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月刊中小企業レポート
更新日:2007/07/20

健康を考える

大人になってもできる歯科矯正

健康を考える 歯並びが悪いことを気にして歯科医院を訪れる方が増えています。歯が重なっていたり八重歯になっている方、前歯が出ているあるいは受け口になっているなど。これらの歯並びや噛み合わせを歯を削って差し歯にしたりしないで、歯を動かして治す治療を矯正治療といいます。
 矯正治療は10代の成長期に合わせて治療できればベストですが、歯を動かすことは大人になってからでも十分可能です。近年ではむしろ大人の患者さんの方が多いといっても良いでしょう。身だしなみの一つとして歯並びを気にする人が増えているのでしょう。
 ただし、大人の矯正治療には少し制約もあります。小中学生で治療が始められれば顎の成長に合わせて治療が進められるので歯を抜かずに治療可能な場合も多いですが大人の場合、顎の成長はないので治療に際して歯を動かすスペースを作るために抜歯が必要になるケースが多くなります。また歯周病といって歯肉や歯を支える骨に病気のある方は、矯正治療に先立って歯周病の治療が必要になります。
 矯正治療は口唇口蓋裂などの場合を除き健康保険は利きませんから、やや高額な費用がかかります。治療期間は大人の場合2年くらいはかかることが普通です。治療期間中は口の中にいろいろな器具や装置が入りますから食事のとき邪魔になったり、歯に力がかかり痛みを感じることもあります。それでも矯正治療を希望する患者さんは近年増えています。どうしてでしょう。

矯正治療のメリット

 患者さんが一番気にするのが見た目の綺麗さです。歯並びや噛み合わせの悪さでコンプレックスを抱えている人が増えているのでしょう。その背景として価値観が欧米化しているからではないでしょうか。八重歯がかわいいという文化は日本だけで、アメリカでは矯正治療が当たり前です。歯並びの綺麗さが対人関係で相手に好印象を与えます。また歯並びを治すと口の中だけではなく顔の感じ、特に口元が変わります。矯正治療をして歯並びを治すことで、自分の容姿に自信が持て性格まで明るく変わっていく人もいます。
 しかし、歯科医師の立場からは見た目以上に歯の健康を保つためにきちんとした噛み合わせを作ることが大切だとおもいます。高齢者の良い歯のコンクールに出て来るような方は、例外なく歯並びのよい方ばかりです。八重歯の老人には滅多にお目にかかれません。歯並びが悪いと歯磨きがうまくできないばかりでなく虫歯になりやすかったり、噛み合わせが悪いことが原因で歯周病が進行しやすく歯を失う原因になってしまうからです。
 歯並びや噛み合わせの悪い人は少し勇気を出して矯正歯科を標榜する歯科医院に相談してみてはいかがでしょう。綺麗な歯並びでいつまでも健康を保ちたいものです。

長野県保険医協同組合
理事 布山 徹
(安曇野市 布山歯科医院)

 

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