促進するため、産地組合の優れた技術・商品のブランド化の推進、海外拠点と地域力連携拠点との連携等を強化すること
    2. 食品に係る事故や偽装問題が多発しており、幅広い関連中小企業者に影響を及ぼしていることから、金融対策をはじめとする総合的な食品安全対策を実施すること。

  3. 組合等連携組織対策・中央会支援体制の強化、組合制度のさらなる活用等
    国・地方公共団体は、組合等中小企業連携組織対策を中小企業対策の重要な柱として明確に位置付け、同対策の拡充・強化に万全を期すること。
    中小企業組合制度を幅広い分野で活用すること。

    【具体的な要望事項】
    1. 中小企業連携組織対策・中央会支援体制の拡充・強化
      国・地方公共団体は、「指針」等の策定などにより、中小企業組合をはじめとする連携組織対策を中小企業対策の重要な柱として明確に位置づけること。また、同対策の実施を担い、中小企業の業種別生産性向上、地域力連携拠点等を活用した中小零細企業の支援、取引の適正化及び環境エネルギー対策などを積極的に推進している中小企業団体中央会の支援体制の強化に万全を期すること。
    2. 中小企業組合制度のさらなる活用等
      中小企業組合を中小企業の成長力底上げ、格差是正、地域コミュニティ、ソーシャルビジネス、国際化、省エネ・低炭素社会の実現の担い手として、幅広い分野で積極的に活用すること。
      また、地域経済の実態に柔軟に対応できるよう、員外利用の制限緩和等の組合制度の改善を図ること。

Ⅱ.公正な競争環境の整備

  1. 下請取引適正化のさらなる推進
    下請事業者が、原油・原材料価格高騰に伴う価格転嫁を円滑に行える環境改善を図るため、親事業者及び下請事業者に対する下請法の周知徹底や下請ガイドラインの普及啓発を強力に推進すること。親事業者の優越的地位の濫用等の不公正取引に対する取締りをさらに強化するとともに、下請事業者が適正収益を確保できる環境整備を強力に推進すること。

    【具体的な要望事項】
    1. 代金の支払遅延や製品の返品・買いたたき等を防止し、親事業者・下請事業者双方が適正な収益を確実に確保できるよう、取引価格の適正化に向けた下請法・下請適正取引ガイドラインの普及強化や製品への価格転嫁推進策など万全な対策を積極的に講ずるとともに、変容する下請取引環境に下請事業者が対応できるよう、実効ある経営基盤強化策を講ずること。
    2. 下請法や建設業法等の法令に沿って、下請取引の実態を継続的に調査・監視し、法令違反行為に対しては迅速・厳正に対処するなど、親事業者の優越的地位の濫用等、不公正取引に対する取締りを徹底強化すること。
    3. 「下請適正取引ガイドライン」の対象業種の拡大や省庁間でバラツキのある普及策を一元化し、下請かけこみ寺、中小企業支援機関やマスメディア等を通じた普及広報を行うなど、下請事業者がガイドライン説明会を受けやすい環境整備に積極的に取り組むとともに一層の周知徹底を図ること。

  2. 不当廉売等への迅速かつ実効性ある対処
    不当に中小企業に不利益を与える行為に対して迅速・厳正に対処し、独占禁止法等改正案の速やかな成立・施行により、一層の実効性を確保すること。

    【具体的な要望事項】
    1. 不当廉売、不当表示、優越的地位の濫用など、不当に中小企業に不利益を与える行為に対して、迅速かつ実効性ある対処を行うこと。
    2. 独占禁止法等改正案を速やかに成立・施行させ、不当廉売等不公正な取引方法に対する課徴金の厳正な適用により、一層の実効性を確保すること。

  3. 中小企業並びに官公需適格組合の受注機会の増大実現
    国及び地方公共団体は、「官公需法」並びに「国等の契約の方針」に基づき、中小企業者及び官公需適格組合の受注機会を一層増大すること。また、官公需適格組合制度をはじめとする官公需施策を全ての発注機関に周知徹底するとともに、分離・分割発注の推進、適正価格での発注を推進し、地域経済活性化のため、地元中小企業者と官公需適格組合の優先活用を図ること。

Ⅲ.持続的発展を図るための経営力の向上

  1. 中小企業のIT活用支援の強化・拡充
    ITを活用して生産性向上やマネジメントの高度化に取り組む中小企業を支援するため、情報システム担当者の育成、IT活用基盤の整備、地域における支援体制の整備を行うとともに、電子政府・電子自治体の推進に当たっては、中小企業の利用促進につながるようにすること。

