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月刊中小企業レポート
更新日:2008/07/20

ビジネスの視点

新しい視点で市場を創る
~マーケティング志向の経営(3)~

開成経営学院理事長
滝澤 恵一

 市場は変化を続けています。お客様が求めているものも変化しています。技術も変化をしています。研究開発も進んでいます。過去の成功体験に固執していては、企業は存続できなくなります。
 次のような視点で、一度、自社の事業活動を見直してみると、新しい道が拓けてきます。

■ハードよりもソフトを重視(付加価値をつける)
 モノ(製造業や建築業における生産品、ハード)よりも、そのモノを生産するための新技術、高技術(ソフト)、新素材の研究、開発をする。あるいは、商品そのものを売ることよりも売り方を開発する、サービスという付加価値をつける、アイディアを付け加える。

■既存技術の見直し
 既存の資源や技術を新しい感覚で見直すことで新市場を創出する。資源の高付加価値化(高加工度化)、技術の転用によって新商品、新サービスを創り出す。

■新技術を導入して、商品テーマを変える
 既存の資源を活用して商品化するにあたり、新技術を導入して新しい商品テーマの商品を開発する。

■既存商品やサービスを新しい顧客に販売する、
 新しい販売方法で販売する

 既存商品を今までとは異なった販売ルートや新しい顧客に、新しい販売方法(たとえばeコマース)で販売することにより、新しい市場を創る。

■機械化、IT化
 大量生産するにあたり、製造工程を機械化する。品質を一定に保つ。熟練技術者を必要としない業務を組合せて、コストを下げる。ITを活用して、業務の改善を図る。

■アナログと手仕事
 IT技術を活用しての事業の推進をすることばかりではなく、アナログ的なもの、マニュアル(手仕事)的なものを活かす。デジタル、ITでは表現することができない人の感覚や経験からしか表現できない微妙なものを創り出す。市場規模は大きくないが、その業界でユニーク差を出すことにより、業界ではなくてはならない企業となれる。

■不易なものを追い求める
 不易なものとは変わらないもの。すべてのものは変化しているが、長い時間がたっても変わらずに大切なものやことをテーマとして追求し、具体化すること。不易なものを土台にしながらも、10年、20年という中期の流れ、潮流を取り入れていくということも大切。

■国際化、広域化
 原材料や商品の輸入を海外から行う、商品を海外へ輸出する、海外の経営者や専門家とコラボレーションするなど、国際的な活動領域を求める。国内においても、ある地域だけに限定した活動ではなく、他の地域への進出をする。

■地域密着化
 自分が生きている地域、自社がある地域に密着しての活動を行う。コミュニティ・ビジネスに参入する。

信州ビジネスコンサルタント協同組合理事長
               中小企業診断士

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