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月刊中小企業レポート
更新日:2008/05/20

イノベーション

コンビニのゴミのリサイクルに学ぶ

 2012年までに二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を1990年比で6%削減しようとする「京都議定書」を持ち出すまでもなく、国や企業、家庭などにおいて地球温暖化の抑制など環境問題が最重要課題になっています。
 先日、コンビニエンス・ストアで毎日捨てられる期限切れ食品を家畜の飼料にしてリサイクルを図っていくという取り組みが報道されていました。セブンイレブンの場合、弁当やパン、牛乳など消費期限の短い食品を東京23区の約1,000店舗から回収して飼料化を始めるそうです。いままでは、肥料にしていましたが、肥料では1年間を通した安定需要が見込めないのでリサイクルしても販売できない懸念があったのですが、この取り組みによりリサイクルがかなり進むのではないかと期待されています。
 我が家も家庭ゴミのリサイクルに挑戦しています。生ゴミは家庭菜園に埋める事。紙ゴミは障がい者施設に持ち込みリサイクルしていただく事の徹底により約半分に削減出来ています。
 様々な組織でこうしたリサイクルの取り組みを実施することにより、ゴミが減量し、燃やすゴミも減り、地球温暖化抑制への貢献に結びつくのかもしれないと感じています。
 リサイクルといえば、紙とかアルミ関係や家電などを中心に考えがちですが、自分達の出すゴミを付加価値に変えていき、かつ、環境へも貢献する取り組みは、我々中小企業も学ぶ事が多いのではないでしょうか?
 規制強化や規制緩和はピンチであると同時に変化が起きますのでチャンスに変える事も可能で、多くのビジネスは規制のチェンジの時に起きています。廃食用油の燃料化や、自動車のリサイクル、一軒壊すと家庭ごみに換算して30年分以上のゴミとなると言われている建設業の分野など様々な業界で取り組みが行われています。秘密保持を売り物にして企業の機密書類を安心して引き取り、リサイクルするような会社も出てきています。地球温暖化防止に貢献するような製品やサービス開発を我々中小企業も実現していきたいものです。

外部研修費用に対する税額控除がもっと身近に!?

 自社の社員に対する教育訓練費に年間いくら投資しているか皆様はご存知でしょうか?日本の労働費用(注)に占める教育訓練費の比率はヨーロッパ諸国と比べるとかなり低く、経済産業省の調べによると2005年のデータでイギリスの約10分の1という少なさです。
 そんな人材投資が減少していく中、平成20年度の税制改正により人材投資促進税制の制度が大幅に拡充する見通しとなりました。この制度は平成17年度より創設されていたのですが、教育訓練費の額が過年度より増えていなければ適用できない等、実際は活用がほとんどされない制度でした。
 ではどのように拡充したのでしょうか。今回はこの制度の活用についてご説明したいと思います。
 (注)労働費用とは給与+法定福利費+教育訓練費の合計額をいいます。

  • 制度の内容と今までとの違い
     今までの制度は、上記でも述べたように教育訓練費の増加が条件であり、また過去2年間の教育訓練費を洗い出さなければならないという煩雑さを伴うものでしたが、今回の改正により、単年度の労働費用に対する教育訓練費の割合が0.15%を超えていれば、教育訓練費の総額の8%~12%を税額から控除できるという制度になります。
     例えば労働費用の総額が400万円のAさんに対し、年間400万円×0.15%=6,000円の研修に参加させることにより、6,000円×8%=480円の税額控除が受けられます。
     思いのほか少ない金額で控除が受けることができます。


  • では、教育訓練費となるものはどのようなものがあるでしょうか?
     職務に必要な技術や知識を習得させるための費用が対象となります。以下の表に簡単にまとめてみました。

  • 対象となるもの ならないもの
    外部講師に支払う講師料や謝礼金 役員に対するもの
    当社負担の外部講師に対する交通費やホテル代など 入社前の内定者に対するもの
    外部研修に対して支払った会場費やパソコンなどの使用料 社内研修による諸費用
    外部研修で使う教材・通信教育費 助成金のうち訓練費用に対するもの
    研修の外部委託費用  

  • 会計処理について
     日々の会計処理においてこの制度の対象となる費用を「教育訓練費」などの勘定科目で処理しておくとわかりやすいでしょう。日々のちょっとした工夫が決算直前の納税予測・節税対策に役立ちます。
 この改正により、今まで使えないと諦めていた人材投資促進税制の税額控除の適用可能性がずっと高くなったかと思います。この時期、新入社員の入社や人の異動が盛んな時期になるかと思われます。教育計画などを立てる際は、是非上記規定やキャリア形成助成金などの助成金を有効に活用し、社員の能力アップを図ることで会社全体の能力や技術を高めてみてはいかがでしょうか?

※本文は、松本市巾上の税理士法人成迫会計事務所で執筆していただいたものを掲載いたしました。
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