    【具体的な要望事項】
    1. 中小企業経営者へのIT活用の啓発のための研修等を充実するとともに、情報システム担当者の育成支援策を拡充すること。
    2. 中小企業向けの安価で使いやすいASP・SaaSの活用基盤を整備するとともに、組合等を活用した情報システムの構築等の支援策を拡充すること。
    3. 地域ITベンダーと地域中小企業のネットワーク化を図り、地域中小企業のIT活用支援体制を整備すること。
    4. 電子政府・電子自治体の推進に当たっては、中小企業の利用しやすいシステムにするとともに、行政手続の簡素化に向けた取組みを推進すること。

  2. 中小企業金融機能の維持、制度のさらなる拡充等
    原油・原材料価格高騰の外部要因や景気変動等の影響を受けやすい中小企業を金融面から支援するため、中小企業金融機能の維持・強化、信用補完制度の適正な見直し、担保や保証に依存しない融資慣行の定着化に向けた取組みなど、中小企業金融対策を一層充実させること。
    また、小規模事業者に対する金融の円滑化と地域経済の発展に大きな役割を発揮している信用組合が、相互扶助による協同組織金融機関として、今後もその機能・役割を効果的に果たすことができるよう、必要な措置を講ずること。

    【具体的な要望事項】
    1. 株式会社化した商工中金及び統合した日本政策金融公庫については、これまで金融危機時等において中小企業に対して果たしてきた役割・機能が将来にわたり十分発揮されるよう、融資制度のさらなる充実(マル経資金の貸付対象者の弾力化等)も含め万全な措置を講ずること。
    2. 不動産担保や人的保証に過度に依存しない融資慣行の定着化(技術力等の重視、個人保証限度の見直し等)に向けての取組みを一層推進すること。中小企業金融制度のさらなる充実、セーフティネット保証対象業種の恒久的な運用基準等の弾力化や信用補完制度における責任共有制度(部分保証)のフォローを十分行い、中小企業に対する貸し渋りや貸し剥がしが再燃することのないよう必要な対策を講ずること。
    3. 高度化事業(高度化資金貸付制度)は、中小企業が新たな事業展開を行う上で極めて重要な制度であることから、環境変化に対応した適切な運用面の改善を行うこと。また、団地の組合員の倒産等によって生じた跡地について、組合員の円滑な入れ替え等ができるようにするため、組合が一時的に買い取る場合の借入金に関わる支援措置を講ずること。
    4. 中小企業倒産防止共済制度・小規模企業共済制度については、小規模事業者の利便性向上のため、制度の充実を図ること。
    5. ゆうちょ銀行の業務のあり方については、地域経済や金融において混乱をきたさぬよう、信用組合をはじめとする民間金融機関の地域金融機能や公平な競争条件を引き続き確保する観点から、特に、以下の点に留意し議論を行うこと。
      (1)協同組織金融機関である信用組合等の地域金融機能を今後とも堅持すること。
      (2)完全民営化移行期間中の預入限度の引上げや撤廃、事業性貸出業務への新規進出は行わないこと。

  3. 事業承継税制の確実な実施など中小企業の活性化に向けた税制支援の拡充
    中小企業経営者が安心して経営に専心できるよう、事業承継税制の確実な制度化を図るとともに、事業承継円滑化のための総合的な支援を強化すること。
    中小企業関係税制、中小企業組合関係税制等の充実・強化を図ること。
    拙速な消費税の引上げの議論は行わないこと。また、環境税は創設しないこと。

