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月刊中小企業レポート
更新日:2007/2/09

イノベーション

マンネリ経営からの脱皮!! 形容詞+名詞

 業績が良い組織も悪い組織も、改めて自分に問い直すべき質問は、自分の組織は2~3年前に比べて本質強化されたか?という事ではないでしょうか?製造業中心に景気が良い法人も多いですが、設備投資の内容が現在の生産量を維持したり増やしたりするものが中心で、将来の飯の種になるべき開発に対しての投資は多くないとの話もよく聞きます。製品や技術開発、新たな販売の仕方の検討、人材教育の強化など組織を強くしていく事を日常化していきたいが、日々の仕事をこなすなかで、緊急性が低く重要性の高いこれらの仕事は、後回しにされがちです。
 では、どうしたら、将来の飯の種を作ったり、今の組織を強化していく事ができるのでしょうか?時間管理も大切ですが、まずは意識の差なのかなと感じています。個人の仕事の仕方で言えば、ただ、漠然と仕事をこなす人と、次にもっとお客様に喜んで帰っていただくには、どういうサービスが必要だったのかと考える人との差とも言えると思います。料理人でいえば、漫然と料理をされる方と、どうしたら、もっとおいしい料理になるのかと日夜研究される方との差だと思います。唐揚げを揚げるというのと、ぱりっとおいしい唐揚げを揚げるとの間には、雲泥の差があります。ぱりっとおいしい唐揚げを揚げるには、温度は何度が適切なのか、何回揚げるべきなのか?衣は何が良いのか?など検討対象がたくさんでてきます。ただ、唐揚げを揚げれば良いとだけ考えている人は、何も気づきませんし技術が向上していきません。問題意識を持つ事の重要性が言われますが、これは、漫然と物事をこなすのではなく、形容詞+名詞で自分の組織のあり方や製品技術を定義する事から始めると思います。社員教育であれば、どういうスタッフ像が理想なのかを考える事だと思います。一時は閉園の危機にあった旭川市旭山動物園を日本有数の動物園に再生させ、上野動物園を抜いて日本で一番行きたい動物園にした立役者、小菅正夫園長の経営のコツは、生き生きとした動物本来の生態をありのまま見せる「行動展示」という手法を考案しているが、そのヒントはどういう動物園にしたいのか?という自問自答と直接、お客様に聞くところから得られています。さらに、小菅氏は2006年の日経が選ぶイノベーター大賞を受賞されています。マンネリ経営からの脱皮は、形容詞+名詞「どういう組織になりたいのか?」から始まります。

マンネリ経営からの脱皮!! 形容詞+名詞

導入秒読み?! 入札ボンドの波が 建設業界に押し寄せる!!

 入札ボンド導入の記事が最近頻繁に掲載され、導入の動向を強めていることがわかります。ボンド対象の工事金額は、国土交通省が7.2億円以上から2億円以上へ引き下げ、宮城県では3億円以上、埼玉県でも5億円以上の工事を対象に導入しています。気になる長野県は、近年中に導入すると言われています。
 全国で広がりつつある入札ボンドで重視しているのは財務力です。具体的な財務指標と審査内容は公表されていませんが、金融庁が使用している
”金融検査マニュアル“に近い評価項目が使われているようです。
 そこで今回は、金融機関が中小企業を評価する際に重要視している財務指標とその改善策について、またボンド発行料金等の最新情報をご紹介致します。

~注目される指標と対策~

 ボンド発行会社が審査をする上で注目する財務指標は、1.債務償還能力、2.売上高経常利益率です。財務指標だけでなく、代表者の経営意欲や計画立案能力等、定性要因も加味してボンド発行枠を決定します。

  1. 債務償還能力
     借入金をキャッシュフロー(当期純利益+減価償却費)によって、何年で返済できるかを計算します。10年以上になると、保証枠が小さくなる可能性があります。
    ◆ 対策:不動産の売却、固定預金の解約により、借入金を返済する。
  2. 売上高経常利益率
     企業の本来の収益力を判断するものです。2期連続で経常損失になると保証枠が小さくなる可能性があります。
     ◆ 対策:工事台帳を作成して従業員の皆様に周知することで、原価意識を徹底する。

~入札ボンド最新情報~

  1. ボンド発行料金:保証会社が最もお得です。
  2. 国の動向
    ア.一般競争入札と総合評価競争入札の導入を拡大する
    イ.審査の役割分担:財務はボンド発行会社・技術力・社会性は発注者がそれぞれ特化する。

 アとイの2点は、技術力・施工力のある業者を市場に残すことと、官公庁の透明性を高めることの2つの側面に国の意図があります。

入札ボンド最新情報
 さて、入札ボンド導入が実際に始まり、国の意図も見えてきました。建設業界の二極化が目前に迫ってきていると強く感じます。今後、保証枠の大きい業者は一般競争入札拡大の追い風を受け、完工高増加が見込めます。逆に保証枠の小さい業者は競合他社の増加により、完工高の激減、代人の余剰人員を招く恐れがあります。優良業者は潤い、そうでない業者との差は益々開きます。優良業者になるために、皆様の財務諸表それぞれに対して対策が必要です。ここでご紹介した指標は一例です。

※本文は、松本市巾上の税理士法人成迫会計事務所で執筆していただいたものを掲載いたしました。

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