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月刊中小企業レポート
更新日:2008/06/20

トピックス東西南北

「こまナビ」で集客力を図る
QRコード付き観光マップ制作

早太郎温泉1

早太郎温泉

 長野県駒ヶ根市の中央アルプス山麓に、「※信州昔話・早太郎伝説」に由来する、名湯早太郎温泉がある。この温泉は平成7年に開湯し、毎年多くの観光客が訪れ、今では県内を代表する観光温泉地として賑わいをみせている。温泉は冷え性、神経痛、筋肉痛、関節痛等に効果があり「美人の湯」と称されており、弱アルカリ性の泉質は、子供連れの家族にも刺激のない肌触りで、抵抗なく入浴でき、毎日入浴する地元の人達に「和みの場」として定着している。また、県外観光客からは、その効能に加え、中央アルプスの主峰駒ヶ岳の麓という立地条件を活かした、壮大なロケーションに感嘆の声をあげることもしばしばある。
 「こまくさの湯」や「露天こぶしの湯」といった、日帰り温泉施設も充実しているため、未体験の方には、非常におすすめスポットである。
※(早太郎伝説)
 今からおよそ数百年前、駒ヶ根市にある光前寺に早太郎というたいへん強い山犬が飼われていたとのこと。そのころ遠州府中(現在の静岡県磐田市)見付天神社で、毎年祭りの夜に一人の子女を神前に人身御供として供える悲しい習わしが続けられていました。
 これを救おうと社僧一実坊弁在は、神仏に祈願して祭りの様子をさぐり、子女をさらう怪物が信州の早太郎を恐れていることを知りました。信州を訪ねた弁在は光前寺に早太郎を捜し当て、早太郎を借り、子女の代わりとなった早太郎の力によって怪物(ヒヒ)は退治され、村の災難は除かれたのです。一実坊弁在は、この恩に報いるため大般若経を書き写し、天神社から光前寺に奉納されました。
 以来、早太郎こそ正に不動明王の化身であり、災難除け、厄除けの霊犬として広く信仰を集め、今なお見付から報恩の参拝が続けられています。

早太郎温泉
事業協同組合の取組み

早太郎温泉2 本組合は、平成20年4月から市内の観光情報を配信する携帯サイト「こまナビ」の運営を開始している。
 これは、市内の温泉旅館やグルメ情報、文化・歴史等を携帯電話端末(モバイル)で情報取得できるシステムで、平成19年度に国土交通省の制度資金の採択を受けた大型事業である。採択後は市や地元商工会議所に呼びかけ、組合が中心となって実行委員会を組織し、事業研究からシステム導入後の費用対効果まで、綿密な研究がされ今日の導入に至っている。
こまナビ 本事業の目的は、駒ヶ根市にある自然、食文化、歴史建造物、駅前商店街などの魅力を、観光客へ的確且つ迅速に発信する事が第一であり、観光客が、周遊しながら携帯電話で、簡単に情報を取得してもらうことで、市内観光の魅力を伝えるものである。また、市販の観光マップなどに記載されていない隠れた名所やグルメを紹介する事で、今までなかなか訪れなかった地域へ観光客を誘導し、地域全体の活性化につなげる事も狙いである。駒ヶ根市は今まで駒ヶ岳ロープウェイや光前寺、温泉宿泊施設など一部エリアに観光客が集中しがちであり、その他の地域については魅力的なところも多いが、通過点になることも少なくなかった事が背景にあるとのこと。
 利用者側からしてみれば、旅行前にQRコード付き観光マップのダウンロードにより事前に施設の休日状況や耳寄りな観光情報を取得でき、旅行中などは主要立ち寄り箇所の確認、新観光資源の最新情報を入手できる。加えて旅行後には、気に入ったお土産や買い忘れた名産を携帯端末から通販出来るシステムも構築されており、ユーザーにとってもメリット満載となっている。
 サイト内は、「泊まる温泉旅館」「日帰り温泉施設」「遊ぶ/山」「知る・見る/歴史」など分野別に23項目に分けられており、簡単操作で駒ヶ根を知っていただけるように綿密な工夫がされている。また、外国人観光客にも配慮し、英語表示もできるようになっている。
 アクセスは、本誌のQRコードより、直リンクできるようになっているため、一度お試ししていただく事をおすすめする。
 今後組合としては、市内を中心にQRコード付きのマップやポスターを配布し、全国的に「こまナビ」の周知徹底を行うキャンペーンを実施していく予定である。

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早太郎3
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