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月刊中小企業レポート
更新日:2006/09/09

コラム

中央会の究極は中小企業運動

長野県中小企業団体中央会副会長 中田 教一(飯田味噌醤油工業協同組合理事長) 私は自分の職業の業界(味噌醤油業界)が昔から共同仕入、共同PR、共同研究などの組合活動が活発に行われてきた関係上、青年時代から中央会に関わって参りました。
 昭和55年には長野県中央会青年部の会長を務めたこともありました。その頃、若いなりに中央会の役割、目的は一体何だろうかと自分なりに勉強した時期もありました。その時の結論(独断と偏見に満ちた)は“中央会の究極の目的は中小企業運動そのものである”というものでした。勤労者が労働組合を結成して勤労者の立場、利益を守り、又農業者が農協を結成して、農業者の立場、利益を守ると同様に、中小企業者が組合を結成して中小企業の利益を守る一種の中小企業運動であると……。
 その後飯田味噌醤油(協)理事長、長野県味噌工業(協)連合会理事長の任に着いた現在もその考えは不動のものであります。
 元来、企業の組合活動の目的はひとえに組合員相互の共通メリットの追求であり、その為に共同仕入、共同販売、共同PR、共同研究そして低利の金融活用などがある訳ですが、これらの実務的活動だけでは限界があると思っています。この限界を打破するのが政治的活動であり、これ即ち中央会の究極の中小企業運動だろうと考えています。
 かつて様々な団体が一種の政治的圧力団体として活動して参りました。かつての医師会~農協~建設業界~そして現在は?中小企業の有力経済3団体……商工会議所、商工会、そして中央会、いずれも政治的な力を十分発揮していないのではないでしょうか。
 私は生来の戦さ好きのためか(と言っても平和主義者であり、憲法9条改正には慎重論者です)、若い頃から地元の様々な政治活動(選挙活動)に関わって参りました。そこでつくづく感じたのは商工業者の関心が極めて薄いことでした。
 せっかく政治的要望を出せる立場の経済団体が選挙戦ではほとんど活動らしいことをしていないのは実に惜しいことだと感じておりました。(この度の知事選では各経済団体もそれなりの役割は果たしましたが)
 選挙活動というものはどうしても面倒だと敬遠されがちですが、実は簡単なのです。中央会の場合ならば各支部ごとに政治連盟の臨時総会を招集し、推薦する候補者を招いて決起集会とし、中央会はここまでやっているのだとその候補者にデモンストレーションすること。これが候補者にとっては陣中見舞いのお金よりはるかに嬉しいことなのです。しかもこのような決起集会は1時間もあれば充分なのです。
 このような政治的活動が長野県のみならず、全国の中央会に拡がった時、中央会は政治的影響力を有する突出した団体として、その地位を不動のものにすることができるのではないでしょうか。
 目的はあくまでも中小企業者のためになる政治を行ってもらうことであり、これが中央会の究極の中小企業運動となるのではないでしょうか。
 中央会所属組合企業の皆様の賛否のご意見をお待ちしております。

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