MENU

 月刊中小企業レポート
> 月刊中小企業レポート

月刊中小企業レポート
更新日:2007/09/20

健康を考える

禁煙の薦め

健康を考える 禁煙はなかなか難しい問題です。私は、数年間喫煙していましたが、胃の調子が悪くなり止めました。このように、喫煙していて具合が悪くなる場合は、禁煙しやすいのです。しかし、ストレスが多くて、喫煙してなんとなくストレスが発散した感じになる人や、喫煙がたまらなく好きだと感じている人は、なかなか止めることができません。また、喫煙がそんなに好きでなくても、その場しのぎに喫煙している人も結構難しいのです。
 日本人の男性の6割、女性の1~2割の人が喫煙しています。これは先進国の中でも、かなり大きい比率です。その原因は未だ、喫煙の害がきちんと教育されていないことに大きな原因があると思います。喫煙をしている人も大抵は、癌になりやすいことぐらいは知っています。ただ、そのことが、自分が癌になることには結びついていないので、ただ単に確率が高くなるだけだと思っているのです。医師の中でも、肺がんを研究している人が喫煙をしているという現実があります。

 

■喫煙は、癌になる確率を高くします。

 喫煙は明らかに、癌になる確率を高くします。肺がんで亡くなる人は毎年増えています。癌の中でも一番亡くなっているのが、肺がんです。肺がんの検診は、今はCTという検査をして早期に発見すれば命を救うことが出来ます。50代後半から、肺がんになる確率が高くなるので、喫煙者は毎年1回のCT検査、非喫煙者は3年に1回の検査で良いと信州大の名誉教授の曾根先生は言われています。喫煙者はそして、進行が早いとも言われています。肺がんだけでなく、多くの癌が、喫煙と関係しています。喫煙している人は、癌になる恐怖にさらされているのです。しかし、喫煙をしている人はそのような事実に目を向けたがりません。その事実を、心の中で封印しているのかもしれません。
 喫煙は癌だけでなく、血管の病気にも大きな関係があります。心筋梗塞、狭心症、他の血管の閉塞にとても関係しています。肺の病気、特に慢性肺気腫という病気にも大きな関係があります。在宅で酸素療法をしている人の多くがこの病気が原因です。

■禁煙のための医療行為が保険で認められるようになりました。

 そんな状況の中でも、少しずつ、社会的風潮は、禁煙の方向に動いています。公的施設の中では、原則、禁煙の方向で進んでいます。また、禁煙のための医療行為が保険で認められるようになりました。(一部の医療機関だけですが)私が知っている範囲では、医療保険で使える薬でも、禁煙の成功率は1~2割ぐらいと思われます。これは施設により大分違うと思われます。今までは、これだけの成功率を出せる薬はありませんでした。本当に止める意思がある人は、是非、医療機関に受診して、この薬を使うことをお勧めします。この薬を出せる医療機関は保健所に問い合わせるとわかります。
 喫煙がおいしいとか、ストレスの発散になると思っている人は、ニコチン中毒のためにそう思わされているだけともいえます。禁煙してからは、体調がよくなるはずです。食事がおいしくなり、ストレスも少なくなり、痰も出なくなります。禁煙をすることにより、今までタバコをすっていたことが馬鹿らしくなります。

長野県保険医協同組合
理事 中島 勉
(長野市 中島医院)

 

このページの上へ