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月刊中小企業レポート
更新日:2008/07/20

特集
地球温暖化防止と中小企業
~長野県の現状と中小企業の取り組み~

 2008年から2012年までの5年間で、CO2をはじめとする温室効果ガス6種の合計排出量を1990年に比べて6%削減する―。1997年に議決された「京都議定書」で日本をはじめ各国が約束した温室効果ガス削減の実行期間が今年、いよいよ始まった。
 もっとも現時点では、大企業の省エネ対策が着実に成果をあげるなか、日本経済の屋台骨を支える中小企業の取り組みはなかなか進まない。その要因として、「CO2排出削減のための機器導入に関する情報が乏しい」「設備投資の資金調達が難しい」などの悩みが大きいという。
 中小企業の貢献が絶対に欠かせない温室効果ガス削減目標の達成。本特集では、長野県をはじめとする行政等の取り組みとバイオマスの有効活用事例、中小企業への資金面からの支援制度を紹介する。

世界で、日本で、そして長野県で
疑う余地のない地球温暖化

 2007年11月、ICPP(気候変動に関する政府間パネル)は第4次評価報告書を公表。気候、生態系、都市環境、人の健康などさまざまな分野で、温室効果ガスの増加が原因と思われる影響が顕在化。地球温暖化には疑う余地がなく、現状のまま手をこまねいていれば将来、地球環境は危機的な状況に陥ると警鐘を鳴らしている。
 報告書によると、最近100年間で地球の平均気温は0.74度上昇し、その影響と思われる異常気象が各地で多発している。ヨーロッパでは22万人が被災した大洪水(2002年)や、2万人以上の死者を出した熱波(2003年)が発生。アメリカでも甚大な被害をもたらしたハリケーン・カトリーナ(2005年)が記憶に新しい。また生態系では、北極の海氷が溶け出していることによるホッキョクグマの絶滅が危惧されている。
 日本では、最近100年間で平均気温が1.10度上昇。04年までの50年間でサクラの開花日は全国平均で約4.2日早まり、逆にカエデの紅葉は約15.6日遅くなっているという。確かにここ数年、サクラの開花が早まっているのは実感するところだ。
 降水量も最近30年間と20世紀初頭の30年間を比較すると、一日100ミリ以上の降水を記録した日数は約1.2倍、200ミリ以上では約1.4倍と、大雨の発生頻度が上がっている。
 また、災害の多発や夏季の高温などの異常気象により、果樹の栽培適地が移動したり、米の減収および品質低下、害虫の分布域の北上など、農業被害が拡大するおそれがあるともいわれている。
 長野県でも、最近100年間の平均気温は長野市で1.18度、飯田市で1.26度上昇しており、かつてはひんぱんに見られた諏訪湖の御神渡りが1988年から2007年の20年で5年しか観測されていない。近年シカの個体数増加が深刻な農林業被害をもたらしているが、研究者からはこれも暖冬の影響によるものと指摘されている。

温室効果ガス排出量削減をめざし、
「長野県地球温暖化対策条例」を制定

 深刻さを増す地球温暖化対策に世界、日本、そして長野県はどのように取り組んでいるのだろうか。
 まず国際的な取り組みとしては、京都議定書で約束した目標達成のために各国の取り組みが進められている。2007年6月の「ハイリゲンダム・サミット」や、同年12月の気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)などでも、世界全体の温室効果ガス排出量削減への取り組みが話し合われた。もちろん今年7月、日本が議長国として開かれる「北海道洞爺湖サミット」でも主要テーマのひとつだ。
 日本では京都議定書で約束した目標を達成するため、総合的な対策を行ってきた。しかし05年度は基準年度である1990年度比7.7%、06年度は同6.4%の増加となり、対策が進んでいるとはいえない状況。そのため政府は07年6月「21世紀環境立国戦略」を閣議決定し、新たな地球温暖化対策を進めることとした。
 一方、長野県では03年4月「長野県地球温暖化防止県民計画」を策定。県内で排出される温室効果ガスを10年度までに基準年度比6%削減することを目標に、中小企業の省エネ対策、NPO等が行う地球温暖化防止活動への支援、低燃費車導入の普及促進、環境マネジメントシステムの導入促進、環境教育の推進、家電製品への省エネラベルの掲出などの対策を講じてきた。
 06年3月には「長野県地球温暖化対策条例」を制定。温室効果ガスの多量排出事業者の排出抑制計画等の作成・提出、家電販売店での省エネラベルの掲出、駐車場設置者等によるアイドリング・ストップ実施の周知等、さらに対策を強化した。
 しかし、04年度の温室効果ガス排出量は基準年度比14.0%。長野県は依然、全国よりも高い伸びとなっているのが現状だ。

