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月刊中小企業レポート
更新日:2008/3/20

イノベーション

組織こそインナーマッスル(深層筋)を鍛えよう

 2007年度県民健康調査によると、40歳から74歳の男性2人に1人、女性でも5人に1人がメタボリック症候群の該当者・予備軍であることが明らかになりました。健康長寿国を誇る長野県も「メタボ」という感じですが…。
 1998年にWHO(世界保健機関)が『メタボリック症候群(代謝症候群)』という名称と、その診断基準を発表したことにより、「メタボ」が一般に知られる病態となってきました。日本においても肥満者が増加しつつあると考えられており「メタボ」の提唱で、肥満・生活習慣病のリスクが蔓延しつつあることを示し、健康に気をつける人が増えてきたように感じます。
 2008年4月からは、特定健診制度(生活習慣病をターゲットに、40歳から74歳までの国民5、600万人に対して毎年定まった項目の健診を行い、さらにリスクの高いグループには保健指導を行う)が開始されます。なんだか国の音頭取りで、「国民全員が健康に気をつけよう」「ダイエットしよう」「運動しなさい」というノリです。
 運動をして筋肉を鍛えるにはアウターマッスル(表層筋)の強化だけではなく、インナーマッスル(深層筋)の強化も大切なのだそうです。私たちの動作は、アウターとインナー両方の筋肉の連携で支えられているからです。通常の運動で鍛えられるのは、大胸筋や腹筋などのアウターマッスルですが、姿勢を維持し疲れにくくしダイエットにも有効なのは、インナーマッスル(横隔膜や大腰筋など)の強化で、太極拳などのゆったりとした姿勢の保持が有効ですが、普段の正しい姿勢の保持で鍛えることができるのだそうです。
 外からは見えない部分の強化。組織で言えば、コンプライアンス経営に似ているなと感じました。賞味期限を改ざんする企業や不祥事続出の厚生労働省の例を出すまでもなく、組織の内側の倫理が非常に要求されている社会だと思います。手間がかかり、目先の利益は犠牲にせざるをえない法令遵守の経営、コンプライアンス経営に徹することが組織の長期的発展に繋がるのだと思います。正しい姿勢の保持により、インナーマッスルを強化し健康で長生きするのと同じことが言えるなと感じました。組織の見える部分と見えない内側部分の強化。個人の体でも、組織においてもバランスの良い強化を図りたいものです。

「事業承継時の相続税が猶予になる制度」が発表されました

 2007年末、2008年度税制改正大綱が発表され、「事業を承継するとき、*取引相場のない株式を相続した時には相続税を猶予する」制度創設について盛り込まれ、2008年10月1日から適用される予定としている。事業承継を検討している経営者、相続によって事業を引き継がれる方には朗報です。
 *取引相場のない株式…売買しないため相場がない(上場していない)株式。

■制度の概要

 取引相場のない株式を相続して事業を承継した時に、相続税の課税価格の10%軽減措置の特例から課税価格の80%に対応する相続税を猶予する特例への切替(発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分)。

■制度の対象(すべての条件を満たした場合)

  1. 中小企業(医療法人・NPO法人などは対象外)
  2. 相続によって事業承継をした後継者
  3. 代表者であったこと
  4. 同族関係者の株式と合わせて50%超を保有
  5. 同族内で筆頭株主である
  6. 引き継いだ後も、従業員を8割以上維持すること
  7. 引き継いだ株を持ち続けること
  8. 5年間事業を存続させること

■制度の注意点

 猶予であって免除ではありません。そのため死亡するまで、引き継いだ株を手放さず持っていないと、評価減をした分の相続税と、猶予した期間分の利息を納めなければなりません。
 株式の評価減ができれば、円滑な事業承継の助けとなりますが、今回の制度は、事業承継に関して考慮する事項の一つに過ぎず、気を付けること、準備すべきことがあります。
 この制度を機に、しっかりと引き継ぎが完結するように、事業承継計画(例:いつ引退する、後継者教育プラン)をたててみてはいかがでしょうか。

※本文は、松本市巾上の税理士法人成迫会計事務所で執筆していただいたものを掲載いたしました。

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