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更新日:2007/07/20

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障害者の働く場の創出
企業組合アップル工房イイダ、新たな取り組み

障害者の働く場の創出企業組合アップル工房イイダ、新たな取り組み

 企業組合アップル工房イイダは、雇用機会が限られる障害を持つ人々の就業の場として、企業への雇用ばかりを求めるのではなく、自らが主役になって働く場を作ることを目的として平成15年12月に法人組織を立ち上げ、設立されました。

 これまでは、障害者の方がオンデマンド印刷機を使用して、名刺やパンフレット等の各種印刷物の制作を行ってきました。「障害の有無に関係なく高品質な商品を提供する」を合い言葉に、一般企業と同様のスタイルで営業、制作を行っています。制作能力強化のために、毎年障害者技能大会のDTP部門に参加するなど、積極的に能力向上にチャレンジし、お客様よりデザイン的にも評価をいただけるレベルにまでなりました。特に名刺制作はスピードが特長で、朝注文すれば最短で午後には納品が可能です。

 今年5月より、より多くの障害者雇用の場を作るため、新事業として「リネンサプライ・クリーニング業」への取り組みを開始しました。もちろん素人の障害者のみで品質が維持できる仕事ではありません。技術的、設備的な面に関しては、下伊那郡阿智村の有限会社木下リネンサプライのバックアップを受け、プロのスタッフと障害者が一緒に働くことで品質の維持を実現しています。作業の多くが機械化されており、障害者が取り組む内容は、機械への投入、取り出し、たたむ、束ねるが中心となり、十分に作業が可能な形になっています。この事業は障害就労継続支援A型作業所として県の認定を受けて、現在12人の障害者が働いています。飲食店のおしぼり、福祉施設の入居者の私物洗濯、ホテル等のシーツ、クロス、タオル関係等を中心に作業しており、今後新しいお客様の開拓も積極的に行っていく予定です。

 また、この他にも「南信州のこだわり農産物を東京のレストランに直販する」事業にも取り組んでおり、すでに複数のレストランと契約し、シェフが農場視察に頻繁に訪れるなど活動が活発化し始めています。この事業では梱包、発送作業に障害者が関わることになります。
 このように、企業組合アップル工房イイダでは「障害者就労のためには、一般に通用する品質の業務を行うことと、新たな仕事の創出をしていくことが重要」との考えを基に、今までのオンデマンド印刷はもちろん、新たな仕事の開拓に取り組んでいます。その結果、身体障害だけでなく、知的、精神障害を持つ方々への就労の場が広がりつつあり、今後の展開が楽しみです。仕事の依頼、障害者就労の場として関心のある方の見学等、随時受け付けていますので、興味のある方は一度、お問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

材構成:南信事務所

組合概要

組合名 企業組合アップル工房イイダ
http://www.apple-studio.or.jp/iida/
代表理事   今村 忠弘
所在地   長野県飯田市上郷飯沼2241番1
TEL:0265-56-1155
FAX:0265-56-1157
設立   平成15年12月

 

 

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