各部門で増加続く長野県のCO2排出量

 業務、家庭、産業、運輸、廃棄物など、04年度長野県の部門別CO2排出量状況は次のようになっている。
(1)業務部門(商業・サービス・事業所、行政機関等)
 県内排出量全体の24.8%を占め、基準年度比55.4%の大幅な増加。事業所建築物の床面積が45.7%増加したこと、オフィスでOA機器が多く使われるようになり、床面積当たりの排出量が増加したことが主な原因と考えられる。
(2)家庭部門
 県内排出量全体の18.1%を占め、基準年度比26.0%の大幅な増加。世帯数の増加と、パソコンをはじめとする家電製品が普及し世帯当たりの排出量が増えたことが主な原因。長野県は冬期の暖房のためのエネルギー使用が多く、これが全国平均を上回る要因となっている。
(3)産業部門(製造業、農林水産業、建設業・鉱業等)
 県内排出量全体の27.3%を占め、基準年度比4.8%の増加(全国は3.2%の減少)。この8割以上を製造業が占める。90年度以降、電機、機械、精密、輸送の主要業種の成長率が高かったことがその原因と考えられる。
(4)運輸部門(自動車・鉄道等)
 県内排出量全体の28.7%を占め、基準年度比19.8%の増加。もっとも96~97年度をピークに減少傾向が続いている。人口当たりの自家用車保有台数が28.1%増加する一方、自動車の燃費が大幅に向上したことによると考えられる。
(5)廃棄物部門
 県内排出量全体の1.1%で、基準年度比16.9%の増加。こちらも02年をピークに減少傾向にある。これは家庭から出る一般廃棄物の焼却量の減少が寄与していると考えられる。

バイオマスの積極的な利活用をめざす
「バイオマス・ニッポン総合戦略」

 なかなか進まない地球温暖化防止対策だが、CO2削減に貢献し、化石エネルギーに大きく依存した有り様から脱皮を図るエネルギーとして注目されているのが「バイオ燃料」だ。石油高騰の波を受け、世界的に注目されている。
 バイオ燃料の原料となるのが「バイオマス」。つまり動植物から生まれた再生可能な有機性資源だ。地球温暖化対策として90年代から脚光を浴び、バイオエタノールなどの利用も拡大している。国は02年「バイオマス・ニッポン総合戦略」を閣議決定し、循環型社会をめざす長期戦略としてバイオマスの利活用を進めている。
 バイオマスは以下の3つに大別される。
(1)廃棄物系バイオマス 畜産資源(家畜排せつ物等)、食品資源(加工残さ、生ゴミ、動植物性残さ等)、産業資源(廃棄紙、パルプ廃液等)、林産資源(製材工場残材、建築廃材等)、下水汚泥
(2)未利用バイオマス 林産資源(林地残材)、農産資源(稲わら、もみがら、麦わら等)
(3)資源作物 糖質資源(さとうきび、てんさい)、でんぷん資源(米、いも類、とうもろこし等)、油脂資源(なたね、大豆、落花生等)
 このうちパルプ廃液はほとんど、家畜排せつ物や製材工場残材は約90%、下水汚泥は約64%が堆肥やエネルギーなどに再利用されている。しかし未利用バイオマスはもとより、食品廃棄物も80%が未利用のままだ。
 バイオマスの炭素はもともと大気中のCO2を植物が光合成により固定したものであり、燃やしCO2が発生してもプラスマイナスゼロ。実質的に大気中のCO2は増えないので地球温暖化防止に役立つ。また資源リサイクルによる持続的循環型社会の形成もうながす。
 いかにバイオマスの利活用を進めるか。これは国、地方を問わず大きなテーマだが、注目すべきは、間違いなく新たな産業の育成につながるという点だ。

