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月刊中小企業レポート
更新日:2007/08/20

イノベーション

地域・社会貢献、応援します!

 長野県では、全国に先駆け今年4月より「消防団活動協力事業所応援減税」という優遇措置が制定されました(2年間の限定措置です)。この制度は消防団に加入している従業員を雇用している「事業所」は10万円を上限に事業税の2分の1を免除するというものです。
 現在全国で約90万人の方が消防団に参加されています。その数は年々減少しており、地域における消防力の低下が危惧されています。また、企業などに勤めながら消防団活動に参加する「サラリーマン団員」が増えており、その全体に占める割合は全国平均で7割、長野県内では8割に上ります。しかし、一方で企業によっては、「勤務時間に支障がないこと」などの条件があるために、事実上消防団への参加が難しくなっているケースもあります。そこで、消防団が活動しやすい環境整備を促進するために、県では、消防団に協力している事業所等を事業税減税により支援する「消防団活動協力事業所応援減税」(以下、消防団応援団減税)を制定しました。適用要件は以下の通りです。

■適用要件(以下の要件をすべて満たすことが必要です)

  1. 「消防団協力事業所表示制度」を導入している市町村(※1)に所在するすべての事業所が同制度で消防団協力事業所に認定されていること(※2)
  2. 消防団員を2人以上雇用していること
  3. 県内に所在するすべての事業所が就業規則等に消防団員が消防活動を行うことにより、昇進、賃金、労働時間その他の処遇面での扱いが不利にならないことを記載していること。

※1:現在のところ、長野県内では岡谷市、茅野市、木祖村、小谷村で導入されています。今後さらに増えていくことが予想されます。
※2:※1の市町村に認定申請書を提出し承認されることが必要です。

 特に、建設業を経営されている方は経審で加算されます。県は、平成21年度から経審(長野県建設工事等入札参加資格審査)において地域貢献等の項目で加点することを発表しました。
 他にも応援減税はあり、多くは事業税を対象としています。事業税とは、県民税の一部で、事業を行うにあたって受ける行政サービス(道路、消防、警察など)に対してその経費の一部を負担するという性格の税金です。税率は3~5%程度(法人の種類、資本金の額等で変動します)で納税額は、所得金額に応じて変わってきます。
 長野県で行われている事業税を対象としたその他の応援減税についても紹介したいと思います。

【障害者の雇用応援減税】
■内容
 対象となる障害者を雇用している事業所は、事業税の2分の1を免除する(上限10万円)
【母子家庭の母親の雇用応援減税】
■内容
 母子家庭の母親を雇用している事業所は、事業税の2分の1を免除する(上限10万円)
【環境に配慮した取り組みを応援します】
■内容
 ISO14001(2004年版)またはエコアクション21の認証登録を受けた事業所は、事業税の2分の1を免除する(上限10万円)

 以上、減税での支援を紹介しましたが、助成金という面でも支援があります。例えば、障害者の方を雇用している事業所への優遇措置として「障害者雇用支援センター助成金」や「障害者能力開発助成金」をはじめ多くの助成金が整備されています。他にも、障害者の方や高年齢者、母子家庭の母などを対象とした、「特定就職困難者雇用開発助成金」というものがあります。対象労働者に支払われる賃金の一部が支給されるというものです。
 現在、少子高齢化や、環境の変化などで日本が抱えている問題を少しでも解決の方向に進めるために様々な優遇措置が創設されています。見落としがちな減税措置や助成金などかなりあります。それぞれ適用要件など定められていますので、判断に迷われたり疑問に感じること等ありましたら関係機関等にご相談下さい。

今、後継者がいない経営者の皆様へ!事業承継のススメ

~早めの計画が事業の継続とハッピーライフの鍵です!!~

 中小企業庁発表の情報によると、経営者の6割が後継者がいないことに頭を悩ませています。2006年統計調査では、中小企業社数432万6千社のうち年間29万社が廃業となっています。そのうち7万社は後継者不在の理由で廃業と推定され、20万~35万人が職を失っています。この数は松本市の全人口以上です。
 日本の中小企業は経営者の高齢化(平均57歳)が進んでいます。統計では経営者の引退年齢が平均67歳と予測されていますが、事業承継が完了するまでには5年~10年かかるといわれています。経営者の平均年齢と引退年齢から考えると10年の間に計画的な対策を行わないと事業の存続や社内トラブル、銀行との信頼関係が危うくなってしまいます。

事業承継ステップ

 しかし、経営者の皆様にとって事業承継は初めてで分からない点が多く、目に見える形で結果や利益がすぐにでないこともあり、事前の計画が進んでいないのが現状です。
 計画的な事業承継は、事業の継続や発展、経営者の皆様のハッピーリタイア、家族や働く社員の方々の生活を守ることにもなります。
 今回は、計画的な事業承継を行っていくポイントをお話しします。
 事業承継には図1のようなステップがあり、最終的には①親族への引継ぎ、②外部、従業員等への引継ぎ、③M&Aという3つの手法になります。

ポイント

※本文は、松本市巾上の税理士法人成迫会計事務所で執筆していただいたものを掲載いたしました。

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