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月刊中小企業レポート
更新日:2007/05/20

ビジネスの視点

志高く、大地踏みしめて生きる(1)
開成経営学院理事長 滝澤 恵一

 「人は誰でも夢や希望を持つことができるが、これを実現するには正しい力がいる。
 志という思いのエネルギーと、具現化できる実務能力、そして、実践実行するという行動力である。」
 経営とは、「生き方を生き様として表現すること」です。経営における生き方とは、経営理念です。経営理念を持つためには、人生の志が必要であろうと思います。
 人は誰でも、「今とは違う自分」「今以上の自分」を描くことができます。感じる力の働きにより生じてきたものを、表す力によって、イメージすることができます。
 現実の仕事や生活に振り回されて、忘れかけているかもしれませんが、人は誰でも「今とは違う自分」「今以上の自分」をイメージすることができるのです。
 今以上のもの、より以上のものとは、理想です。理想とは、今、自分が描くことができる最高のものです。
 「そんな理想なんて」とか、「理想を言っていても仕方が無いよ」などという人がいますが、理想はすぐに実現できないものだから理想というのです。すぐに実現できるもの、すでに実現しているものは理想とは言いません。
 さて、理想をイメージするに当たっては、ぼやけているものではいけません。明確にするには、言葉や図表といった言語知、形式知といわれているもので表現することです。これによって、自分の思いが明確になってきます。
 しかし、理想を言語知で表しても、まだ実現できません。理想が、心の奥深くから実現したいという、そして、途切れることが無い、思いのエネルギーに満ちていることが必要です。理想が、思いのエネルギー、念力(ねんりき)と一体となっているものは、理念となります。理念というのは、「理」想と「念」力です。志です。志とは、思いのエネルギーに満ちた理想です。
 経営においても人生においても、もっとも大切なことは、志であろうと思います。まず、自分の人生の生き方、自分の人生のあり方についての理想を持つ。それも、心の奥から、こうありたいと思う理想、つまり、理念を描く。心の奥からあふれ出る思いと一体化した理想である志を抱くということです。
 この抱いた志、人生の志を土台として、経営に関わることを表現したものが経営理念です。経営における志です。経営理念は、会社経営において一貫して貫かれる、もっとも大切な、根本的な価値を表現したものです。経営者はじめ、社員の共通の価値観となるものです。経営理念の内容は、何を目的としてわが社は経営されるのか、わが社はどのような役割を果たすのかということを明らかにした経営目的、経営のあり方を示した経営姿勢、行動指針を明確にしたものとなります。
 ぜひ、自分の人生の志、経営の志を持っていただきたいと思います。志を仲間に語っていただきたいと思います。
 仲間に語って、思いを同じくする人の輪を広げていただきたいと思います。

信州ビジネスコンサルタント協同組合顧問
中小企業診断士 

「ビジネスの視点」(6回掲載 5月号、6月号、7月号、10月号、11月号、12月号)は5月号、6月号、7月号の3回に亘り滝澤恵一氏が執筆いたします。尚、10月号、11月号、12月号は関信一氏(信州ビジネスコンサルタント協同組合理事長)が執筆いたします。

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