産学官、農商工が連携し、
バイオマスの有効利用を探る

 長野県では産学官、農商工が連携し、バイオマスの有効利用を探る取り組みが始まっている。
 信大地域共同研究センターなどが呼びかけ、信大、長野高専、県、長野市、須坂市、千曲市、県農協地域開発機構のほか、民間企業数社も参加して今年7月1日に発足した全県組織「バイオマスユーティリゼーション研究会」だ。間伐材、食品残さ、きのこ生産の廃培地といったバイオマスを利用した燃料や食品の産業化に向け、研究開発に取り組む。
 テーマごとに設けたプロジェクトのひとつとして、08年度はバイオディーゼル燃料(BDF)の循環システムの研究に着手。遊休農地でヒマワリを栽培し、種から油を採種。それを販売する一方、使用済みの廃油を回収し、キノコの廃培地から抽出した糖分からつくったエタノールと反応させてBDFを精製する。BDFはトラクターの燃料などに使う。
 研究会では将来的に廃培地や間伐材を加工した固形燃料や、ワインやジュースなどの搾りかすを使った機能性食品や化粧品などの開発をめざし、幅広く企業や行政に参加を呼びかけていくという。
 長野県は全国最大の生産量を誇るキノコの一大産地。キノコ栽培に使った培地は年間19万8,000トン(06年)にも達する。廃培地の素材にはおがくずやトウモロコシの芯を砕いたものが使われ、堆肥としての利用が進むものの、なお多く出る余剰培地の処理は頭の痛い問題。ところが原油価格高騰などの追い風を受けて、廃培地をバイオマスとして燃料化する取り組みが県内中小企業の間に広がっている。
 千曲市のボイラーメーカーはかつて第二次石油ショックの際に自社開発した廃培地ボイラーの改良をめざす。またキノコ生産設備開発・製造メーカー(長野市)も、高温蒸気で有機物を乾燥させる独自技術を応用し、廃培地をペレット状燃料にするシステムを開発中。農業関連以外の企業も関心を示し、ガス会社や電子機器メーカーなどがそれぞれの得意技術を応用し、廃培地を燃料にするための技術開発を進めている。

一人ひとりの行動でストップ!地球温暖化
~長野県の地球温暖化対策について~
長野県環境部長 白 井 千 尋

 2004年度の県内の温室効果ガス総排出量は、1990年度比で14.0%増加と、全国の伸び率(同比7.6%)に比べて高い状況となっています。部門別の二酸化炭素排出量を見ると、業務部門(商業・サービス業など)での伸びが顕著であるほか、全国では減少傾向にある産業部門(製造業など)でも排出量が増加しています。またこの2部門で全体の半数以上を占めています。  急速に地球温暖化が進む中、温室効果ガスの排出削減を効果的に進めるためには、県民・事業者の皆様に様々な場面で排出削減のための行動を実践していただくことが重要です。このため、長野県では本年2月に「長野県地球温暖化防止県民計画」を策定し、県内の温室効果ガス総排出量を2012年度までに1990年度比で6%削減するという目標を達成するために、様々な対策を進めています。  事業所での対策の中で特に効果があるのが省エネルギー対策です。県では、今年度も、事業所で省エネ対策を診断・指導する「信州省エネパトロール隊」への支援や、環境経営システム「エコアクション21」の普及拡大、技術相談や専門家の派遣、資金のあっせんなど、県内中小企業の省エネルギー対策への支援を実施しています。  また、現在、温暖化防止活動の県民運動を展開する「減CO2(げんこつ)アクションキャンペーン」を実施し、家庭や学校、会社、地域などでの二酸化炭素(CO2)排出削減に繋がる行動の実践を呼びかけているところです。  県といたしましては、こうした取組を通じて、より多くの皆様に温暖化対策を実践していただける環境をつくってまいりたいと考えています。私たちが住む地球を将来の世代に引き継ぐためにも、皆様の御協力をお願い申し上げます。

事  例 環境ベンチャー企業のナカタ

(株)ナカタとJA中野市が連携、
キノコ廃培地を固形燃料に

 そんな中ですでに実用段階にあるのが、リサイクル技術開発のナカタ(長野市)がJA中野市などと進める、キノコ廃培地などの固形燃料化への取り組みだ。
 ナカタは06年、廃培地や生ゴミなどの有機物を微生物の働きで固形燃料化する技術を開発。それに注目したJA中野市が共同事業化に手をあげた。
 中野市は県内一のキノコ産地。年間約7万トンも出る廃培地はJA中野市などが集積施設を設け、堆肥化している。しかし処理はとても追いつかず、においなどで住民から苦情もあるという。さまざまな対策が検討されてきた中で出会ったのがナカタの技術だった。
 JA中野市は重油に代わるブドウ栽培ハウスの燃料として、同社に実用化を要請。提供した所有地に同社が機械を持ち込み、同年11月から実験を開始した。初年度は農家3軒でスタート。翌08年度は30軒に増やし、固形燃料の生産量も約200トンに。この結果を受けて、09年度は100軒以上に拡大する計画だ。
 もし7万トンのキノコ廃培地すべてを燃料化すると、重油換算でカロリーベースでは年間1万2,000トン、金額では約10億円以上に相当するという。一方、300軒以上もあるブドウ生産農家のハウスは450棟にのぼり、4~5億円の燃料需要がある。実験結果に大きな手応えを得ている、同社の余語勝社長は次のように話す。
 「最近の価格高騰で重油を使うかどうか悩む農家が多いのですが、実験プラントで供給している固形燃料の方が安いという成果がはっきり出ています。実用化に成功し、今後いかに生産規模を拡大していくかがテーマ。現在そのためのノウハウを固めているところです」

