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月刊中小企業レポート
更新日:2007/03/20

コラム

地球温暖化に思うこと

長野県中小企業団体中央会上伊那支部長 山田 益(木曽エルピーガス事業協同組合理事長) '07年今年の冬は記録的な暖冬となりました。東京では初雪がなく「春一番」が吹きましたが明治9年気象観測以来はじめての事となったとのことです。世界中においても今年は異常気象が起っていると報道されています。
地球上の平均気温は20世紀100年で0.6℃上昇したとのことですがこれから先も同じ様な「人間活動」を続けると今後10年間では0.3℃の上昇。100年後には最大6.4℃も上昇すると云われています。
 そこで世界気象機関「WMO」などが'97年京都で開催した「気候変動枠組条約第3回締約国会議」でいわゆる「京都議定書」を採択しました。地球温暖化防止のためにCO2、メタン、亜酸化窒素ガスなどの温室効果ガスの排出量を削減することを定めたものです。目標達成期限は'08~'12年までの5年間。法的拘束力もあります。主要各国の削減目標は'90年の排出量を基準として、日本-6%アメリカ-7%、EU-8%、カナダ-6%などとなっていますが、'04年の日本の排出量は削減どころか逆の+8%となっていて目標達成は大変厳しい現状です。
 そこでCO2ガスの排出量についてはなんと云っても化石燃料を主とする現在のエネルギー源の変更が必要です。右図は電力1kwを得るためのCO2排出量です。

日本の各種電源CO2排出量の比較  原子力はCO2の排出量は大変少ないものです。そこで最近は世界中で原子力発電が注目されています。しかし現在の日本国内の原子力に対する評価は余りにも厳しいものばかりです。確かに唯一の被爆国ということで原子力には他の国にはない感情は有ります。しかし余りにも現在の世界中における原子力発電のことが知らされていないことが多いと思います。それは国内各電力会社のPR不足や事故隠し、国内報道機関のマイナス面ばかりの報道などが有ります。
 '00年世界の稼動中の発電原子炉は438基。主要各国の炉の数と総発電量中の原子力の割合は、アメリカ104基20%、フランス59基76%、日本53基34%、イギリス38基27%、ロシア29基15%、ドイツ19基31%、韓国16基41%、ウクライナ13基47%、スウェーデン11基39%などとなっています。(最近NHKに出演した学識者がフランスは30%と云っていた。非常識はなはだしい。)
 原子力発電の最も重要なことは「安全」です。世界中で今日までに起った大きな事故は、'79年アメリカのスリーマイル島の放射性物質放出事故、'86年旧ソ連チェルノブイル原子炉破壊事故31名の死者。'99年東海村JCOウラン加工工場事故、2名死亡。'04年福井県美浜原発3号機事故、5名死亡などがあります。これらの事故は確かに大変多くの地域住民に恐怖や不安を与えた事は重大なことです。これらの事故はその後の原子力発電への教訓として生かされていると思います。なぜなら日本国内の事故は人為的で無知、未知から起きているからです。
 いずれにしても人間は有史以来、便利な物を発見、発明すれば絶対後戻りはしません。
 今日、電気や自動車なしの生活など考えられません。とすればこれからの地球をどう守るのかは必ず出来るはずです。

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