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月刊中小企業レポート
更新日:2006/12/09

コラム

木曽支部の現状と就任のご挨拶

長野県中小企業団体中央会木曽支部長 重野 信孝(木曽エルピーガス事業協同組合理事長) 4月に開催された平成18年度支部総会で、支部長としての大任を仰せつかり、大変戸惑いながら半年が過ぎました。
 前任の田口支部長さんが今年2月に急逝され、そのあとをお受けしたものの、私にとっては大変荷が重い職務と感じています。
 田口前部長さんは、永年にわたり木曽地区の産業界のリーダーとして中小企業の振興発展にご尽力くだされ、数々の実績を残され、その功績は偉大なものでありました。突然の事態に私たち会員も一様に驚きを隠せませんでした。
 さて、木曽を取り巻く経済環境が大きく変革をしています。昨年2月の木曽路南端の山口村が岐阜県中津川市に、また4月には旧楢川村が塩尻市にそれぞれ合併しました。木曽地域にとっては一度に北と南の両袖が無くなり、歴史的建造物群の宿場町や伝統工芸産業が離れ何かもの寂しさを感じています。この合併により、人口の落ち込みと同時に企業の大幅な減少につながり、私たちの組合も会員が減少となりその煽りを大きく被っています。また、木曽地域の基幹産業として経済界をリードした木材産業はバブル景気までの勢いが無くなり、徐々に落ち込んできています。特に林業関係・木工関係に携わる人達の高齢化に伴い事業離れにも拍車がかかっているように聞こえてきます。
若者の地元定着や安定した雇用の場の確保での企業誘致も、地形的に山林が90%強を占めており、広大な敷地を必要とする大きな企業の誘致などは難しい状況です。また、人口の減少に加え少子化により、一般消費者世帯の皆さんの地元消費額が落ち込んでおり、商工業に携わる私たちにとりましては厳しい状況が続いていて、大変な時代をむかえています。
 しかし、木曽には、すばらしい文化遺産の『そのままの自然』が残っており、この自然を生かした、観光を中心とした新しい産業の掘り起こしの取り組みが始まっています。森林・高原・清流宿場の町並み、食文化等多くの地域資源を生かし、商工業関係者はじめ行政・地域住民が一体となり、力を合わせて観光産業・村おこし産業による活性化をめざしています。
 今年2月の『伊那・木曽高規格連絡道路』の権兵衛トンネルの開通が観光客の増加に繋がり、活況を見せ始めました。豊かな森林を生かした『森林セラピー』や『ウォーキング』『自然野菜』など“癒し”“健康”をキーワードに農林業・商工業・地域住民が一体で取り組む新しい事業が、木曽地域の産業の柱となるよう組合員共々取り組んでいきたいと思っています。

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