「“生ゴミ”は貴重な資源です」
スローかつシンプルな独自製法

 キノコ廃培地などの農業系残さ、生ゴミなどの食品残さには水分が多く含まれ、そのままでは燃えにくい。また化石燃料を使って乾燥するにはコストがかかりすぎ、そもそもの目的を考えれば本末転倒。固形燃料化の難しさはそこにある。
 同社はバイオマス原料を独自開発の特殊な機械で粉砕、かくはんして混合。それを微生物を利用し、ペースト状にし、型に入れて成形する。乾燥は自然乾燥。夏なら2週間、冬は1カ月程度で固形燃料ができる。自然の力を利用したスローかつシンプルな製法。温度や湿度などをコントロールする必要もまったくない。原料は農業系残さだけでなく、コーヒーやお茶、ジュースの搾りかす、おからなど食品工場の廃棄物、家庭などの生ゴミも利用できる。製造コストの安さも大きなメリットだ。
 この画期的な技術を開発したのが、同社の中田邦位会長。72年世界の鋳造業界に革命をもたらした真空鋳造法「Vプロセス」を開発し、日本機械学会の最高発明賞である「大河内正敏記念技術賞」を受賞した世界的発明家のひとりだ。近年では「セラミック炭」の発明でも知られる。
 中田会長は「“生ゴミ”はゴミじゃない、貴重な資源です」と言い切る。「生ゴミの水分はいちいち分けられない。そこで、すべてミックスしてドロドロにし、微生物を使って固める技術を研究してきました。乾燥技術が問題だといわれますが、成形すれば乾燥しやすくなるし、乾燥にカネがかかるというなら時間をかければいい(笑)。大切なのはアイデア、ですよ」。

「地産地消型」を生かして。
持続可能な循環型社会の理想的な燃料

 積み重ねた固形燃料の上部に着火すると、上から下に向かってゆっくりとローソクのように燃えていく。普通の木材では当然発生する煙もほとんど出ない。燃焼バランスが良く、完全燃焼するためだ。燃焼カロリーは重油の半分程度と木材とほぼ同じだが、燃焼効率が良いため、カロリーベースではそれ以上の効果があるという。しかも燃やした後に残る灰は、それ単体で商品化できるほど良質の肥料になる。再々利用までできる、まさに持続可能な循環型社会の理想的な燃料なのだ。
 もっとも固形燃料ならではの弱みもある。石油などの液体燃料に比べて輸送コストがかさむことだ。石油と対抗するためには、大量の原料と燃料需要が併存する「地産地消型」がベスト。その点、中野市は願ってもない環境だった。
 「ビジネスモデルとして成立する条件がすべて揃っています。しかも我々とJA中野市のどちらにもメリットがある。ここでしっかりビジネスモデルを確立し、誰が見ても恥ずかしくないレベルに仕上げたいと考えています。それができた後にはもちろん、生産拡大や拠点展開も積極的に考えていきたい」
 中野市から業務委託を受け、07年11月から市給食センターの食品残さ、生ゴミの固形燃料化事業も始まった。中野市のバイオマスタウン構想など、地球温暖化防止をめざした事業への取り組みが期待されている。

最終利用目的は「発電」。
大きなチャンスを迎える中小企業

 同社が次の事業展開のターゲットとするのは食品メーカーだ。県内食品メーカーでも、果実の搾りかすやお茶がら、コーヒーかすの処理に1社当たり億単位のコストがかかっているという。その一方で、生産工程にかかる燃料需要も大きい。まさに中野市と同じ構図である。
 「特にコーヒーかすはほとんど腐らないので堆肥にもできず、処理に困っているようです。実験の結果、コーヒーかすはよく燃えることが分かっているので、燃料化がうまくいけば需要は大きいはず」と余語社長は期待を込める。
 中田会長は「今まで研究してきた中で、最も時代のニーズにあった発明だと思う。ぜひ『長野発の世界技術』として、広く普及させていきたい」。数々の発明を手がけてきた中田会長だが、その中でも特に自信と手応えを感じているのがこの技術だという。
 その最終利用目的は、発電だ。「燃えるということはエネルギーが出るということであり、それを使って発電ができるということです。世界のゴミ焼却場をすべて発電所に変えるのが私の目標。将来、世界から“生ゴミ”がなくなり、すべて燃料になる時代が来る。それが地球温暖化の一番の対策だと思っているんです」。

