イノベーション
税制改正!ポイントは「1人当たり5,000円」まで!!
~接待交際費の飲食費に対する取り扱いが変わります~
皆さん、お得意先や仕入先などの関係者の方を料理店等で接待するということがありませんか?そういった支払いは今まで交際費として処理され、その支払金額の10%は税金の課税対象になっていました(中小企業の場合)。しかし今回の税制改正では1人当たり5,000円以下であれば全額損金算入、つまり10%の税金課税対象にはならないことになります。
例えば年間400万円の飲食交際費の支払いがある法人は、確定申告にて税金として約16万円の支払いをされていましたが、この改正によりその支払いがなくなることになります。
また飲食店業を営まれている方にとっては予算1人5,000円以下といった金額限定のお客様が増えることが予想されます。そのようなお客様のためにコース料理の充実等メニューの見直しをしておくこともよいかもしれません。
では、この規定の適用を受けるために必要な内容を以下のようにまとめてみましたのでご覧ください。
~対象となる飲食費とは??「社外の人」との飲食に限ります!!~
対象となるもの
- 得意先等に対する弁当の差し入れ又は出前
- 飲食店等で飲食した後、持ち帰ってもらうお土産
- 飲食等のために支払うテーブルチャージ料やサービス料
- 懇親会の参加費の支払内容が飲食費等である場合の参加費
- 一次会だけではなく二次会等を行ったうち違った業態の飲食店を利用した場合は、それぞれごとの支払金額
対象とはならないもの
- 手土産、お中元やお歳暮
- ゴルフ、観劇、旅行に際しての飲食等
- レストランの利用権の交付
- 飲食等のために要したタクシー代
- 社内の人だけとの飲食費(厚生費に該当)
- 会議に関連して用意した茶菓や弁当のうち通常要する程度のもの(会議費に該当)
~1人当たり5,000円以下の判定~
「支払金額÷参加者数=1人当たりの金額」で計算します。1人当たり5,000円以下が大前提になっています。もし、5,000円を超えてしまった場合は超える部分だけでなく、支払い金額の全額が交際費等として該当しこの規定を受けられません。
また、5,000円以下の判定で消費税部分につきましては、経理処理を税込経理にしているか税抜経理にしているかによって判定されます。
~一定事項を記載した領収書等の保存が必要です~
今までの領収書等の記載事項に加えて参加者人数、相手先会社名・参加者氏名のメモ書きが必要になってきます。
と書くようにします。当社の社員の氏名までもの記載は求められていませんが、1人当たりの金額を算出できるように参加者人数には含めて記載するようにしましょう。また、懇親パーティーのような参加者が多く、個人名をすべて記載することが困難であることが明らかな時はわかる範囲内で個人名を書き、参加者数の把握はするようにしましょう。
1人5,000円以下という範囲はあるものの、一年間を通して考えてみると大きな金額になるはずです。日々のちょっとした配慮で節税対策になります。また、経営者の方々だけでなく従業員にも該当してくるケースも考えられますので、社内全体としても知識を得ておく必要があるのではないでしょうか。
この改正を機に接待等を販売戦略に加えるなど有効に活用してみてはいかがでしょうか?ポイントは、「1人5,000円以下が厳守!!」「メモ書きを忘れずに!!」です。
それぞれのケースによって判断すべき事象もあります。
※本文は、松本市巾上の税理士法人成迫会計事務所で執筆していただいたものを掲載いたしました。
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