    【具体的な要望事項】
    1. 事業承継税制の確実な実施
      取引相場のない株式等に係る相続税の80%の納税猶予制度について、平成20年10月1日に遡及して確実に実施するとともに、猶予税額が免除される一定の場合の具体化や株式の生前贈与の促進を図るための措置の導入をはじめ中小企業経営者や後継者にとって使い勝手のよい制度となるよう配慮すること。また、廃業と開業のマッチング支援、事業用資産買取りの金融支援など事業承継円滑化のための総合的な支援を強化すること。
    2. 中小企業関係税制の充実強化
      (1)法人税法上の中小法人の定義を中小企業基本法に定める中小企業の定義と同様にすること。
      (2)中小法人に対する法人税の軽減税率を引き下げるとともに、その適用所得範囲を拡大すること。
      (3)中小法人の交際費の損金算入措置を延長するとともに、その限度額を引き上げること。
      (4)固定資産税の負担軽減を図ること。
      (5)個人事業主の事業承継や事業主報酬に係る勤労性に配慮した税制措置を講ずること。
      (6)省エネ・新エネ・低炭素経営の促進に対する税制措置を講ずること。
      (7)土壌汚染対策等中小企業の環境引当金に対する税制措置を講ずること。
      (8)地域コミュニティを担う商店街の活性化に向けた税制措置を講ずること。
      (9)中小企業の事業再生に伴う登録免許税・不動産取得税の軽減措置を講ずること。
      (10)適用期限の到来する次の租税特別措置等を延長すること。また、適用期限の到来しない国税の特別措置、地方税の特例措置の廃止・縮減は行わないこと。
      ① 中小企業等基盤強化税制
      ② 人材投資促進税制
      ③ 企業立地促進税制
      ④ 中小企業新事業活動促進法に基づく計画承認、地域資源活用促進法及び農商工等連携促進法に基づく計画認定を受けた事業者が行う設備投資の支援に対する税制
      ⑤ 信用保証協会の抵当権設定登記等に伴う登録免許税の軽減措置
    3. 中小企業組合関係税制の充実強化
      (1)企業組合、協業組合を含めた中小企業組合の法人税率を引下げること。
      (2)事業協同組合等に対する法人住民税均等割額の軽減措置を講ずること。
      (3)火災共済協同組合が行う地震火災費用見舞金等に対する税制措置を講ずること。
      (4)特定共済組合が積み立てる異常危険準備金を損金に算入すること。
      (5)適用期限の到来する次の租税特別措置等を延長すること。また、適用期限の到来しない国税の特別措置、地方税の特例措置の廃止・縮減は行わないこと。
      ① 事業協同組合等の留保所得の特別控除
      ② 中小企業等の貸倒引当金の特例(中小企業組合等に対する割増し措置)
    4. 拙速な消費税率引上げ議論は行わないこと。
    5. 環境税の創設は行わないこと。

  4. 中小企業に配慮した労働・教育・社会保障政策の推進
    最低賃金の引上げには、生産性の向上や下請取引の適正化等が不可欠であり、中小企業の経営実態や支払能力を無視した引上げは行わないこと。
    外国人研修・技能実習制度は、運用の適正化を前提に現行の制度目的及び団体監理型の受入れを維持すること。また、受入れ事業の適正化を図るため、「外部評価制度」等を創設すること。
    国による職業訓練機能を維持・強化し、ジョブカード制度を推進すること。また、若者の就業促進と中小企業の人材育成・確保への支援を強化すること。さらに、中小企業の高齢者雇用への支援を強化すること。
    国の方針の下で、学校教育における中小企業に関する教育を強化すること。
    中小企業が障害者を雇用しやすい環境を早急に整備すること。
    中小企業の実態に配慮した仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を推進するとともに、次世代育成支援対策を強化すること。
    時間外労働の割増賃金の一律引上げは行わないこと。また、「企画業務型裁量労働制」について見直しを行うこと。
    雇用保険に対する国庫負担は廃止しないこと。また、雇用保険二事業の助成金制度について、手続きの簡素化など活用面の見直しを行うこと。
    社会保障制度改革に当たっては、厚生年金保険、医療保険、介護保険の適用対象の拡大や保険料の安易な引上げは行わないこと。

  5. 商店街及び中小小売商業の活性化支援の拡充
    中心市街地及び中心市街地以外の商店街、共同店舗及び個店に対して、一層の支援拡充を図ること。
    また、地方公共団体は、商店街等の活性化を図るため、条例等の制定により、大型店等の積極的な地域貢献等を促すこと。

    【具体的な要望事項】
    1. 中心市街地の活性化に対する支援の拡充
      (1)中心市街地の活性化を支援するため、「戦略的中心市街地中小商業等活性化支援事業」の拡充を図ること。
      (2)都市機能を中心市街地に集約させるため、中心市街地に立地するマンションやオフィスビルを建設する際に、低層部分に商業機能を配置させる等の条件をつけること。
    2. 商店街・共同店舗等に対する支援の拡充
      (1)低炭素社会、少子高齢化、安全・安心等の社会課題に対応する商店街等の取組みに対して支援する「中小商業活力向上事業」の拡充を図ること。
      (2)空き店舗の活用やテナントの誘致など商店街全体の店舗・施設の構成のマネジメントの支援、リテール・サポートや新たな担い手の育成により個店力を向上させて繁盛店を創出するための支援を講じること。また、共同店舗に対しても、空きスペースの入居費や改装費等の助成制度を創設すること。
      (3)公共性の高い共同施設(アーケード等)資金の借入に際しては、個人保証の免除等の弾力的運用制度を創設すること。また、公共的施設物(アーケード等)に関わる道路占有料を全額免除すること。
      (4)商店街等が費用を徴し街路灯等に設置する広告物の取扱いについては、地域によって取扱いが異ならないように、国土交通省の通達に準拠し適切に対応すること。
    3. 大型店等に対する指導・規制の強化
      (1)大規模集客施設の郊外開発行為に対して厳格かつ適正な対処を図るため、土地利用に関するゾーニングの条例やガイドラインの制定を促進すること。
      (2)大型店や大資本チェーン店、地権者などに商店街組合等への加入や、地域交流、商店街活動及び社会貢献等への積極的な協力を求める地域貢献条例等の制定を促進すること。
      (3)地球環境の保全、ワーク・ライフ・バランスの推進、犯罪の未然防止等の観点から、営業休日の減少や長時間営業などを行う大型店や大資本チェーン店に対して自粛指導を行うこと。