 原油価格の高騰を背景に進む、バイオマス利活用技術の開発。全国一のキノコ産地であり、地元農産物を使った食品加工業が盛ん。しかも農産資源や林産資源が豊富な長野県は、まさにバイオマスの宝庫ともいえる。
 産官学、農商工の連携による新しいビジネスモデルの創造に期待が寄せられるなか、中小企業は今、大きなビジネスチャンスを迎えているといえるのではないだろうか。


商工中金は地球温暖化対策推進のための金融支援策に取り組んでいます。
○「環境配慮に取組む事業者に対する総合支援策」の概要
1.支援対象者
(1)
3R(リデュース・リユース・リサイクル)に取組む事業者等(注1)
(2)
廃棄物の適正処理に取組む事業者等
(3)
大気・水質汚染物質の排出抑制に取組む事業者等
(4)
「RoHS指令」(注2)や「PRTR制度」(注3)に対応し、特定化学物質の排除や管理体制の整備に取組む事業者等
(5)
土壌汚染防止に取組む事業者等
(6)
省エネルギー、新エネルギーの利用に取組む事業者等
(7)
環境配慮型経営に係る第三者認証を取得した事業者
2.支援内容
 ・
環境問題に係る各種情報提供等を行うとともに、環境配慮に資する資金需要に対して金融面で支援する。
 ・
特に環境配慮型経営に係る第三者認証を取得した事業者に対しては、同事業者に限定して利用できる「環境配慮型経営支援貸付」(下記を参照)を創設します。
  (注1)
リデュース…使用済の物品等または副産物の発生抑制
リユース……再生部品の利用
リサイクル…再生資源の利用
  (注2)
RoHS指令(Restriction of Certain Hazardous Substances~電気電子機器の特定有害物質使用制限指令)
  • 欧州連合(EU)による電気・電子機器に含まれる特定有害物質(水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、ポリ臭化ビフエニール、ポリ臭化ジフエニルエーテルの6物質)の使用制限に関する指令。
  • 生産から処分に至る全ての段階で、環境や人の健康に及ぼす危険を最小化することを目的としており、これに伴い、国内の製造業者は鉛フリーハンダ等の代替部品の導入を進める必要がある。
  • 平成18年7月からの施行予定。
  (注3)
PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Resister)
  • 特定の化学物質を製造したり、原材料として使用する事業者や、環境へ排出することが見込まれる事業者のうち、一定の業種、従業員数、特定化学物質の取扱い量に該当するものに、特定化学物質の環境への排出量と廃棄物に含まれて事業所外に移動する量の届け出を義務付けるもの。
  • 対象となる有害物質の排出量削減を直接的に義務付けるものではないが、環境対策による自社PRや親会社からの削減要請等から、間接的に排出量や取扱い量の抑制を図るもの。
○環境配慮型経営支援貸付の概要
  (注1)
エコアクション21
  • 環境への取組みを促進するため、平成8年に環境省が策定し、その後何回かの改正を経て、平成16年10月から認証・登録制度として開始された制度。
  • 「企業が自主的に環境への取組みを効果的・効率的に行うシステムを構築・運用し、環境への目標を持ち、行動し、結果を取り纏め、評価、公表する」ためのガイドライン。
  • 環境管理・監査の国際規格であるISO14000Sをベースに策定されたもので、短期間、低コストで取得を可能とし、中小企業者への普及を目的とする簡易版の環境ISOと言えるもの。(有効期間は2年間)
  • 認証・登録は財団法人地球環境戦略研究機関持続性センターが実施。
  (注2)
グリーン経営認証制度
  • 環境にやさしい物流の実践に向けて、国土交通省が平成15年10月に創設した認証制度。国交省の外郭団体「交通エコロジー・モビリティ財団」が認証機関となり、財団が作成した「グリーン経営推進マニュアル」に基づき、一定レベル以上の取組みを実施している運送事業者に対して、審査した上で認証・登録するもの。
  • 平成16年10月現在、トラック642事業所、タクシー72事業所、バス12事業所が認証を受けている。
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