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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30

イノベーション

信用保証協会が中小企業の支援を開始!!

 中小企業が利用している信用保証協会の保証付き融資ですが、その融資について多くの経営者が不満を抱いています。理由は、経営状況が正常先※と融資を回収するリスクが高い企業が一定の保証料率の金額を負担していること、リスクが高く融資を実行してくれないなどの声があります。
 そこで中小企業庁は保証協会の制度を緩和するため、今まで一律1.35%だった保証料を企業の倒産リスクに応じて9段階に分け、保証料率の差別化つまり企業の差別化を始めました。
 今回は、保証料率の改正内容と保証協会の企業を判断する視点についてお話させていただきます。
※ 正常先とは金融機関の債権分類(格付け)によるものです。

銀行格付け

(I)信用保証協会とは・・・
 中小企業が倒産などで融資の返済ができなくなったとき代わりに金融機関へ返済する機関です。一方企業はリスクを負ってもらうため金利とは別に保証料を支払っています。

(II)保証料率の差別化とは・・・

保証料率の改定

 保証協会は今まで一律1.35%だった保証料を9段階に分け中小企業を正常先とそれ以外に区別し保証料率の差別化をします。
 今回の改正で正常先企業にとってはさらに保証料が安くなるメリットがあり、正常先以外の企業は今までギリギリのところで保証されず融資を断られ資金繰りに悩んでいたことが、高い保証料を負担することで融資の可能性ができ現在の事業を躍進させ、また新しい分野にも足を踏み入れるチャンスとなるのではないでしょうか。
 さらに、中小企業の『会計指針チェックリスト』を保証協会も導入し始めました。それを活用することで保証料率が0.1%割引になります。
 このように金融機関等は企業の財務内容に重点をおき、実態と合っている決算書を作成している企業には高い評価をしています。この機会に自社の決算書を見直し金融機関が客観的にどのような評価をしているか確認してみてはいかがでしょうか。

 

公的補助金を有効活用しよう!

 新しいアイデアを思いついたので新商品の開発をしたい、新商品の試作品はできたのでそのPR活動をしたい。このように、新商品開発や、その販路を獲得したいと常日頃考えられている中小企業の皆様も多いのではないでしょうか。しかしその反面、新商品を開発するのは良いが失敗したらどうしよう、といったような不安も無いとは言えないのではないでしょうか。そのような時、新商品開発や販路拡大のPR活動などにかかった経費が補助される制度があったらどうでしょうか?ご安心ください、このような中小企業の皆さんの想いを後押ししてくれる多種多様な支援制度が、国や県・外郭団体に用意されております。
 その一部ではありますが、平成18年3月に長野県18年度技術開発支援補助金の説明会が開催されました。まずは、その最新情報の内のひとつをご紹介させていただきます。
 健康・福祉、環境、教育分野で商品の開発・商品試作とそれに伴うPR活動を行おうと考えられている中小企業者が対象になります。(下図参照
 中小企業者のうち、従業員10名以下または創業5年未満の企業は「ベンチャー枠」での扱いになります。このベンチャー枠は、より小さな企業にも支援を、という趣旨で本年度から設置されており、具体的には、補助率と補助額に違いがあります。
 受付期間は18年4月10日~5月10日を予定(平成18年3月24日現在)しており、応募書類として試作品の開発計画書、直近の決算書、試作品の概要図等の補助資料を提出する必要があります。
 補助金の交付決定は、5月下旬~6月上旬で、交付決定日から平成19年3月31日までに実施する事業における経費が対象となり、補助金は事業終了後の精算払いとなります。
 また、本説明会では、大学や公設試験研究機関等の指導を受けての技術開発を支援する「産学官共同研究補助金」や、開発製品のPRのため展示会・見本市への出展費用を補助する「中小企業販路開拓助成金」などさまざまな支援制度が紹介されました。その詳細情報や過去の採択結果は県商工部産業技術支援課でご覧いただくことができます。
 平成17年4月には、新事業創出促進法、中小創造法、経営革新法の3法が整理統合され、中小企業新事業活動促進法が公布施行されました。同法では、以前の経営革新支援に加え異分野の中小企業がお互いの「強み」を持ち寄り連携して行う新事業活動(「新連携」)が加えられております。同法の「経営革新計画」や、新たに加えられた「新連携」の承認を受けると、事業化市場化支援の補助金、融資の優遇措置(低金利融資)、信用保証枠の拡大等さまざまな優遇が受けられます。このような国の支援制度の詳細は、
 中小企業庁関東経済産業局で情報収集ができます。
 また、国の外郭団体であるNEDONICTなどにおいても、さまざまな補助金が用意されております。
 このように、補助金等の支援策は、各団体のHP等で常時収集できるようになりました。しかし、その反面、常にアンテナを張っていないと損をしてしまう可能性もあります。上述した県の補助金も、募集期間4/10~5/10と記述しましたが、現在のところ確定ではありません(3/24現在)。つまり、常に情報を確認しないと、知らない間に募集が終わっていた、実はこの補助金の補助対象に自社の商品開発が該当していた、といったことも起こりうる可能性があります。支援策も多種多様に用意されており、常に支援内容も変化しております。ですから、常に情報収集をし、皆様の新事業・新商品開発に、徹底的にご活用されてみてはどうでしょうか。

3×3産業商品試作品補助金
●補助対象者
(一般枠)長野県内に主たる事業所を有する中小企業者
(ベンチャー枠)一般枠の中小企業者のうち、従業員10名以下又は創業5年未満の企業
●補助対象事業
 健康・福祉、環境及び教育分野の技術的解決、商品化の早期実現、雇用創出が見込める事業
●補助対象となる経費
①原材料費②構築物費③機械装置工具器具費④外注加工費⑤知的財産権導入費⑥産業財産権出願経費⑦市場開拓等経費(PR、展示会費用など)
●補助率
(一般枠)補助対象経費の1/2以内
(ベンチャー枠)補助対象経費の2/3以内
●補助額
(一般枠)50万円~500万円以内
(ベンチャー枠)50万円~300万円以内

本文は、松本市巾上の税理士法人成迫会計事務所で執筆していただいたものを掲載いたしました。
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