  6. 中小流通業・サービス業振興対策の強化
    中小流通業について、中小卸売業振興法(仮称)の制定をはじめとする抜本的な対策を講ずること。
    また、中小サービス業や中小観光関連サービス業等の支援策を強化すること。

    【具体的な要望事項】
    1. 中小流通業対策の強化
      (1)中小卸売業の機能充実のため、中小卸売業振興法(仮称)を制定するなど抜本的な振興策を講ずること。
      (2)卸団地内の組合員の業態変化等に積極的に対応するため、流通業務市街地整備法や都市計画法による業種制限等を緩和すること。
      (3)駐車違反取締り地区においては、積み卸し業務が可能な駐車スペースを確保するなど、業務に配慮した対策を講じること。
      (4)燃料価格高騰に対応するため、高速道路利用料金を引き下げるとともに、国土交通省が策定した「トラック運送業における燃料サーチャージ緊急ガイドライン」を荷主事業者に周知徹底すること。
    2. 中小サービス業対策の強化
      (1)中小サービス業、生活衛生関係サービス業の一層の発展を図るため、人材育成支援の充実、金融・税制の整備、業種別団体を活用した中小サービス業対策の強化等を図ること。
      (2)国際競争力ある観光関連サービス産業を育成するため、中小観光関連サービス業に対して、積極的な支援策を講じること。
      (3)少子高齢化やまちづくりなどの社会的課題を解決するためのコミュニティビジネスやソーシャルビジネスに対して、積極的な支援策を講じること。

  7. 持続的発展を可能とする環境・エネルギー・事業継続対策の拡充
    低炭素社会や持続可能な社会の実現に向けて、中小企業が環境・資源エネルギー対策等の社会的課題に円滑に対応できるよう、組合等連携組織を有効に活用し、十分な配慮や支援を行うこと。
    自然災害発生等の緊急時における中小企業者に対する万全できめ細かな事業継続支援対策を拡充すること。

    【具体的な要望事項】
    1. 環境・資源エネルギー対策の拡充
      低炭素社会や持続可能な社会の実現に向けて、中小企業者が、環境・資源エネルギー対策等の社会的課題に円滑に対応できるよう、以下の取組みについて、 効果的かつ効率的な対策実現の担い手である組合等を積極的に活用するとともに、技術、情報、人材、資金、税制面等各方面にわたる支援策を拡充・強化すること。
      (1)環境指針・省エネルギー推進のための業種別指針等の策定
      (2)CO2削減の推進及び国内排出量取引事業
      (3)穀物を原料としない国産バイオ燃料の大幅な生産・利用拡大に向けた事業
      (4)環境負荷低減のための技術開発・ゼロエミッション事業を含めた3R推進事業(廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用)
      (5)エコアクション21などの環境認証の取得等、環境経営の推進
      (6)土壌汚染や騒音規制に対する調査及び施設整備、アスベストを使用した構築物の解体やアスベストの除去等
      (7)グリーン購入法の周知徹底、グリーン商品に対する優遇措置の実施による民間市場の拡大など環境関連産業の育成
    2. 緊急時における中小企業事業継続対策の拡充
      (1)自然災害発生等による緊急時において、中小企業の事業継続支援のため、セーフティネット対策等を拡充・強化すること。
      また、風評被害防止へ万全の対策を期すとともに、地域経済再建のため中長期的な視野に立った支援策を講ずること。
      (2)国及び地方公共団体は、自然災害等の発生に備え、中小企業組合等を活用した「災害に強い地域づくり」「地域レベルでの危機管理体制」の構築・整備を早急に進めること。
      また、「中小企業BCP(緊急時企業存続計画)」の策定・運用について、中小企業組合を有効に活用して普及促進を図るとともに、人材・金融・税制等の特別措置を講ずること。

第60回中小企業団体全国大会決議について、紙面の都合により一部の決議事項の具体的な要望事項内容を割愛させていただきました。


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